黒のジャケットを着用して報道陣の前に姿を見せた植草。冒頭「今日何を話すか何度も考えたが、いろんなことが思い浮かんだ」と話し始めたが、約10秒ほどが経過したところで涙。「8歳から始めた空手を32歳まで続けられて幸せ。引退の実感はなかったし、何度も空手を辞めたいと思う機会はたくさんあったが、大きなけがなく競技を続けられて嬉しい」と振り返った。

 小学3年生で空手を始めた植草は、全日本選手権で2015年から女子組手単独最多となる4連覇を達成。16年の世界選手権で初優勝したほか、18年からの五輪予選シリーズ12大会で3度の優勝、7度のメダル獲得を果たした。17~19年にはプレミアリーグ年間女王に。金メダル獲得が期待された2021年の東京五輪では7位だったが、その後もプレミアリーグで4度目の年間王者となるなど活躍。今年5月に引退を表明していた。

 引退を決断するまでの経緯については「モチベーションがなくなってしまった」と説明。パリ五輪で空手が正式種目から外れたが「(東京五輪の)次の五輪で空手がないとなった時、どのような道を進んでいくか考えた」と当時を振り返った。東京五輪後も国際大会で優勝するなど成果を残してきたが、今年1月にパリでの大会に出場した際について「試合前に緊張もしなかったし、試合後も次の試合に向けて心が沸き立たなくなった。競技を続けるのは難しいと思い、日本代表の選考も辞退させていただいた」と話した。

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