高校や高等専門学校の生徒が自由な発想で産業用ロボットのアイデアを競う大会が先日、熊本市で開かれました。

最優秀賞に選ばれたのは女子学生が考案した「ラーメンロボット」、留学生への思いが開発のきっかけでした。

『ロボットアイデア甲子園』は高校生や高等専門学校生などが考案したこれまでにない産業用ロボットのアイデアを競う大会です。

熊本大会は工場の機械設備の製造などを行う菊池市の『シナジーシステム』が開催しています。 

4回目となった今回は全国で1番多い199人の応募があり、この日は予選を勝ち抜いた10人がそれぞれのロボットのアイデアを発表しました。

教育関係者や企業のプロたち4人が創造性や表現性などを審査します。

郵便物仕分けロボットや…、ゴミ回収や大型荷物を運搬するロボットなど。

制限時間は5分で、開発したきっかけから構造、生産、販売価格設定まで、自分が思い描くロボットを披露しました。

審査の結果、準優秀賞に輝いたのは、県立天草工業高校・金子 彩香さんの、食品ロスをなくすための廃棄食品を肥料化するロボットです。

【県立天草工業高校・金子 彩香さん】
「そこで私が考案したのは『ロロロくん』です。まず廃棄食品や生ごみを『ロロロくん』の頭の上の分別ごみに入れます。そして、肥料に適さない物をアームロボットで排除します」

分別には画像認識システムや触覚センサーなどを使い精度を上げることや、出来上がった肥料は農家などに配布することなどロボットが関わった後についても盛り込まれていました。

そして、最優秀賞は趣味はラーメン店巡りという熊本高専熊本キャンパスの鍋島 優羽さんのアイデアです。

【熊本高専熊本キャンパス・鍋島 優羽さん】
「そんなラーメン好きな私が提案するのは、無人ラーメン屋台ラーメンロボット『大将』です」

「学校に来ている留学生がインスタントラーメンしか知らないことに驚き、本物のラーメンを海外の人にも楽しんでほしいと思ったことがきっかけだった」と説明しました。

【熊本高専熊本キャンパス・鍋島 優羽さん】
「六軸垂直多関節ロボットを導入し、スムーズにラーメンを作ることができます」

また、券売機で味や麺の硬さを選べるだけでなく、文化や宗教に合わせたアレンジができるよう工夫されています。

【熊本高専熊本キャンパス・鍋島 優羽さん】
「『人を笑顔にするエンジニアになりたい』と入試のころから言っていたので、その第一歩になったのかなと思う」

【審査員長を務めた 東海大学 文理融合学部 佐松 崇史教授】
「若い子たちの自由な発想をできるだけ残した状態で、そこで専門性もしっかりと身につけてもらって、両方持ち合わせた人材になってほしい」

最優秀賞と準優秀賞の2人は今年12月、東京である全国大会に出場します。

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