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「いやはや、今川氏真も転生者だったとはねええ」

信長は心の底から驚いているサインなのか白皙の美貌に耳たぶだけ赤くして唸っている。斎藤、今川、松平の連合軍4万に挟撃されて天下の織田軍も美濃と尾張の境界線であっさりと壊滅した。まさに、歴史がヒン曲がった瞬間を馬上から目撃して、俺は責任の重さに失禁しそうになる。その後、俺は捕虜となった信長と話しあうことにした。危険人物だったら後顧の憂いを断つために、死んでもらうことになっていた。でも、会ってみるとそれは根こそぎ杞憂だった。

「お、おたくも転生者かあ」

俺は信長に切迫した声で言った。幸い小姓たちを遠のけて二人きりなのが幸いだった。なぜ奴が転生者だと気付いたかというと、信長の右耳にイヤリングが付いていて、しかもカタカナでエグ○イル命って文字が彫られていたからだ。
「いやあ、ここはいい時代だよ、エグ○イルは聞けないけど」
「え、イヤイヤ、良くないだろう。早く元にもどりたいよ」
俺は驚いて言う。同時にエグ○イルもう古くないか?と心の中でつっこみをいれる。
「それより手が痛いから、縄ほどいてよ」

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