理想の宇宙戦艦ヤマト再現計画 閑話:(日本で一番遅い(笑))ヤマト放送50周年記念上映会レポート(前編)
■概要
2024年10月06日(日)に催された「ヤマト放送50周年記念上映会」のレポート動画です。
ネットには記念上映会のレポートが多数アップされていますが、そのほとんどは「号砲一発! 庵野監督のヤマト始動!」を紹介する内容ですが、ここのチャンネルでは、それではなくて、「聖典」第1話と「幻の8mmフィルム」のレポートをメインで解説したいと思います。
ちょっと長くなりましたので前編と後編、そして、庵野監督に伝えたいメッセージ(ネットには「こういうヤマトを創ってほしい」、「シン・ヤマトはこうなる!」というものも沢山アップされていますが、それではないものになります)の3本建てにしようと思っています。この動画はその「前編」です。
■考察:第22話の絵コンテを観て
動画中で紹介した「宇宙葬での沖田艦長の弔辞」の他にもいくつか注目したい点がありますので、それについて語りたいと思います。
・沖田艦長とドメル将軍の会話
絵コンテに描かれている「自爆前の沖田艦長とドメル将軍の会話」も、放送されたアニメと異なる部分がだいぶありました。
絵コンテで描かれるこの会話は、アニメ版より「年齢層高め向け」の内容で、「これ、アニメにしても、たぶん、小中学生は観てもわからないだろうなぁ~。」というものですが、今、この歳になって観ると、そのすばらしさがわかります。
とは言っても、「大人向け」ではなく、「中高生向け」として抑えて書かれた内容に感じられなくもないので、これをベースにガチの「大人向けの内容の物」を創れば、きっと素晴らしいものになると思いますので、いつの日にか、それが実現することを願うばかりです。
(たとえ、私の寿命の方が先に尽きて観ることは出来なかったとしても、いつかは実現してほしいと願います。)
・攻撃する気満々の古代君
ドメル艦隊が自滅した後、ドメル艦隊旗艦に追撃されるシーンで、放送されたアニメではカットされている部分があるのですが、これが面白い!!!
なんと、古代君! 「波動砲用意!」と言って、ドリルミサイルの除去に成功した波動砲で、ドメルの円盤を攻撃しようとするカットがあるんですよ!
「間に合わない!」と言われて制止され、あきらめますが、いやいや、その前に、「ドリルミサイルであれだけダメージを受けているのに、波動砲、まともに使えるの?」という突っ込みが入ってしまいそうです!(笑)
それもあってカットされたのかもしれませんが、カットされた理由にはもう1つ、思い当たるものがありまして、「閑話:沖田艦長編」の概要欄に記しましたが、もしかすると「波動砲のような超兵器は人に向けて放たれてはならない」というのが、「聖典」の製作において考慮されていたのではないかと、私めは考えておりまして、それでカットされた可能性も無きにしも非ずです。
■考察:沖田艦長の本当の強さ(冷徹になり切れない沖田艦長)
今回、絵コンテ再現Webドラマを創るにあたって考えたことをここに記そうと思います。
みなさん、「優秀な指揮官」って、どんな人だと思いますか?
「(自軍の犠牲に動じず)冷徹に任務を遂行できる人」というのはその答えの1つにあると思います。そうした場合、沖田艦長のような「偉大な指揮官」というのは、単なる「優秀な指揮官」ではないと思うんですよ。
数えきれない程の惨劇を経て、「冷徹に任務を遂行できる優秀な指揮官」という存在に至るのでしょうが、それによって得られる「冷静に任務を遂行できる」の正体が、単に「人の死を目の当たりにしても感ずるところがなくなってしまった」だったとしたら、それでは「人として壊れている」になってしまいます。
あるいは、「自責の念に堪え切れずに心を閉ざしてしまった or 逃げてしまった」では、まぁ、普通の人間であればそうなるのも仕方ありませんが、それも正しくないように思います。(いや、そういう状況はやはり人間として正常ではない、「異常」だと、そう、思います。)
そうした意味で「偉大な指揮官」とは、「優秀な指揮官」には向かない人、つまり、「冷徹になり切り、任務を遂行できる『優秀な人』にはなりきれない人」で、そうだからこそ、こんな極限状態であっても「人であり続けることをあきらめない人」、なのではないかと思います。
(まぁ、これは、正確に言うと「なのではないかと思う」ではなく「であってほしい」という私めの願いのようなもの、なのですが。。。)
上の定義を使えば、SPACE BATTLESHIP YAMATO で山崎努氏が演じた沖田艦長は「優秀な指揮官」であるように感じます(例えば、「なぜ、兄を見殺しにした」と詰め寄るキムタクに、「それのどこに問題がある」と答えるようなところ等)。
でも、これですと、人としては壊れているようにも感じます。(上述のように、こんな凄惨な状況においてそうなるのは仕方のない事ではありますが。。。
そう考えると、山崎氏の演技は「非常にリアルだった」と言う事もできるかもしれません。)
それに対して、「聖典」の沖田艦長は、人として、まだ、壊れていない、つまり、山崎氏の演じた沖田艦長より強い人間であると言えるのではないかと思います。
(注意:納谷悟朗氏と山崎努氏の演技の優劣についての話ではありません。お二人が演じた「沖田十三」の「違い」についての話ですので、この点はご承知おきください。m(_ _)m)
今回の「絵コンテ再現WEBドラマ」では、その「沖田十三の偉大さ」が、非常によく表現されているのではないかと思います。
弔辞の前半までは、「数えきれない惨劇を経て、冷徹に振る舞う術」を身に付けた沖田艦長が、それを使って平然と、フォーマルに弔辞を述べますが、途中から湧き上がってくるものを抑えきれなくなります。そして、最後には決意を新たにし、また、一回り、大きく、強くなる。真に偉大な指揮官とは、こうして生まれるのではないかと思います。
今回の忍坂様の朗読は、それが伝わる、非常にすばらしいものだと感じております。
以上
3 Comments
とても面白かったです😊後半も期待しています!
松本先生の作画の可能性のご考察、興味深いですね。1話の作監芦田さんなのに「?」て感じる部分もありスタッフ以外の方が作画したのかな?って思っていたので、こういう考察って楽しいです。
絵コンテについてですが80年代のヤマト本で「1~26話の半分くらい描いた」「アニメは初めてだったから、台本があがってきた時、非常に物足りなくて、セリフや場面や構成等を絵コンテで修正しました」「自分が描いた所がかならずしも良かったといい切れない部分もあります」等の松本先生の記事がありました。
宇宙葬のくだり、「忘れはしないぞ」をアニメに入れるとなんか暑苦しくなりますが、「松本零士の世界」ならしっくりきますね。再現ドラマを聴いてつくづく思いました。
いつもながらの長文、すみません。
再現ドラマ、グッときちゃいますね。
聖典と同じ箇所で「我々は君たちを・・・決して・・・忘れはしない」と間を持たせた台詞回しにすることで沖田艦長の個人的な心情があらわになり、それに続く「決して忘れはしないぞ!」でそれが強烈に迸る感じを受けました。
これ聖典でも採用してもらいたかったなと個人的に思いました。
今回も思わず涙が滲んじゃいましたよ!
それと前々から思っていたのですが松本先生が作画されたのでは?と思われるところ。
火星で古代の「んっ?!おい、島!」の台詞直後に出てくるサーシアの初登場シーン。
顔や手の感じからして松本先生の作画では?
そのすぐ後に出てくるサーシアの顔のアップ(芦田豊雄さんですかね?)とは明らかに違うと思います。
他にも探せば色々とありそうですね。