厚生労働省は「2050年には5軒に1軒が65歳以上の高齢者の一人暮らし世帯となる」という推計を発表しました。身寄りのない高齢者が急増するなか、中高年の出会いをサポートする人気のツアーに密着しました。
  
■大盛況!中高年だらけの婚活バスツアー

ツアー参加者(59)
「娘が大学生と高校生なんですけど、ゆくゆくは独り立ちして、家から出て行くので、孤独死だけは避けてくれって…」
  
 高齢化社会が進むなか、増え続けているのが「孤独に対する不安」です。一人暮らしの高齢者が、自身の介護など老後の生活をどうしていくべきか悩む人も多くいます。

 こうしたなか、あるツアーが人気を博しています。
  
ハピネスツアー 駒井直人社長
「本日、みなさまの旅のお世話と婚活のサポートをさせていただきます」
  
 「中高年向け婚活バスツアー」は日帰り旅行を楽しみながら、同世代の異性と交流を深めることができるとして人気のツアーです。この日集まったのは、平均年齢60歳の男女28人。
  
ツアー参加者 中野さん(62)
「家で一人でご飯を食べていても、さみしいなと…」
  
 中野さんは、妻とは20年以上前に離婚しました。現在は1DKのアパートで一人暮らしをしています。コロナ禍を迎え、気持ちにある変化があったそうです。
  
中野さん
「60(歳)を超えた時点から、僕はここで死ぬの?って思っちゃったんですよね…」
  
 母や兄弟も亡くなり、「自分の周りには頼れる人がいない」と気付いた中野さん。
  
中野さん
「若いころは仕事も忙しかったですし、自分も元気だったですし、そんなこと考えてなかったんですけど、この年になって先が見え始めてくるとさみしい。とにかく一人で死ぬのが嫌です。買い物に行って、『きょう何にする?』とか、『これにしない?』とか、ほのぼのとした家庭が見えるような夫婦って素晴らしいなって…」

 「老後の人生を共に歩む伴侶を見つけたい」。そんな思いを胸に、婚活バスツアーに参加しました。

■婚活以外の楽しみも…人気ツアーの理由とは?
  
中野さん
「趣味は旅行ですか?」

女性
「旅行ですね」

中野さん
「国内?海外ですか?」

女性
「国内ですね。私の場合は!」

 バスの中で積極的に女性に話しかけていく中野さん。一行が訪れたのは、茨城県を代表する観光名所である「偕楽園」です。日本三名園の一つで、梅や桜といった四季折々の花を鑑賞することができます。
  
 中野さんの隣には、女性の姿がありました。上川さん(58・仮名)は離婚を2回経験し、現在一人暮らし。コロナ禍で誰とも会えず、話せなかった期間を経て、今まで思いもしなかった孤独を感じたといいます。

上川さん
「あー、きれい!」 

中野さん
「梅の花言葉って、なんだろう…」

上川さん
「知らない」

中野さん
「調べてみる」

 会話を盛り上げようと、花言葉を調べる中野さん。

中野さん
「あった、あった!上品、清楚(せいそ)、忍耐、忠実だって。いい言葉だよね」

上川さん
「そうだね」
  
 昼食は茨城自慢の郷土料理である「あんこう鍋」。みそをといたコクのあるスープにトロッと溶けるあん肝。そして、コラーゲンたっぷりの身が絶品です。
  
ツアー参加客
「弾力がすごい。感動です!」
  
 こちらのツアーの人気の理由は、婚活だけではなく、有名な観光名所や地元でしか味わえない料理などを堪能することができます。
  
 食事を通してリラックスしてきたのか、会話が盛り上がる一同。

中野さん
「結構、足が疲れちゃった」

女性
「疲れちゃったんですかー?」

中野さん
「年が年だからさ」

女性
「そんな(年)じゃないじゃないですか~。あのくらいは、歩かなきゃ」

 楽しげに中野さんが会話していたのは、上川さんではなく別の女性でした。横に座る上川さんは、無言で食事を続けます。

 しかし、手持ち無沙汰なのか、中野さんたちを気にする素振りもみせます。

■運命の瞬間…カップル誕生は?

 昼食を終え、次にやってきたのは、太平洋に面した丘の上にある「大洗磯前神社」です。

 平安時代に建てられた由緒ある神社で、縁結びの神様がまつられていることから、恋愛成就にご利益があると人気です。

 そして、海岸にはシンボルともいえる大きな鳥居がそびえ立っています。

 ここからは自由行動。各自が意中の人へ声をかけていきます。

中野さん
「海だよ、海」

 中野さんの横にいたのは、偕楽園を一緒に回った上川さん。

中野さん
「あなた4番だっけ?」

上川さん
「そう!なんで」

中野さん
「(私に)丸をつけていただいて、ありがとうございます」

上川さん
「あ~」

中野さん
「僕も4番(上川さん)に丸したから」

 中間地点の結果で、実はお互いを第一候補に選んでいました。

中野さん
「写真撮ってもらおうよ。あれ(鳥居)をバックに」

上川さん
「綺麗に写らないから、ダメかも…」

中野さん
「やってみないと、分からないから」

上川さん
「写真撮るの何年ぶりだろう…」

 中野さんの積極的な誘いで2人で記念撮影。

中野さん
「しっかり写ってる!LINEで送り返すよ」

 大きな海を静かに眺める2人。その後、神社でお参りをし、次の場所へ。最後に訪れたのは「めんたいパーク大洗」です。
  
上川さん
「こんなの、なかなかスーパーに売ってない」

中野さん
「一個買いましょう!」
  
 買い物を楽しんだ後、2人は互いの生活観について話していました。
  
上川さん
「普段、ご飯作る人?」
 
中野さん
「作りますよ。自炊で軽く」

上川さん
「みんな男性の頭の中では、女性が食事を作るみたいな…」

中野さん
「私は絶対そうは思わない、お互いができることをすればいい」
  
 東京へ向かう帰りのバスでは、中野さんは上川さんの隣をしっかりとキープしました。
  
 時刻は午後7時。ツアーは終了を迎えるなか、バスが東京に到着したところで、運命の瞬間が訪れました。

駒井社長
「こちらで本日のカップリング発表をさせていただきます。まず女性14番、男性12番の方、カップル誕生です」  
  
 中野さんの数字は1、そして上川さんの数字は4。はたして結果は?
 
