トルコ南部を襲った大地震。生存率が大幅に下がるとされる発生から、72時間が経過しました。今回の地震では、「国を持たない最大の民族」の人たちも、被害に遭っています。その現状を取材しました。

■“72時間の壁”超え…-15℃の救出劇

 がれきの山の上に集まる大勢の人々。トルコ・カフラマンマラシュでの救助の様子です。

 担架で運ばれてきたのは、9歳の少女。倒壊した7階建てのビルから続いて救出されたのは、警察官の父親です。

 地震発生から80時間。人命救助のタイムリミットと言われる「72時間の壁」を超えていましたが、2人とも一命をとりとめました。

 高齢の女性も、長い時間、孤独に救助を待っていました。気温はマイナス15℃、72時間以上がれきの下にいました。

 救助隊は、首が動かないよう固定し、点滴を行いながら女性を運び出しました。

■婚約者を亡くした男性「私は生きる屍」

 懸命な救助は今も続いていますが、「100年に一度」とも言われる大地震による死者は、トルコとシリアを合わせて2万人を超えています。

 遺体が安置されている体育館には、悲しみに暮れる男性がいました。2カ月後に結婚する予定だった婚約者を亡くしました。

 ユヌス・エレムさん(24):「彼女はもうすぐ17歳になろうとしていました。ウェディングドレスを着ようと思っていたのに、今は葬式の服を…。私は生きる屍(しかばね)です。感情を失ってしまいました」

■通りがすべて倒壊…日本の救助隊も捜索

 2度目の大きな揺れの震源に近いカフラマンマラシュ。中心部では、通り全部が倒壊してしまっています。日本の救助隊が捜索活動を行っています。

 4階建てのマンションがあり、13人が行方不明だということです。

■日本在住クルド人 悲惨な状況「見たくない」

 今回の地震で大きな被害が出ている地域には、「国を持たない最大の民族」とも呼ばれるクルド人が多く住んでいます。

 埼玉県川口市のクルド人団体を取材しました。

 日本クルド文化協会 事務局長 チョーラクさん:「きょうもさっき確認したが、1人、日本に住んでいるクルド人の奥さんが亡くなった。だいたい今は、10人ぐらいの家族、親族が向こうで亡くなっているという情報を確認している」

 険しい表情でそう語るのは、日本クルド文化協会のチョーラクさん。現地の知人からは、崩壊したアパートや支援物資を求めて並ぶ人々の行列がどこまでも続いている様子など様々な動画が届き、取材中にもひっきりなしに電話が掛かってきます。

 チョーラクさん:「今、マイナス5℃からマイナス3℃の雪が降っている所なので。毛布やブランケット、テントが必要という確認が今取れている」

 チョーラクさんは現地の様子を知るため、震源から数十キロの距離にあるトルコ・パザルジクで被災した弟に毎日、電話を掛けています。

 チョーラクさん:「これ弟だけど、これ同僚で、今たぶん亡くなっている」

 同僚の住むアパートはがれきの撤去が始まっていますが、今も同僚は見つかっていないといいます。

 チョーラクさん:「今、もう生きている確認ができていない。15人ぐらいがいると言っている。今、工事している所に」

 地震が起きてから、何度も目にする悲惨な街の状況に…。

 日本クルド文化協会 タシ―さん:「本当に大変だよ。私は、あんまり見たくない」

■幼い少女「あなたの召使に」…世界が衝撃

 がれきの中から男の子が救出されたのは、トルコの隣、今も内戦が続くシリアです。

 一方、倒壊した自宅のがれきの下で救助を待つ幼い姉妹。姉は、隣に横たわる妹の顔を覆って粉塵(ふんじん)から守ろうとしています。

 姉妹は、地震から36時間後に無事救出されましたが、その際の救助隊とのやり取りが、世界中で大きく報じられました。

 救助隊:「何かしゃべって、良い子だから。何が欲しい?」
 姉:「出して。何でもします。あなたの召使になります」

 長く続く内戦の影響でしょうか。幼い少女のショッキングな言葉が多くの人の胸を打ちました。

■震源に近い学校 安否確認できてない子どもも…

 シリアやトルコにいる、シリア難民の支援を行う団体は…。

 NPO法人ピース・オブ・シリア 中野貴行代表:「戦争によって、平和な日常というのを知らない。生まれてから、一度も(平和を)知らない子どもたちがいるので、外で遊ぶことも当たり前でなかったりとか。だからこそ、あの何でもしますからみたいな言葉が出てくるような、心情にさせられてしまってたのかなというふうにも感じます」

