<為替> 円が対ドルで6週間ぶりの高値に急騰した。11月の東京都区部消費者物価指数(CPI)が予想を上回ったことで、12月に日銀が利上げに踏み切るとの思惑が高まっている。

総務省が29日に発表した11月の東京都区部消費者物価指数(生鮮食品を除く、コアCPI)は108.3と、前年同月比2.2%上昇した。 もっと見る

この日は感謝祭の祝日明けで、取引は低調だった。

ドル/円は1.27%安の149.62円となった。 一時、10月21日以来の安値となる149.47円まで沈んだ。週間では対円で3.38%安と、下落幅は7月以降で最大となる見込み。

主要通貨に対するドル指数は0.31%安の105.74。一時、105.61と12日以来の安値を付けた。

予想を上回る経済指標により、市場では連邦準備理事会(FRB)が中立金利に近づくにつれ、利下げペースを鈍化させるとの見方が強まる。

CMEのフェドウオッチによると、市場が織り込む来月の連邦公開市場委員会(FOMC)での25ベーシスポイント(bp)の利下げの可能性は66%。1月の追加利下げの確率はわずか17%となっている。

次の主要経済データとして、12月6日に発表予定の11月の雇用統計に注目が集まる。

ユーロは0.24%高の1.0578ドルとなった。ただ月間では2.8%安と、2023年5月以来最悪の月次パフォーマンスとなる勢い。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは2.39%高の9万7414ドル。

NY外為市場:

<債券> 短縮取引で薄商いの中、利回りが低下した。週間では、トランプ次期政権下での財務長官人事を巡る楽観論とインフレ懸念の緩和を背景に債券価格の上昇が続いた。

アクサ・インベストメント・マネージャーズのマクロ経済調査責任者、デビッド・ペイジ氏は「月末のポジションが影響している可能性が高く、特に感謝祭の週末にかけて国債の需要が幾分高まった可能性が高い」と述べた。

10年国債利回りは、取引終盤で4.176%と、10月25日以来の低水準となった。2年債利回りは4.163%と、5日以来の低水準を付けた。

2年債・10年債利回り格差は1.7ベーシスポイント(bp)となり、イールドカーブはフラット化した。同利回り格差は25日、短期ゾーンの利回りが長期ゾーンを約0.5bp上回ったことで1カ月超ぶりに逆転した。

30年債利回りは4.366%となった。

月ベースでは、10年債利回りは約10bp低下した一方で、2年債利回りはほぼ横ばいで推移した。30年債利回りも約11bp低下した。

トランプ氏が22日に、財政規律を重視するとされる著名投資家のスコット・ベッセント氏を財務長官に任命したことについて、キャピタル・エコノミクスのシニア・マーケット・エコノミスト、ダイアナ・イオバネル氏は「ベッセント氏の米財務長官指名は財政懸念を和らげた」と述べた。

米金融・債券市場:

<株式> S&P総合500種とダウ工業株30種が過去最高値を更新して取引を終えた。エヌビディア(NVDA.O), opens new tabなどハイテク株が上昇したほか、金融セクターなども上げた。エヌビディアは2%、米電気自動車(EV)大手テスラ(TSLA.O), opens new tabは3.7%急騰した。

投資家は、ブラックフライデーの大幅値引きに対する消費者の反応を注視している。アドビ・アナリティクスは、オンライン購入額は過去最高の108億ドルに達し、前年比9.9%増加すると予想した。

ターゲット(TGT.N), opens new tabは1.6%高、メーシーズ(M.N), opens new tabは1.8%高となった。フィラデルフィアSE半導体指数(.SOX), opens new tabは1.5%上昇。小型株のラッセル2000指数(.RUT), opens new tabも0.4%上昇した。暗号資産(仮想通貨)のビットコインの上昇を受け、関連株も上昇。マラソン・デジタル・ホールディングス(MARA.O), opens new tabは1.9%高となった。一方、アプライド・セラピューティクス(APLT.O), opens new tabは76%急落した。米食品医薬品局(FDA)が遺伝性代謝疾患の治療薬の承認を見送った。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を2.46対1の比率で上回った。

米取引所の合算出来高は81億5000万株。この日は感謝祭の祝日明けで短縮取引だった。

米国株式市場:

<金先物> 米金利とドル指数の低下を眺めて買いが優勢となり、続伸した。中心限月2月物の清算値(終値に相当)は前営業日(27日)比16.20ドル(0.61%)高の1オンス=2681.00ドル。

NY貴金属:

<米原油先物> イスラエルとレバノンの停戦合意の実効性に対する懐疑的な見方を背景に買 いが先行したものの、あと利食い売りに押され4営業日続落した。米国産標準油種WTIの中心限月1月物の清算値(終値に相当)は前営業日(27日)比0.72ドル(1.0 5%)安の1バレル=68.00ドルだった。2月物は0.63ドル安の67.72ドル。

NYMEXエネルギー:

LSEGデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります

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