米国株式市場は反落して取引を終えた。2021年1月撮影(2024年 ロイター/Mike Segar)
[12日 ロイター] – 米国株式市場は反落して取引を終えた。大統領選後の上昇を受けて利益確定売りが出たほか、週内の経済指標発表を前に警戒感が広がった。
主要株価3指数は5日の大統領選後、トランプ次期大統領による減税や規制緩和への期待感から過去最高値を更新していた。
ただ、この日は楽観的な見方が後退。欧州中央銀行(ECB)当局者らが米新政権による保護主義政策が世界経済の成長を阻害する恐れがあると警告したことなどを受け、欧州株は2%下落した。 もっと見る 次期トランプ政権下で好調に推移するとみられた銘柄の一部が売られ、選挙日以降40%近く上昇していたテスラ(TSLA.O), opens new tabは6%下落した。前日に3年ぶり高値で引けた中小型株のラッセル2000指数(.RUT), opens new tabも1.8%下落。債券投資家がトランプ氏の政策を織り込む中、米国債利回りの上昇が株価の重しとなった。
クレセット・キャピタルのジャック・アブリン最高投資責任者は「10年債利回りが株価上昇の逆風になっている。投資家は(トランプ氏の)成長策を歓迎しているが、債券市場は押し返しており、相反するシグナルが出ている」と指摘。「問題は関税、減税、移民制限により、債券市場が無視できないインフレ圧力が生じることだ」と述べた。
投資家は米連邦準備理事会(FRB)の政策見通しに関する手掛かりとして、13日の消費者物価指数(CPI)のほか、週内に発表される卸売物価指数(PPI)や小売統計に注目している。
ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁は12日、FRBの現在の政策スタンスは「やや制約的」との見方を示した。リッチモンド地区連銀のバーキン総裁は、インフレ圧力が高まったり、労働市場が弱まったりすれば、FRBは適切に対応すると述べた。 もっと見る 個別銘柄では、通期の売上高見通しを下方修正したバイオ製薬のノババックス(NVAX.O), opens new tabが6%下落。一方、ハネウェル(HON.O), opens new tabは3.8%上昇し、上場来高値を更新。アクティビスト(物言う株主)のエリオット・インベストメントが50億ドル超相当の株式を取得したと明らかにした。
ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を3.48対1の比率で上回った。ナスダックでも2.27対1で値下がり銘柄数が値下がり銘柄数を上回った。
米取引所の合算出来高は152億9000万株。直近20営業日の平均は131億7000万株。
LSEGデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります
※米国株式市場
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