島田陽子さんは昨年、令和4年7月25日、69歳でお亡くなりになりました。
大腸癌を患っていたとのことです。
私がその訃報を知ったのは、年が明けてしばらくしてのことでした。
テレビを捨てると充実した毎日を過ごせるというメリットがある一方、時事に疎くなるデメリットもあるようです。
訃報を知ったその時、私は追悼動画を作ろうかと思いました。
ですが溜まっている未制作動画の圧力もあり、具体的なアクションはとれずにいました。
それから数か月の間、日常生活を送りながらも心の片隅にもやもやとした気持ちがくすぶっている状態が続いていました。
そんな中、以前ユーチューブにUP した【美人万歳!】美の競演 高峰三枝子・島田陽子 (愛のバラードversion)という動画の再生数がひと月ほど前から伸びはじめ、コメントもいくつか入っていることに気付きました。
そのコメントをつらつらと読むことで、随分遅くはなりましたが「よし!作るか!」と踏ん切りがつくこととなったのです。
踏ん切りがつくと、素材集め、選曲、構成、編集、と滞ることなく不思議なほどスムーズに作業が進みました。
10分クラスの動画となると、いつもは大概どこかの工程で膠着することがあるというのにです、、、。
これらの事象の全ては、因果いや何かの縁(えにし)だったのかもしれません。
自由意志で決めたつもりではあっても、実は抗うことのできない見えない力学のようなものに動かされていた。
今から振り返ればですが、そんな数か月であったようにも思います。
さて、今作動画の主人公である島田陽子さんですが、本当に綺麗な人でした。
痩身長躯の彼女ですが、立ち姿も座った姿も、動く姿も佇まいも、所作や物言いに至るまで全てが美しい女優さんでした。
それとこれは、彼女のチャームポイントと言っても言い過ぎではないであろう、か細く静かだけどはっきり聞き取れる清涼な声も忘れてはならない魅力のひとつであったと思います。
個人的には、「砂の器」1974年から「犬神家の一族」1976年、「将軍」1980年に至るまでの数年間、20代前半から後半にかけての島田陽子さんは、神がかっていたと表現したいほどの美しさだったと思います。
とは言ってもその美しさは、30代となってからも陰りを見せる気配はありませんでした。
しかしその美しさも、ある男と知り合ってからは雲行きが怪しくなってしまいました。
しなくてもいい苦労をしたからでしょうか、顔つきも微妙に変わったように思います。
美の女神が島田陽子さんの美貌に嫉妬し、近づけてはならない男と引き合わせ彼女の人生を狂わせたのかもしれません。
これもまた、抗うことのできない縁であったのかと思うと、なんとも複雑な気分になります。
なんにしても納得はできませんがそれが現実です。どうしようもありません。
でも、たとえどうであったとしても、私の心に刻み込まれている鮮明な記憶には、ほんのわずかな影響すら及ぼすことはないのです。
島田陽子という美しい女優がいたという記憶が消えてしまうことは決してないのです。
動画後半は、島田陽子さんにたいして私が持つ強烈な心象を具現化したものとなります。
「犬神家の一族」と「野々宮珠世」です。
犬神家の一族といえば、私立探偵、マスクの男、そして高峰三枝子さん、島田陽子さんです。
さらに島田陽子さんと言えば野々宮珠世。
野々宮珠世と言えば島田陽子さんという等式が私の中では出来上がっているのです。
島田陽子さん演ずる野々宮珠世、これほどのはまり役は、まあ滅多にお目にかかれません。(はまり役の一例をあげると、「レオン」でマチルダを演じたナタリーポートマンみたいな感じです)
日米でヒットし、多くの賞も受賞した「将軍」での島田陽子さん演ずる戸田まり子の魅力も野々宮珠世の前では霞んでしまいます。
また、最近見る機会があったリメイク版犬神家の一族での松嶋菜々子演ずる野々宮珠世を目にしたことで、比べ物にならないと言いきれてしまうほど島田陽子さん演ずる野々宮珠世は絶対的なものであったと再評価できました。
恐らくと言うか、私は断言できます。
今後何回犬神家の一族をリメイクしようとも、島田陽子さんが演じた野々宮珠世を超える野々宮珠世を演じることのできる女優は決して出ないであろうと。
島田陽子さんが演じた野々宮珠世には昭和の時代に確かに存在した、気品と芯の強さ、そして慈母のような優しさを持った日本女子の気質がありました。
今作動画最後で使用した画像、そこに映る野々宮珠世の眼差しにはその優しが満ち満ちていました。
母親が我が子に向けるときにみせる、そう、それはもう優しいほほ笑みです。
1 Comment
やっ~ぱ、野々宮珠世だよ❗
珠世は、これくらい美女でないと。
一番最近のNHK版は、なんだあれは❗
何処にでもいる程、極普通の女の子が、珠世ですと言われても、納得できねえよ。‼️