3日10時半ごろ静岡県熱海市伊豆山地区で「土砂崩れが発生した」と近くの住民から消防に通報がありました。静岡県によりますと土石流が発生して複数の住宅が流され20人程度の住民の安否がわからなくなっているということです。警察と消防が救助と捜索を続けています。
消防によりますと、3日10時半ごろ静岡県熱海市伊豆山地区の伊豆山神社の近くに住む人から「土砂崩れが発生した」と通報がありました。
静岡県によりますと、土石流が発生し、複数の住宅が流され、20人程度の住民の安否がわからなくなっているということです。
警察と消防が救助と捜索活動にあたっていて、静岡県は自衛隊にも救助の要請を行って対応にあたるとともに、現場の被害状況の確認を進めています。
東京電力によりますと、静岡県熱海市の土石流の影響で午後2時現在市内のおよそ2830戸が停電していて、安全確認などを行いながら復旧作業にあたっているということです。
専門家「土石流か」
土砂災害に詳しい東京農工大学の石川芳治名誉教授は、「映像からは土石流が発生しているように見える。熱海市周辺は勾配が急な山があり、水を含んで流れやすい火山性の地質が多く土石流が起きてもおかしくない。一度土石流が起きたところでも崩れた土砂がまた水をためて崩れたり、ほかの場所でも水分が地中にしみこむまでに時間がかかったりするので、雨が弱まっても土砂災害の危険性はすぐに下がらない。映像からは土砂が時速数十キロの速さで下っているように見える。土石流などが起きてからでは逃げるのは難しい。土砂災害の危険度が高い地域では避難指示などが続いている間は土砂災害警戒区域から離れてほしい」としています。“10回以上、土石流のようなものが”
熱海市伊豆山にある寺院の住職は「10回以上、土石流のようなものが襲ってきた。外に出るとすでに土砂が道路を覆っていて、消防が付近の人に避難を促している最中にすごい音がして土石流が流れてくるのが見えたので、走って高台に避難しました。戻ってみると、寺院の前にあった家も車も流されていました。大きな木や壊れた家のものとみられるものががれきになって流れていました」と話しています。
また土砂崩れのあった静岡県熱海市伊豆山地区で釣り具店を営む70歳の男性は、「昨夜から大雨だったが、昼前になって土砂によってすごい勢いで住宅5棟くらいが流されていくのを見た。ゴーゴーという大きな音がして住宅を飲み込み、真っ黒な土砂であっというまに住宅がバラバラになった。こんなことが起きるとは思っておらず驚いている」と話していました。
また伊豆山神社にいる男性は「神社の西側で土砂崩れが起き、けたたましい音がしていた。家も電柱も多くが流されているのが見えた。町内の公民館に多くの人が避難し、いっぱいで中に入れない状況になっていた。土石流が家を直撃したという人も避難していた。あたり一帯では断水と停電が起きている」と話していました。
伊豆山地区の住民が避難
静岡県熱海市にあるMOA美術館によりますと、伊豆山地区の住民14人が、地区内で土砂崩れが発生したとして、午前11時ごろから館内の部屋に避難しているということです。
美術館の男性職員は「避難している人にけが人はいませんが、大規模な土砂崩れだということで、動揺している様子でした」と話していました。
熱海市網代 平年の7月1か月上回る雨量
土砂崩れの通報があった静岡県熱海市伊豆山から8キロほど南の熱海市網代にある気象庁の観測点では、1日から雨が降り続き、3日から雨が強まっていました。
3日午後0時半までの48時間に降った雨の量は313ミリと、平年の7月1か月の242.5ミリを上回る雨量になっていました。
周辺は「土石流危険渓流」に指定
国土交通省の「重ねるハザードマップ」によりますと、静岡県熱海市の現場周辺は、土石流の危険性がある「土石流危険渓流」に指定されています。
土石流危険渓流は土砂崩れのリスクが高いとして都道府県が指定しています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/2021…
Twitterより

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