駒井社長
「ラスト7組目。女性4番の方、男性1番の方、おめでとうございます!」
  
 見事、カップル成立!
  
中野さん
「みなさんのおかげです!ありがとうございました!こんな素敵な彼女と…うれしいです!」

上川さん
「素直に色んなことを話せて、気楽に楽しい一日を過ごせました」

中野さん
「(Q.お幸せに!)ありがとうございました」

上川さん
「気が早い(笑)」
  
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年5月2日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

47 Comments

  1. スーパーとかの買い物ぐらい一人で行く方が楽だけどな。
    けど60ぐらいになったら価値観が変わるのかも。

  2. 母亡き後、父が68の時に50代の女性と付き合って同棲を始めて5年ほどして、父が介護が必要になった途端出ていかれました。この年齢の人達は、介護がすぐ目の前だから、相手探すのも難しいよなぁと思います。付き合って数年のうちに介護してもいいと思えるほど愛情が持てるかというと甚だ疑問だし。。。誰だって介護したくて結婚するわけじゃないしね。

  3. 気を持たせてるつもりなんだか愛想悪いあの女性のどこがいいのか分からない

  4. 正直言うと、結局は、、という話の結末になりそうだけどね
    自分の欲を満たすための伴侶は、相手の欲を満たしてあげたいとは離れた存在
    やっぱり今までの孤独が恋しいと思ったが最後

  5. こんなんより若い世代向けに知らない男女が交流できるDIY体験バスツアーとか色々体験できるバスツアー、街コンに力を入れてほしい。
    恋愛したくても出会いがなくて相手が見つからない若い世代向けにやったほうが儲かると思うけどね。少子化対策にもなるだろうし。
    まぁこれをやるなとは言わんけどね。

  6. 2回離婚の人はヤバいと思うけど

    20年前から活動するべきだったんじゃないの?

  7. ベトナム人などの後進国から出稼ぎとの結婚が増えます。利害が一致しますから。(笑)。つまり若さと金の引き換えですね。

  8. バスツアーの動画好きで結構見てるけど、モザイクかかっててもシルエットで分かる毎回来てる男性いるな

  9. ちょっと前、婚活ロマンスカーというのが小田急ロマンスカーで走っていましたね。

  10. せっかく独身なのに金もかかる、いつ病気になるのかわからない年齢の伴侶が欲しいとは、、、。
    再婚とかは財産分与や子供との関係に影響を及ぼすので個人的には否定的に考えるな。

  11. 子供がいない未婚同士ならいいけど、片方にでも子供がいる場合は相続で揉めないよう準備が必要。
    晩年再婚した配偶者の生活を守ってあげたいという気持ちと、相続遺留分を主張する子供達との間で骨肉の争いが起きる事も少なくない。

  12. お互いひとりで死にたくないって言ってもどっちが先に行くかわからないからね

  13. ❌の子なしアラフィフ♀です。現在、親の介護中。将来はパートナーが欲しいと思っている。淋しいより老後の精神的不安が大きいのかも。結婚は責任が伴い、相続等金銭面では揉めたくないし、親戚付き合い・介護要員・家政婦はゴメンこうむる。慎ましく暮らしているから金銭面で依存するつもりはない。人生を豊かにする目的でパートナーが居ればな。が理想かな。
    男性で結婚希望は何目的?淋しいだけではないよな?と邪推してしまう。

  14. 今の60代は結婚が当たり前だった世代なので独り身の孤独に弱いんだろうな。
    これが今の若者が60代になる30~40年後はかなり違ってくるんだと思う

  15. 76歳ですが今更と思ってます、結婚はい一度経験すれば十分です、まして2、3度の離婚した人間は欠陥あると思ったほうがいい。

  16. 中野さん、子持ちのオバはんより男の俺を選んだ方がいいよ。
    料理も介護も全部やるよ。遊んできてもいいよ。女の愛なんてその場限りよ。

  17. 高齢になって、新たに婚姻されると、、、、、子供たちは相続問題で複雑になるね

  18. 高齢者の婚活 現実に成婚迄 たどり着く人 本当にいるのかね~互いに子供いると超 難しいと感じる。

  19. 厚生労働省は「2050年には5軒に1軒が65歳以上の高齢者の一人暮らし世帯となる」という推計←事実でしょう あれ?何故65歳~75歳でのデーターじゃないの?軒って何

  20. 上川さんのどこがよかったんだろう…?
    花言葉調べてる時も先々いくし、相槌も簡単だし、積極的に話さないし、料理もしなそうなのに

  21. わざわざ介護老人を探すバスツアーかぁ~ご苦労さんじゃね。忘れてた金さえあればなんとかなりまっせ。

  22. 俺は60過ぎて独身だが趣味がたくさんあるので一人が楽。婚活とかめんどくさい。60過ぎて結婚して疲れないのかねぇ