 シリア北部・アレッポでは甚大な被害が出ていますが、幸い、この団体が運営するアレッポ郊外の幼稚園では、建物の被害もなく、全員の無事が確認されました。

 しかし、震源に近いトルコ・ガジアンテップの学校では、今も安否の確認ができていない子どもが複数いるといいます。

 中野代表:「子どもたちが住んでいる場所というのは、彼らはやっぱり難民状態なので、家賃が高い所に住めない。安い家賃はどこかというと、古い建物。かなりリスクが高い建物に住んでいるんですけど。まだここの状況に関しては、把握できてないです」

(「グッド!モーニング」2023年2月10日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

40 Comments

  1. 政府からテントの支給とか全然なくて他の支援から食糧とか物資受けてるのもだいぶ悲惨
    日本も震災のとき政府の対応遅いと言われてたけどかなりマシに思える

  2. 小さな子が召使いになります言うなんて😢どれだけ悲惨なのかわかります痛ましいです、とっても長い時間本当によくこの姉妹は頑張ったと思いますし助かって本当良かったです

  3. 助けてもらえたのがほんの一部の人間やと思うと恐ろしい

  4. 召使い、お国柄ですか?中東では男尊女卑など見聞きしますが、こんな小さい女のコまでが、胸が痛みます。何もできない私。涙とともに祈ります。

  5. ただでさえ戦争が続いていて危険に晒されているのに、何でここで起きてしまったのか。現地の神様はなにしてる?

  6. 72時間はタイムリミットではありません生存率が著しく低下するだけです。希望はあります。
    マスコミ嘘言うな

  7. この動画には合わないかもしれないが、クルド人について悪い評判を聞いた。
    手が早いとか、手を出すとか。

  8. 涙が止まりません
    日本人の皆さんは今すぐ募金してください

  9. こんな子がいる国をどさくさに紛れて空爆しているトルコ。この子たちの無事を祈ることしかできない。

  10. とても優しくて、強いお姉ちゃんですね!幸せな未来が待っていますように!

  11. 「召使になるから」
    そういう環境と親のもとで育ったんだと思わせる異様な言葉…

  12. この女の子が本当に瓦礫に埋まってるのか、本心で言ってるのか理解出来ません。別の視点から見るとプロバガンダに利用されてる可能性がある。でも本当に真実でしたらとてもショックな事です。

  13. どうか希望をもって、普通の日々が皆様に戻ることを願います。

  14. 召使いになる?
    そんなのはいい、助けてやる

    俺の幸せだけ願ってくれ✪

  15. 子供に、こんな悲しい言葉を言わせるなんて。
    災害で助けてもらうのに。
    悲劇

  16. 救出してもらうには何らかの対価を支払わないといけないと、幼い子が当然のように思っているような環境が悲しすぎる…

  17. これが男の子だったら俺が兵士になって働くのでどうか出してくださいだったのか。。

  18. ワイが養ったるさかいにいつでも連絡してきてや

  19. これ”召使”じゃなくて”一生の友達になります”って言ってるっぽいよ。SNSでアラビア語話せる人たちが訂正してる

  20. اللهُم لك الحَمْد حَمْدًا كثيرًا، ربي يرحمهُم برحمته، آن لله وإنا إليه راجعون

  21. 召使いになります🥺こんな幼い子供がこんなこと言うなんて悲しすぎる。

  22. なんか狙っているようなサムネイル
    被害者の少女を食い物にして金、視聴数稼ごうなんて考えと変わんねえぞ
    そういう手段でこういうニュースを伝えるなんてゲスなことはやめてくれよな