福島第一原発事故をめぐる被災者への賠償基準は「中間指針」と呼ばれている。これは、過酷な事故を起こした東京電力が責任を負う賠償の範囲や金額、進めるべき方法などを示しているもの。
2011年8月に策定され、これまでに4回見直されてきたが、12月20日に国の審査会が9年ぶりに改訂された。新たな賠償基準で何が変わったのか?
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<大きく3つ>
1.新たな精神的損害が認められたこと
2.期間が延長され賠償が増額されたこと
3.「指針の賠償額は上限ではない」と初めて明記されたこと

【新たな精神的損害を認める】
これまでは、原発事故により住み慣れた故郷を「喪失」してしまった「帰還困難区域」の人が賠償の対象だった。
一方、今回は故郷が「変容」してしまったことに対する賠償も新たに認められたため、「居住制限区域」や「避難指示解除準備区域」の住民を対象に1人250万円が支払われることになる。
さらに、福島第一原発から半径20キロ圏内などの住民は「放射線に関する情報もなく、不安のなか着の身着のままの過酷な避難を強いられた」として1人30万円の賠償を認めた。

【期間が延長され賠償が増額される】
これまで福島市や郡山市、いわき市など避難指示が出されなかった県内23の市町村については、避難をしたかどうかに関わらず、妊婦や子ども以外の住民に1人8万円が支払われていた。
今回は損害を認める期間が、事故当初から2011年12月末までに延長されたため、1人20万円に増額された。※8万は控除
しかし、今回の見直しでは会津や県南エリアなどが新たな対象エリアに加わることはなかった。

【”指針の賠償額は上限ではない”と初めて明記】
東京電力はこれまで「中間指針」を前提に、それを上回る和解案の拒否を繰り返してきた。そのため、新たな指針では東京電力にこれまで以上に真摯な対応を明確に求めている。

3 Comments

  1. 今回の対象区域外の県民だが、迷惑を被っているのは同じ。もちろん、故郷を失なった方々に比べれば被害は少ないが…再考を希望!

  2. 東電は金で解決できると思わないでほしい。風評払拭にむけて、恒久的な福島県支援が必要。