7─9月期実質GDP、2四半期連続でプラス成長:識者はこうみる

 11月15日、内閣府が15日発表した2024年7─9月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質(季節調整値)が前期から0.2%増え、2四半期連続のプラスとなった。都内で2021年6月撮影(2024年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[15日 ロイター] – 内閣府が15日発表した2024年7─9月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質(季節調整値)が前期から0.2%増え、2四半期連続のプラスとなった。年率換算では0.9%増だった。

ロイターがまとめた民間調査機関14社の予測によると、7─9月期実質GDPの予測中央値は前期比0.2%増、年率換算で0.7%のプラス成長だった。

市場関係者に見方を聞いた。

◎早期利上げ妨げず、消費しっかり 内需株の支え

<三井住友DSアセットマネジメント チーフマーケットストラテジスト 市川雅浩氏>

市場予想を上回り、消費もしっかりといえる。先行き内需株の支えになり得る。民間の設備投資はややマイナスながら予想通りで、過度に悲観する必要はない。

経済物価が見通し通りとなれば、日銀による早期の追加利上げの妨げにはならない。ただ、早期に利上げがあるとしても、さほど身構える必要はないだろう。デフレ経済時に比べ、経済は良くなってきている。金融引き締めというより、過度な緩和の修正の意味合いの方が強い。

株価全般への影響は大きくないだろう。今後の国内の政局や経済対策、米トランプ政権の動向次第の側面もあり、過去の数字より先行きの方が重要となる。

◎先行き足踏み、日銀には中立的

<みずほ証券チーフエコノミスト 小林俊介氏>

全体の0.2%は予想通りだったが、中身をみると消費が強いなというのが正直な印象。バックグラウンドとしては、ボーナスが強かった、定額減税があった、8月以降は電気ガス料金の補助金復活があった。そういった若干追い風参考記録的に消費が伸びた。

今回の四半期に関しては消費がけん引したが、一時的な要因に支えられていることを考えると、先行きけん引役不在の状況が続きそうだ。先行きについては足踏みになるだろう。

今回のデータは日銀の利上げにとっては中立的、少なくとも妨げにはならない。年率で0.9%と潜在成長率より高い数字で出てきている。先行きについてはこのスピードで伸びないかもしれないが、実績は日銀の想定以上に強かったということなので、そういう意味でオントラック、妨げにはならない。

トランプ政権でレッドスィープが成立して、大規模な減税が成立する中で、アメリカの景気が吹かされる、金利が上がる、ドルが強くなることが予想される。そういう状況で、ドル円レートが上がっていく中で、インフレのアップサイドリスクが増えている。そういう意味で、日銀は準備は済ませている。為替、インフレの基調次第では12月にもやる、そういう状況にあると思う。

◎消費堅調、日銀は12月利上げへ動き出す

<農林中金総合研究所 南武志氏>

成長率は4─6月から鈍化したが、消費が意外にも加速していて、このことは日銀的にはすごくいいこと。中身は耐久財が中心だと思う。設備投資が弱いが、今焦点になっているのは、所得が増えて消費が増えるということなので、そういう姿になっているということを考えると、日銀は12月利上げに向けて動き出すと思う。

企業設備投資は予想通り弱かった。地震・災害の影響もあったかもしれないが、企業が国内に設備投資する姿勢は強くない。短観ではマインド堅調だが実際の設備投資は決して強くない。

輸出も弱い。米国経済は堅調かもしれないが、米国向けの輸出が伸びているわけではないし、中国、欧州も弱い。インバウンドも天井に近い。

消費は回復の余地ある。雇用者報酬が増えれば消費に回る。景気は踊り場というよりも回復途上。年率で0.9%伸びているということは潜在成長率を2四半期連続で上回っており、回復基調は続いている。

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