『橋田壽賀子ドラマ 渡る世間は鬼ばかり』(はしだすがこドラマ わたるせけんはおにばかり)は、毎週木曜日21時 – 21時54分に、TBS系の「木曜21時」枠で放送されていた日本のテレビドラマシリーズ。

1990年10月11日から2011年9月29日までシリーズとして断続的に制作・放送された。

連続ドラマ終了後は、2012年9月17日から2019年9月16日まで1、2年に1回のペースでスペシャルが放送されていた。主演は、山岡久乃(第1-3シリーズ)、泉ピン子(第4シリーズ以後)。全10シリーズで、通算放送回数は511回(最終シリーズ後のスペシャルも含む)[1]。

概要
1990年にTBSが開局40周年[注 1]を記念して企画された1年間シリーズとして放送したが、好評を得て断続的にシリーズ化された。岡倉大吉・節子夫婦と5人の娘たち(野田弥生、小島五月、高橋文子、大原葉子、本間長子)とそれぞれの家族の暮らしを描く家庭ドラマである。

通称「渡鬼(わたおに)」[2]。

タイトルは「渡る世間は鬼はなし[注 2]」ということわざをもじってつけられたもので、「相手のことを鬼だと思う自分がすでに鬼なんだと、自分が鬼でなかったら相手のことも鬼だと思わない、という意味を込めたんですよ」と石井ふく子プロデューサーは語っている[3]。

1959年に梅崎春生の直木賞受賞作「ボロ家の春秋」を原作として中村登監督で映画化されたものも「渡る世間は鬼ばかり ボロ家の春秋」という題名がついている。

放送期間は各シリーズとも1年間。視聴率は全てビデオリサーチ調べ、関東地区のもの。

2010年10月14日より第10シリーズの放送がスタートし、本シリーズをもって連続ドラマでの放送は終了した。2009年春よりこれまで放送されていた木曜21時枠がバラエティ枠となり、ドラマ枠は水曜21時に移動した関係上、放送枠については未定であったが[4]、その後TBSより、木曜21時枠での放送が発表された[5]。2010年8月26日、TBSは「丸20年という節目で、出演者の皆さんが元気なうちに美しく切り上げたいという思いもあり、ここで区切りをつけようと判断した」として10月14日に始まる第10シリーズで終了することを正式に発表した。

最終シリーズ終了からおよそ1年が経過した2012年9月17日と9月24日に「月曜ゴールデン」枠の21時 – 22時54分で、最終シリーズ終了から1年が経った岡倉家や「幸楽」を描いた「ただいま!!2週連続スペシャル〜前後編」が放送された。全シリーズ・全単発スペシャルを通して放送曜日が初めて月曜日となり、解説放送も実施した。

2013年にも5月27日と6月3日に「月曜ゴールデン」枠で「2013年2時間スペシャル〜前後編」が放送された。

2014年秋も新作スペシャルの収録が予定されていた[6]が、大吉役の宇津井が死去したために、大吉が急逝した後の岡倉家を描いた「2015年2時間スペシャル〜前後編」が2015年2月16日と2月23日に放送された。

2016年9月18日と9月19日に、中華料理店「幸楽」を再改装する小島家を描く「二夜連続特別企画 渡る世間は鬼ばかり」が放送された。最終シリーズ以降に放送された単発スペシャルはいずれも前後編を2週に分けて放送したが、初めて2夜連続の放送で、初めて日曜日に放送された。テーマソングに歌詞がつき、天童よしみが歌った。

2017年以降の3年間は敬老の日(2017年9月18日、2018年9月17日、2019年9月16日)に3時間スペシャルが放送された。2021年にも放送される筈だったが、橋田が同年4月4日に逝去した為、実現しなかった。

橋田の逝去、そしてシリーズ完結
2020年1月の取材で橋田は「続編1本を約束している」としながらも、自身の年齢を理由に「確約はできない」と語っていた[7]。その後、2021年に続編の台本をほぼ書き上げ、同年7月頃に撮影を開始する予定で[1]、同年9月の敬老の日に放送する予定だったが、前述の通り橋田の死去により、最後に放送された2019年9月16日のスペシャルをもってシリーズの完結が正式に発表され[8]、29年に及ぶシリーズの歴史に幕を下ろした。

WACOCA: People, Life, Style.