米国時間2024年12月5日,AMDは,「Radeon RX 5000」シリーズ以降のGPUと,RDNAアーキテクチャ以降のGPUを搭載するAPU向けドライバソフト「AMD Software Adrenalin Edition 24.12.1」(以下,AMD Software 24.12.1)をリリースした。WHQL(Windows Hardware Quality Labs,ウィクル)通過版となるAMD Software 24.12.1は,複数の新作タイトルに対応したドライバだ。
AMDが,AMD Software 24.12.1において対応を謳っているのは,2024年11月〜12月に発売となった次の6タイトルである。

11月は定例リリースがなかったので,対応タイトルがやや多くないものの,いずれもとくに性能向上は謳っていない。
ゲーム関連ではほかにも,ワンクリックで最適化が行える「HYPR-RX」対応タイトルに,「Horizon Zero Dawn Remastered」を始めとする3タイトルが追加された。HYPR-RXに関しては,公式サイトも参照してほしい。
また,ゲームとは関係がないが,Windows上の仮想Linux環境である「Windows Subsystem for Linux 2」(WSL2)における仮想GPU対応が,AMD Software 24.12.1で追加されている。AMD SoftwareのWSL2対応版はこれまで,テクニカルプレビュードライバが提供されていたが,正式版のドライバでも対応できるようになったわけだ。
AI関連の開発環境は,Linuxのほうが利用しやすい場合があるので,WSL2上で仮想GPUが利用できるようになれば,開発者の利便性が向上するだろう。ただ,AMD Software 24.12.1におけるWSL2の仮想GPU対応は,「Radeon RX 7900」シリーズおよび「Radeon Pro W7000」シリーズに限定されている。また,利用できる「ROCm」(※AMDが提供しているAI開発環境)のバージョンや動作上の制限もあるとのこと。詳しくは公式サイトを参照していただきたい。
ちなみに,NVIDIAのGeForceシリーズだと,Vulkan APIを使ったAIやグラフィックスアプリケーションの開発もWSL2上で行えるのだが,AMD Software 24.12.1では,Vulkan APIは利用できないようだ。Vulkanが利用できるようになれば,さらに開発者の利便性が向上するので,今後に期待したい。
●AMD Software 24.12.1の対応GPU
Radeon RX 7000シリーズ
Radeon RX 6000シリーズ
Radeon RX 5000シリーズ
Radeon RX 7000M/7000Sシリーズ
Radeon RX 6000Mシリーズ
Radeon RX 5000Mシリーズ
●AMD Software 24.12.1の対応APU
Ryzen 9000シリーズ
Ryzen 8000シリーズ
Ryzen 7000シリーズ
Ryzen 6000シリーズ
Ryzen Mobile Processors with Radeon Graphics(※RDNA世代以降)
●AMD Software 24.12.1が統合するコンポーネント(※比較対象はAMD Software 24.10.1)
Display Driver Version:24.20.33.01-241127a-410212C-AMD-Software-Adrenalin-Edition(←24.20.19.01-241011a-408380C-AMD-Software-Adrenalin-Edition)
UI:2024.1127.1945.2044(←2024.0926.0129.2043)
AMD Windows Driver version:32.0.12033.1030(←32.0.12019.1028)
2D Driver:8.1.1.1634
Direct3D Driver:9.17.11.0272
OpenGL Driver:24.09.240702_2e2ba6f
Audio Driver:10.0.1.38
Vulkan Driver:2.0.317
Vulkan API:1.3.292
●AMD Software 24.12.1における最適化
●AMD Software 24.12.1における新要素
「ドラゴンエイジ:ヴェイルの守護者」「野狗子: Slitterhead」「S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl」「Microsoft Flight Simulator 2024」「Delta Force」「Marvel Rivals」に対応
HYPR-RX対応に3タイトルを追加
制限付きでWSL2に対応(関連リンク)
新たなVulkan拡張に対応(関連リンク)
●AMD Software 24.12.1で解決した問題
「llama.cpp」※使用時に,性能が出ないことのあった問題。この問題は,大規模言語モデルをローカル環境で動作させる「Ollama」や「LM Studio」の動作に影響していた可能性があるとのこと
「ザ・クルー: モーターフェス」をプレイ中,テクスチャが破損することのあった問題
Radeon RX 6000シリーズGPUにおいて,VRヘッドマウントディスプレイ「Valve Index」をリフレッシュレート144Hzで使用中に「SteamVR」を初めて起動すると,システムがクラッシュすることのあった問題
「モンスターハンター:ワールド」において,セーブデータをロード中に断続的にゲームがフリーズすることのあった問題
Radeon RX 5000シリーズ以降のGPUで「Fortnite」プレイ中,断続的にゲームがクラッシュすることのあった問題
「Twitch」の「Enhanced Broadcasting」でOBS Studioを利用しているときに,H.264のエンコーディングが意図したとおりに動作しないことのあった問題
※AIモデルをローカルのCPUやGPUで動作させるC++ランタイムライブラリ
●AMD Software 24.12.1における既知の問題
「Ryzen AI HX 370」など一部のAMD製統合GPUで「Warhammer 40,000: Space Marine 2」をプレイすると,断続的にドライバのタイムアウトやゲームのクラッシュが発生することがある。この問題はAMD Softwareのパフォーマンス設定→「チューニング」タブにある「Variable Graphics Memory」を有効化することで一時的に回避できる
「FidelityFX Super Resolution 3」(FSR3)のフレーム生成を有効化してMarvel Rivalsをプレイすると,断続的に画面のカクつき(スタッター)が生じることがある。この問題は,AMD Softwareのゲーム個別設定を使用してフレーム生成を無効にすることで一時的に回避できる
Ryzen 7000シリーズ以降のRyzen CPUとAMD製GPUを組み合わせたシステムで「AMD Cleanup Utility」使用後に,「AMDバグリポートツール」が断続的にポップアップすることがある
TwitchのEnhanced BroadcastingでOBS Studioを利用しているときに,HEVCのエンコーディングが意図したとおりに動作しないことがある

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