3月3日の桃の節句を前に、秋田市の人形店では多くの人がひな人形を買い求めている。女の子の健やかな成長を願うひな人形。人気のデザインから職人の技が光るものまで、さまざまな商品が並んでいる。
秋田市の秋田人形会館。桃の節句を前に、約220種類のひな人形がずらりと並んでいて、店内は一足早く、春を思わせる雰囲気に包まれている。
秋田人形会館は、東北で唯一 ひな人形を製造しているメーカーで、ほとんどが職人の手作り。着物の模様や色合いはさまざまで、顔の輪郭や表情も1つ1つ違う。
加藤未来アナウンサー:
「ひな人形の最近の傾向として親王飾りが多く出ているということですが、その大きさも、飾るときに場所を取らないようコンパクトになってきています」
住宅の間取りや家族構成の変化などで、ひな人形は年々、より小さいサイズが好まれるようになっていて、飾りの色合いに明るく淡い色を取り入れたものが人気だという。
そのトレンドとは対照的ながら、ことし新たに登場した商品がある。
シンプルなデザインのびょうぶと台座は秋田杉で作られている。びょうぶには、秋田県仙北市の伝統工芸品「樺細工」のデザインが施されているほか、人形がまとう鮮やかな衣装には、草木染めで仕立てた布地が使われている。
また、台座に秋田県湯沢市の伝統工芸品「川連塗り」と樺細工、小物に秋田銀線細工を使うなど、秋田の職人の技が光る人形も登場した。
ひな人形は、一般的に2月4日の立春以降に飾り始めることから、店では2022年12月から少しずつ注文が増え、いまピークを迎えているという。
秋田人形会館・小倉かほる副社長:
「おひな様は単なるインテリアではありません。伝統あるこのような人形を、子どものために、健やかな成長を願っているということの証しとして飾ってもらいたいと思います」
長年飾り続けるひな人形。手仕事に触れながら、お気に入りの1点を見つけてみてはどうだろうか。
種類が豊富で迷う人も多いと思うが、選ぶときのポイントは、びょうぶと台座を見てどんな雰囲気にしたいかを決め、次に衣装、最後に人形の表情を決めるのがおすすめだという。
WACOCA: People, Life, Style.