米国時間2024年12月4日,XREALは,サングラス型ディスプレイの新製品「XREAL One」と「XREAL One Pro」を発表した。米国や欧州では受注を開始しており,価格は順に499ドル(約7万5000円,税別),599ドル(約9万円,税別)となっている。
XREAL One。内部が部分的に見えるイラストになっている
X1プロセッサのイメージ画像
XREAL Oneシリーズは,XREALが開発した独自プロセッサ「X1」を採用することで,サングラス型ディスプレイ単体で3軸自由度(3DoF)の動き検出が可能になっている。これにより,空間上に映像を固定したり,頭の細かい動きによるブレを補正して映像を表示するといった,これまではPCや別売り周辺機器の「XREAL Beam」シリーズが必要だった表示が単体で可能となった。
さらに,映像表示機器(※PCやスマートフォンなど)側で動きに合わせた補正をする必要がないので,機器側で生成した映像をディスプレイ側に表示するまでの遅延が大きく短縮できたという。遅延の短縮は,とくにゲーム用途で効果を発揮するそうだ。
XREAL Oneシリーズにおけるもうひとつの特徴は,名高いオーディオ企業のBoseと共同開発したスピーカーを採用している点にある。さらに,ステレオマイクも内蔵しているので,マイクを使ったボイスチャットや,アクティブノイズキャンセリング機能なども実現しているそうだ。
左右のレンズの間に見えるのがXREAL Eyeだ
そのほかにも,前面レンズの調光機能があり,3段階でレンズの前面を暗くして周囲を遮光できる。また,別売りの小型カメラ「XREAL Eye」(※発売日未定,99ドル)を左右のレンズの間に取り付けることが可能で,目の前の映像を撮影できるという。
両製品とも,ディスプレイにはソニー製の小型有機ELパネルを採用している。このディスプレイに,新開発の光学系を組み合わせて,XREAL Oneは視野角50度,XREAL One Proは視野角57度と,既存のXREAL Air 2シリーズよりも広い視野角を実現した。なお,ディスプレイの解像度は1920×1080ドットで,最大リフレッシュレートは120Hzで,この点は。XREAL Air 2シリーズと変わらない。
XREAL One Pro
ベースモデルのXREAL Oneと,上位モデルであるXREAL One Proの主な違いは,以下の点にある。
視野角(Field Of View,FOV):XREAL Oneは50度,XREAL One Proは57度でやや広い
輝度:ディスプレイの輝度はXREAL Oneが600nit,XREAL One Proは700nit
光学系:XREAL One Proの光学系は,周囲の光の影響を減らして不必要な映像の反射を減らしている。また,光学系の幅もXREAL One Proのほうが薄い
重量:XREAL Oneは約84g,XREAL One Proは約87g
瞳孔間距離(IPD):XREAL One Proは,IPDが57〜66mmと66〜75mmの2モデルを用意しており,適切な物を選べる。XREAL OneはソフトウェアによるIPD補正のみ
左はXREAL One,右はXREAL One Proの光学系が分かる画像。XREAL One Proのほうが薄型だ
XREAL One Proのほうが細かいところで優れているものの,X1プロセッサやスピーカーなどは共通なので,機能面で大きな違いはなさそうだ。
XREALは,12月11日〜12月13日に東京のポートシティ竹芝にて開催されるXR関連イベント「XR Kaigi」に出展予定で,とくに11日にはスポンサーセッションを実施する予定だ。このイベントで,日本におけるXREAL Oneシリーズの販売について発表があるかもしれない。
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