千代田区で開かれた講演会は、日本被団協=日本原水爆被害者団体協議会がことしのノーベル平和賞に選ばれたことを受け、平和問題に取り組むNGOが主催し、およそ50人が参加しました。
講演したのは、広島で母親の胎内にいる時に被爆し、現在は東京 稲城市に住む、日本被団協の濱住治郎 事務局次長(78)です。
はじめに、受賞の理由として、長年にわたる被爆者の証言活動が評価され、平和賞の選考委員長も、少年時代に被爆者のことを知っていたという話を紹介し、「私たち被爆者としてはうれしく、大事にしていきたいです」と喜びを語りました。
そのうえで、「先輩たちが積み重ねてきたことを高齢化していく被爆者がどう若い世代に伝えていくのかが課題だ」として、「世界がよりよい方向に形づくられるよう、平和賞をきっかけに若い人を含めて世界の人が考えてくれることを願います」と話していました。
講演を聞いた20代の男性は「これからの世代の役割の大きさを実感しました。過去の戦争でどういったことがあったのかしっかり受け止めて引き継いでいきたいです」と話していました。
平和賞の授賞式は12月10日にノルウェーのオスロで行われ、濱住さんも出席する予定です。
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