Q.韓国では何がおきているのか?
A.非常戒厳をめぐるユン大統領の突然の発表と6時間での一転の解除、韓国はいま混乱の中にあるといってよい。韓国メディアは、大統領府の高官も多くは大統領の発表を事前に知らされていなかったと伝えていて、ごく一部の側近らとの間で決めて大統領が発表したものとみられている。一部の韓国メディアは、国民も、野党も、与党も、だれも想像すらしていなかった発表だったと伝えている。1987年の民主化宣言以降初めての非常戒厳という強権的ともいえる措置に踏み切った背景には、大統領が難しい政権運営を迫られていたことがあるだろう。大統領とその周辺ではさまざまな疑惑が取り沙汰されて追及の動きが相次いでいる。ことし4月の総選挙で与党が大敗して少数与党になった。最新の世論調査で大統領の支持率は20%を切るところまで下落していた。こうした状況の事態打開を狙った一手だった、そうした見方が支配的だ。
Q.約6時間と急転直下での解除となったが背景は?
A.大統領としてはなんとか事態を打開しようとしたのだろうが、おそらく想定を超えるような反発があったため、まさに急転直下で撤回せざるを得なくなったのだと思う。未明に開かれた国会で、非常戒厳を解除するよう求めた決議案には、出席した議員190人全員が賛成し、全会一致で可決された。野党はもちろん大統領を支えるはずの与党からも反発が相次ぎ、ユン大統領は午前4時半に会見して閣議を開いて非常戒厳を解除すると発表した。実はこの午前4時半の会見の際、閣議を開くために必要なメンバーがそろっていなかった。それほど緊急の対応だったといえる。
Q.大統領の責任は?今後の見通しは?
A.野党だけでなく与党も大統領の一連の動きを厳しく非難していて、大統領の責任を問う動きが今後の焦点となる。まず、すぐにでも動きがありそうなのが国会。野党側は、今回の大統領の非常戒厳の宣言は憲法違反だと非難していて、大統領の弾劾議案を提出した。大統領の弾劾を求める議案を可決するには、野党議員の賛成だけでは難しいものの、与党議員らがどのような態度を示すのか、与党からも弾劾を求める議案に賛成する議員が出るのかどうか、このあたりが今後の焦点になってくる。そして、今回の大統領の強権的な措置に国民の間でも批判や不満、失望などが広がっているとみられ、世論の動向も注視する必要がある。
Q.韓国の混乱は日本にどのような影響が及ぶのか?
A.日本への影響は、ユン大統領の責任を求める韓国国内の動き次第。ただ、仮に大統領の弾劾を求める動きが本格化してきた場合には日本にも影響が及ぶかも知れない。現在は、北朝鮮情勢への対応などで日本、アメリカ、韓国、3か国が連携して対応できている。しかし、韓国で大統領を追及する動きが強まればユン政権は外交などで動きがとれなくなる可能性があり、そうなれば日米韓3か国の連携にも影響が及びかねない。アメリカでは来月、2度目のトランプ政権が発足する。トランプ次期政権とも日米韓3か国の連携を維持し、北朝鮮情勢などに一致して対応していくことができるのかどうか、日本政府も韓国の状況を注視しています。
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