今夜、世界からこの恋が消えても
監督/三木孝浩
徳島県出身
ソラニン(10)
管制塔(11)
僕等がいた 前篇・後篇 (12)
陽だまりの彼女(13)
ホットロード(14)
アオハライド(14)
くちびるに歌を(15)
青空エール(16)
ぼくは明日、昨日のきみとデートする(16)
先生!、、、好きになってもいいですか?(17)
坂道のアポロン(18)
フォルトゥナの瞳(19)
思い、思われ、ふり、ふられ(20)
きみの瞳が問いかけている(20)
夏への扉 -キミのいる未来へ-(21)
今夜、世界からこの恋が消えても(22)
TANG タング(2022年8月11日公開予定)
アキラとあきら(2022年8月26日公開予定)
脚本 – 月川 翔(つきかわ しょう) (君の膵臓をたべたい(17)の監督)
松本 花奈(まつもと はな)
出演/ 道枝駿佑/みちえだ しゅんすけ (なにわ男子)映画初主演
福本莉子
古川 琴音(ふるかわ ことね
神谷透(かみや とおる)/道枝駿佑/みちえだ しゅんすけ (なにわ男子)映画初主演
日野真織/福本莉子福本莉子
綿矢泉(わたや いずみ)/古川 琴音(ふるかわ ことね
徳島出身の三木孝浩監督最新作
今夜 世界からこの恋が消えても
通称セカコイは 原作小説を未読の人でも 十分楽しめる 心が温かくなる良作に仕上がっている
寝てしまうと その日の記憶をなくしてしまう主人公という設定は 過去の映画にも見受けられるものがある
例えば「50回目のファーストキス」
こちらはドリューバリモアが主演で作られた映画で日本映画としても山田孝之長澤まさみが主演でリメイクされており オリジナル版日本版ともに 完成度の高い作品になっている
さらにもう一本加えるとすると
「ガチボーイ」は外せない こちらは佐藤隆太が主演で 学生プロレスと通して、生きる勇気をもらう 主人公の姿と それを支える家族に焦点が集まった映画
そして
『博士の愛した数式』(寺尾聡)、
こちらはじによって 80分しか記憶が持たない数学教授が主人公
この映画も素晴らしい出来栄え
今年公開された 峠 最後のサムライ の 小泉 堯史(こいずみ たかし)監督作品
ポイント1
三木孝浩監督らしい 光を使った柔らかな画面演出
長編デビュー作 ソラニン 以降ほとんどの作品で見受けられるのだが三木監督の特徴の一つとして青空のインサートと光を使った演出のうまさが挙げられる 今回のセカコイにおいてもそのポイントはしっかりと演出の中に加えられている。
しかもキラキラとした青春を表すのに最高の演出となっている
ポイントに
主演二人の爽やかな演技
道枝くんにしても福本莉子ちゃんにしても 等身大のキャラクターをそのまま返事ている感がありとても気持ち良く見せてもらうことができた
道枝くんが インキャの文学少年と言うには イケメンすぎる感はあるものの そういった部分はさておき 彼の抱える秘密による 根っこの部分が 福本莉子ちゃん演じる真織やその他周りの友人に対しての優しさというものに繋がっている。
福本莉子ちゃんは 「思い思われふりふられ」 浜辺美波ちゃんの同級生の役所で一気に魅力が開花。
この作品では 彼女の 演技演技者としての魅力以上に 女性としての可愛さや魅力もさらに 増えているのはスクリーンを通してひしひしと伝わってきている まさに三木監督ならではの 若い女優の魅力をさらに引き出すという手腕が光っている。
さらに加えるとして 真織の親友役の綿矢も この映画を観る上で欠かせないポイントでもありキャラクターであると言える
記憶障害を抱えた 福本莉子演じる沙織を支え続ける親友だからこそ 抱え込んでしまう一つの要素がどこまでも彼女を苦しめ そして彼女が 二人の親友のことを思って行動する部分では見ているこちらが 同じような気持ちで涙を流してしまうほど迫った演技は素晴らしかった
ポイント3
物語を静かに支え続ける亀田音楽
今回の映画、亀田誠治が音楽を担当
とてもシーンにマッチした柔らかく優しい音楽が全編に満ち満ちている
それぞれのキャラクターが不安になる時喜びを表す時それぞれがピアノの美しいメロディによって盛り上げる雰囲気をサポートしており 亀田音楽があるからこそ静かな中に 力強さやかないかそういったものが見事に 表現される サポート音楽になっている
