新聞記事などをもとに、原子力資料情報室 共同代表の伴英幸が、原子力にかんするニュースについて紹介します。
【上関で中間貯蔵の調査】
山口県上関町で、関西電力と中国電力の共同開発による中間貯蔵施設の提案があったことを、8月2日から3日かけて各紙が取り上げた。
上関は1982年に原発計画が浮上して以来、住民の反対や東電福島原発事故の影響などで、建設されない状態が続いている。交付金がどんどん減少し、町は新たな原発マネーを探していた。町が中国電力に新たな支援策を要請していたところ、中間貯蔵施設建設のための調査を提案された。中国電力としては燃料の保管には余裕があるが将来的な余力の確保のためや、自社では資金不足なので関西電力を巻き込んだ共同開発で進める方針だ。賛成、反対に町は割れ、反対派は「振興策として最低」と論陣を張っている。
関西電力は福井県知事から使用済み燃料の県外への搬出を求められており、23年中に搬出の目途が立たない場合、原発を停止するという約束をしているところで、渡りに船だ。共同開発は、関電が中国電力に働きかけたという見方もある。
使用済み燃料対策が迫られる背景には、六ヶ所再処理工場が稼働いない問題があり、核燃政策の見直しも求められる。
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