<為替> 終盤のニューヨーク外為市場では、ユーロ/ドルが取引時間中の高値からは下げたものの小幅上昇となった。フランス議会の内閣不信任案可決は広く予想されていた。米ドルはおおむね横ばい。韓国ウォンは上昇した。
ユーロ/ドルは1.0512ドルと、わずかに上昇。仏野党はバルニエ首相による緊縮型の2025年度予算案に反対し、左派連合と極右が一致して不信任案を提出していた。バルニエ首相は辞任する見通し。
マネーコープ幹部のユージン・エプスタイン氏は「現時点では、今後事態がどれほど悪化するかが問題となる。予算案がどの程度の期間、各政党の政治的利益を調整するための材料として使われるのか全く見通しが立っていない」と指摘した。
バルニエ内閣の辞職はフランスの政治危機を深めることになり、11月の米大統領選でトランプ氏が勝利して以来、急激に進むユーロ安にさらに圧力がかかる可能性がある。
ドル指数は106.33で横ばいとなった。この日に発表された経済データは、次回米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ予想を揺るがすものではなかった。
NY外為市場:
<債券> 米金融・債券市場では、利回りが低下した。市場では、この日発表された軟調なデータを受け、12月連邦公開市場委員会(FOMC)での25ベーシスポイント(bp)利下げ観測が継続した。
米供給管理協会(ISM)が4日発表した11月の非製造業総合指数は52.1と、前月の56.0から低下し、予想の55.5も下回った。
米セントルイス地区連銀のムサレム総裁はこの日、インフレ率を目標水準に戻すにはあと2年かかる可能性があると予想。忍耐強い金融政策スタンスが適切になるとの考えを示した。
指標となる10年債利回りは3.7bp低下の4.184%となった。2年債利回りは3.9bp低下の4.132%。
2年・10年債利回り格差は4.8bpに拡大した。
米金融・債券市場:
<株式> 米国株式市場は、ハイテク株主導で上昇し、主要3株価指数が終値ベースの最高値を更新した。前日四半期決算を発表したセールスフォースが大幅上昇した。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の発言も相場を押し上げた。
パウエル氏はこの日、米経済は9月に利下げを開始した当初よりも力強く推移しているため、FRBはさらなる利下げに慎重になる可能性があると述べた。
スパルタン・キャピタル・セキュリティーズのチーフ・マーケット・エコノミスト、ピーター・カーディロ氏は、パウエル議長の発言は地区連銀経済報告(ベージュブック)とともに市場の明るい雰囲気を強めたと述べた。
FRBはこの日発表したベージュブックで、経済活動はほとんどの地区で若干拡大したという認識を示した。物価上昇は控えめなペースにとどまったという。
パウエル議長は「経済について非常に楽観的で、インフレに関しては進展がみられると述べた。これは株式市場全体にとって良いニュースだ」とカーディロ氏は語った。
米国株式市場:
<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、市場予想を下回った米雇用関連指標を受けてユーロ高・ドル安地合いが進み、続伸した。
米民間雇用サービス会社ADPが4日発表した11月の全米雇用報告では、非農業部門の民間就業者数は前月比14万6000人増と、市場予想(ロイター集計)の15万人増を下回った。発表を受け、外国為替市場では対ユーロでドル売りが優勢。ドル建てで取引される金の割安感につながったことから、金相場はプラス圏に転じた。
NY貴金属:
<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、主要産油国による生産方針決定を前に利食い売りが台頭し、3営業日ぶりに反落した。
朝方までは堅調に推移。石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の産油国で構成する「OPECプラス」が翌5日に開催する会合で、2025年1月に開始予定だった段階的な減産縮小計画を3月末まで延長する公算が大きいとの報が好感された。また、韓国とフランスの政局混乱やシリア内戦、さらにイスラエルによるレバノン政府への攻撃示唆など地政学的リスクの高まりも供給不安を後押しし、相場は一時70ドル台半ばに上昇した。
しかし、米エネルギー情報局(EIA)が午前に発表した週報では、ガソリンやディスティレート(留出油)など石油製品の在庫が市場予想を上回る積み増しを記録。原油在庫は大幅に減少したものの、徐々に売りが膨らみ、相場はマイナス圏に沈んだ。また、午後には「OPECプラス」の決定への警戒感からまとまった売りが出て、下げ幅を拡大。この日の安値付近で取引を終えた。
NYMEXエネルギー:
LSEGデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab

WACOCA: People, Life, Style.