プロ野球への目標を身近に持てるようにと企画された「NPB12球団ジュニアトーナメント」。
この大会に出場する楽天イーグルスジュニアの選手に、岩手県大船渡市から2人の小学生が選ばれました。2人の目標はもちろん、佐々木朗希投手です。

うなるストレート、速球派のサウスポー・山口大将君(12)。
鋭いスイング、強肩・強打のキャッチャー・湊きょう太朗君(12)。
2人は大船渡市の小学生6年生です。
数々のプロ野球選手を輩出する日本プロ野球のジュニアチーム12球団のうち、楽天イーグルスのメンバー16人に、9月、そろって選抜されました。
2人は大船渡市で育ったあの投手に続くプロ野球選手を目指しています。

赤崎小学校6年 山口大将君
「目標は佐々木朗希選手です。僕にとってのヒーロー」

猪川小学校6年 湊きょう太朗君
「夢はプロ野球選手。目標にされる選手になりたい」

市内の赤崎小学校に通う山口君。
168センチの長身は同級生の中でも頭がひとつ飛びぬけています。
学校でも考えるのは野球のこと。

赤崎小学校6年 山口大将君
「野球は日常生活が大事。しっかり集中力をつける」

こう語るように勉強にも真剣に取り組む文武両道です。
9月は市内の児童が出場した陸上記録会でソフトボール投げの記録を41年ぶりに更新する70mを投げて優勝。
準優勝には59mを投げた湊君が続き、バッテリーでワンツーフィニッシュを飾りました。

湊君が通うのは市内の猪川小学校。
この日は学習発表会のリハーサルです。
佐々木朗希投手の母校でもあり、校内にはサインなどが展示されているため、湊くんの目標はより明確になりました。

猪川小学校6年 湊きょう太朗君
「朗希投手がプロで大活躍しているから、僕も(プロ野球で)活躍したいと思う」

身長166センチ、靴のサイズはすでに28センチの湊君。
給食では先生がおかわりをよそいに来るなど、恵まれた体格の秘密はこの食べっぷりにありました。

別々のスポーツ少年団に所属する2人は、12月に行われるジュニアチームが日本一をかけて争う「NPB12球団ジュニアトーナメント」に向け、9月から合同練習を行っています。

1日に腹筋と背筋を500回ずつ、バットの素振りは1000回とトップアスリートなみの回数をこなし続けます。

山口君の武器は長い手足を生かした最速115キロのストレート。
湊君の手がしびれるほどの威力です。

エンゼルスの大谷翔平選手の同級生によると、大谷選手は小学校6年生時点で110キロ前後。
ほぼ同じ球速の山口君は自慢のストレートで三振を積み重ねてきました。
打撃は2021年から10本以上のホームランを放ち、まさに投打二刀流です。

一方、湊君はこの2年で30本のホームランを放つ強打者です。
この映像では左中間にホームランを放っていますが、画面右側約100m先の校舎の3階に打球を何度も直撃させています。
さらに、捕球からセカンドベースまでの送球はわずか約2秒と盗塁を許さない肩の強さです。

こうした2人の後ろ姿は周りに刺激を与えています。
1つ下の後輩でピッチャーの志田栄駿君も楽天ジュニアの合格を目指しています。

赤崎小学校5年 志田栄駿君
「2人の合格に『まじか、すごい』と思った。来年、自分も受かりたい」

後輩の道しるべともなる狭き門を突破した山口君と湊君。
バッテリーとして互いを認め合う2人が大会に向け意欲を語ります。

猪川小学校6年 湊きょう太朗君
「日本一になりたいから、きつい練習も頑張ってやっている。山口君を支えていくようなキャッチャーになりたい」

赤崎小学校6年 山口大将君
「湊君は肩も強くてライバルみたい。(大会では)ピッチャーとしてたくさんの三振をとりたい」

大船渡から日本一へ、第2の佐々木朗希投手を目指す2人が全国の舞台で戦います。

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