現在、日本の科学技術や製造業は危機に直面しています。他国が成長を続ける中、日本は「失われた30年」を過ごしています。

 

未来への投資が必要だといわれても、GDPが伸び悩む中では大規模な投資が難しい状況です。これまでの基盤が強固に積み上げられていた分、大きな変化を起こすには時間がかかりますが、他の国々は待ってくれません。

 

 各国の研究成果レベルを判断する1つの目安とされる「注目度の高い論文」の発表数を見ると、日本が近年発表した論文発表数は先進7カ国の中でも最下位となっています(出典:文部科学省)。

 

このままでは、日本と世界との研究開発の成果は差が開く一方です。

 

 

しかし、大学時代に2つの研究室を経験後、総合化学メーカーで半導体関連の研究開発をしていた中で、既存のリソースをうまく活用すれば、限られた環境でも迅速かつ多様なアプローチが可能であり、世界と競い合うことができることに気づきました。多くの大学や企業には、使われていない設備や人材が存在しており、それらを活用しないのは非常にもったいないことだと感じたのです。

 

新しい研究環境を整えるには、多額の資金や時間が必要ですが、すでにあるリソースを利用することで、より早く研究を進めることができ、柔軟でスピーディーな研究開発が実現できると考えています。

 

「活かされていない研究設備」と「借りたい企業」をマッチングできれば、日本の研究開発における負をいくつも解決した上でより大きな成果が得られる。失われた30年を取り戻し、再び日本を科学技術の最前線に立たせることができる。そう確信しました。

 

そこで、研究者としての視点から、IT起業家として新たな挑戦を始め「Co-LABO MAKER」を立ち上げました。

 

 

 

その結果、現在、「Co-LABO MAKER」は大学、企業を合わせて既に約300の研究機関で約4,000の研究リソースのネットワークを築いています。

また、これまでに3,000件の依頼を受け、500件のマッチングを達成し、新事業や新商品、論文も生まれました。さらに2024年10月号東洋経済「すごいベンチャー100」に選出いただきました。

 

いくつかの事例をご紹介します。

 

 

 

 

 

しかし、依頼を多く受ける中で、多くの足りない部分が明らかになりました。

 

提携しているラボの設備が不足しているため、全てのニーズに応えきれないことがあります。また、プラットフォームの運営自体も人員不足であり、対応が限られています。他にもさまざまな要望がありましたが、すべてには対応しきれていません。結果として、リソースが足りず、引き受けたくても泣く泣くお断りすることが少なくありません。

 

だからこそ、今、この「共創の輪」をさらに広げたいと思っています。

 

すでに動き出しているこの仕組みが、もっと大きなスケールで広がったら、きっと面白い未来が見えてくるはずです。

 

 

これから、人が介在せずとも自動で回るシステムに再構築することで、より多くの方に利用していただけるようにします。

 

この土台ができれば、プラットフォームとして社会を変えていけると考えています。

 

研究開発のハードルを徹底的に下げて、物理的にも精神的にも自由に研究開発ができるようにしたい。これが実現すれば、最先端の設備を使った実験教室の開催を通じて、若者たちが研究の現場に触れ、実践的なスキルを学ぶ機会を提供できます。

 

現状では、大きな流れをすぐに作り出すことは難しいかもしれませんが、今回のクラウドファンディングを通じて、まずはその一歩を踏み出したいと考えています。

 

その先駆けとして最先端科学の魅力を子どもたちにわかりやすく伝えることで、彼らが科学の世界にワクワクする瞬間を作りたい。

 

その好奇心や興奮が未来の研究者を生み出し、次世代の科学技術をリードする人材となると、この未来への種まきが、やがて科学技術が進展する道筋を築くと、願っています。

 

皆様のご支援がなければ、もっと自由な研究を可能にし、日本の後進を育てることに貢献する、というビジョンは実現できません。

 

現状の課題を解決し、未来の研究開発に貢献するために、皆様のご支援を心よりお願い申し上げます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

WACOCA: People, Life, Style.