2020年に公開された「糸」でも聞かせてくれた、そのシーンを盛り上げる手腕のすばらしさ
このセカコイの世界観を見事に膨らませてくれている
前向性健忘(ぜんこうせいけんぼう)である真織(福本莉子)だったが、ある目覚めた朝、昨晩に足をけがしたことをなんとなく覚えていることを両親に話す。
医師の診断から 良くなっている傾向がある ということもあり、真織は日常を取り戻せる可能性が見えてきたことを親友の泉(古川 琴音(ふるかわ ことね))に電話をする。
その泉は箱に収められていた日記を取り出す。それは真織の日記だった。
書かれている 神谷透くんを忘れないで
というメモを観た彼女は過去を思い出すのだった
友人がいじめられているのを助ける条件に真織に告白をする透(道枝駿佑)。その告白をOKする真織。2人は互いの利益のために、嘘の恋人として付き合うことにするが、真織からは3つの条件が提案される。
その条件を承諾し付き合い出す2人。
しかし、ある日。真織の前向性健忘(ぜんこうせいけんぼう)であることが透に知られることになる。それでも透は 日々の日記にバレたことを書かにことで、今のままの付き合いを続けることを提案する。
それにより 目覚めの朝に絶望しかなかった真織の日常の中に、一筋の光が差し込むのだったが……
三木監督が描くティーンエイジャーが主役の映画は 数々あり Happy End もあればどちらかというとバッドエンドになるものもあるが、本作品は 「ぼくは明日、昨日のきみとデートする(16)」のような、切ないハッピーエンド ともいえる作品
ただ今を大切にして明日をもっとよくするために何ができるか?何をすべきか?
それに必要な記憶という重要なパーツを欠落せざるを得ない主人公が抱える朝の絶望感
そして日常的に触れ合う関係者による救済と未来への希望。
そういった様々な思いが2時間という映画の中でかなりの凝縮されて描かれている。
その思いの受け止め方によって
この映画へのおすすめポイントや良かったところが大きく変わってくるものと思われる
ただ見る人によって違う感想がでるであろうこの映画の良さのひとつが、
誰も悪い人が出てこないと言う 安心して誰にでも進めることが映画に仕上がっているということでもある
道枝駿佑/みちえだ しゅんすけくんの演技。決して下手ではないが、まだまだ成長段階といえる。そこを逆手に取ったとも言える、主人公の陰キャ設定ゆえの静かな喋りによる演出が、見事にハマっているともいえる。
道枝くんの やさしさに溢れるがどこか影がある雰囲気というものは冒頭から描かれておりその陰の部分が明確になってから一気に物語は進み出す。そこに至るまでの福本莉子ちゃんとの関係性や 二人が紡いでいく姿はまさに ボーイミーツガールの王道映画であるといえる。
道枝駿佑の 静かな喋りは
彼の性質にもあっていたのかもしれない。
全編を通してあの年頃の初主演映画にある
たどたどしさは感じられることもなく、
三木監督の光の演出のお陰で、
優しく、柔らかく、静かな雰囲気を
見事に見せてくれる。
先日のテレビドラマ
「金田一少年の事件簿」などでも
主演をしている彼が、
次の作品でさらなる成長を
魅せてくれることに期待したい
福本莉子ちゃんは
思い、思われ、ふり、ふられ での三木監督作品にも出演していたので、監督作としては2作目の登場。
フリフラでもいい演技を見せてくれたが、今回も 落ち着いた女性の現代と悩みを抱えつつも 必死に明るく振る舞う高校生時代の両方でいい演技を見せてくれている。
フリフラではべーやんこと 浜辺美波 との共演で 堂々たる主演っぷりを見せてくれたし、可愛さもあったのがとても印象的
この4月からは オロナミンC のCMキャラクターにもなっているので、ますます露出が増えそうな予感
ただ、福本莉子ちゃんの足の細さが気になって仕方がないほど細く見えたのはカメラの演出なのか実際に細いのかはわからないが ものすごく彼女の健康面に 気になってしまうほど細く見えたのは自分だけだろうか
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