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佐藤健と武井咲、共に歩んだ10年間 『るろうに剣心』のこれまでと2人の関係性を語り合う

2012年公開の『るろうに剣心』から始まった映画『るろうに剣心』シリーズのラストを飾る2部作である『るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning』。『るろうに剣心 最終章 The Final』は4月23日より公開され、主人公・緋村剣心と、剣心の“十字傷の謎”を知るシリーズ最恐の敵・縁の戦いが描かれる。そして、剣心の十字傷の謎に迫る『るろうに剣心 最終章 The Beginning』(6月4日公開)へと繋がり、シリーズは遂に完結を迎える。

シリーズ1作目から緋村剣心を演じてきた佐藤健と、剣心を支える神谷薫を演じてきた武井咲。撮影に挑むのには覚悟が必要だったという『The Final』や、10年間にわたる『るろうに剣心』シリーズへの思い、そして10年間の2人の関係性について、佐藤と武井に語ってもらった。

■覚悟を持って臨む必要がある『るろうに剣心』シリーズ

ーー2014年に公開された『るろうに剣心 京都大火編』『るろうに剣心 伝説の最期編』から7年を経ての続編となりました。前2作のときから、さらなる続編の可能性はあったのでしょうか?

佐藤健(以下、佐藤):正直、「やるんだろうな」という予感はありましたし、僕自身も「やらねばならない」と思っていました。ただ、『るろうに剣心』の現場は本当に過酷なので、撮影が終わったあとは、またこれをゼロからやるなんて考えたくもないんです。だから、「また次やるんですかね」みたいなことは絶対に口には出さないし、監督ともそういう話はしませんでした。いわゆる見て見ぬふりをしてきたんです(笑)。でも、どこかでいつかまたやるんだろうなとは思っていました。

武井咲(以下、武井):私も続編をやる予感はしていました。でも健さんがおっしゃる通り、とにかくキャストにとってもスタッフさんにとっても大変な現場なので、ぬるい気持ちでは挑めない。そういう背景もあって、実際にたどり着くまでにそれだけの時間がかかったんだと思います。薫としては、「早くみんなに会いたいな」と思っていました。

ーーそれだと実際にやることが決まってからそれなりの覚悟が必要になりそうですね。

佐藤:まさにそうです。「ついにか……」と思いましたから(笑)。だからそういう意味でも『るろうに剣心』をやるには時間が必要になってくるんですよね。いい意味で前の作品を忘れてからじゃないと、またやろうって思えないんです。

ーーそれはやっぱりアクションが大きな理由になるんですかね?

佐藤:まあアクションに限らずなんですけど、それにしてもアクションの比重は大きいですね。これだけの大作ですから、演じる僕たちはもちろん、みんな時間が必要になりますし、非常に大変ではありますね。

武井:私は健さんほどアクションがあるわけではないので、同じと言ったら失礼かもしれないですけど、覚悟を持って挑むというのは私もそうでした。本当に皆さんものすごい覚悟で挑まれている作品なので、私も自分なりの熱意を持って参加したいですし、今回は前作から結構間が空いてしまったので、「また大友組に入るぞ」という気合を入れる必要はありました。本当に緊張に押しつぶされそうな現場なので(笑)。

ーー2012年に公開された1作目『るろうに剣心』のときから、大友監督、アクション監督の谷垣健治さんと共に日本映画最高峰レベルのアクションが生み出されてきました。やはり「前作を超えなければいけない」というプレッシャーもあるのでしょうか?

佐藤:それは当然の認識として全員が持っていました。前作と同じならやる意味がないというか。当然、前作以上のものをお客さんは期待しているわけなので、僕たちはそれ以上のものを作らないといけないと考えていました。

佐藤健にとって、武井咲は“話しやすい”存在?
■本質的には変わらない、10年続く佐藤健と武井咲の関係性

ーー1作目の製作から10年の歳月を迎えました。キャリアや取り巻く環境などお二人にもいろいろな変化があったと思います。

佐藤:今の自分があるのは、緋村剣心という役との出会いがあったから、というのはすごく思います。1作目のときは22歳だったんですけど、あの歳でこの役と出会えたからこそ、それ以降の役との出会いがあったと思うし、それ以降に僕を見てくれる人たちの中には、僕の後ろに剣心の姿を重ねていた人もいるのかなって。僕自身も、常に剣心を背負い、心に秘めながら、別の作品もやってきたという自負があります。本当に剣心と共に歩んできた10年間だったと思います。

武井:Instagramを始めたら、海外の方から「薫ちゃんが好き」というようなコメントをたくさんいただくようになったんです。そういう反応を見ると、改めて「すごい作品に参加していたんだな」とうれしい気持ちになります。今回の『The Final』も、日本はもちろん、世界中の方々が楽しみに待っていてくださっているので、本当にありがたいなと思います。そういうプレッシャーを健さんは主演として背負っているにもかかわらず、現場では常に剣心としていてくださるので、たとえ10年経っても現場に入れば私はすぐに薫に戻れるんです。10年経っても当時の感覚と全く変わっていなかったのには自分でも驚きましたし、これだけひとつの役を長く続ける役柄は私にとっては薫ちゃんしかないので、すごく特別な思いを抱いています。

ーーお二人の関係性はこの10年間で変わったりしましたか?

佐藤:本質は変わらないと思います。今回久々に会って、やっぱり変わらないなと思いましたし、そこが懐かしく思えたり、うれしかったりもする。もともと、武井さんとは話しやすい波長の合い方をするなとは思っていたんですけど……。

武井:そう?

佐藤:え、俺だけ?(笑)

武井:いやいや(笑)。なんか、知的な人(佐藤健)とそうでない人(武井咲)だから、そう思ってたのは意外!

佐藤:いや、そこは関係ないんだよね(笑)。

武井:そうか(笑)。フィーリング?

佐藤:そうだね。1作目のとき、武井さんは17歳だったんですけど、17歳とは思えないほど堂々とフラットな感じで現場にいたので。そういう意味では、僕もかなりフラットに接することができたし、一緒にいて楽だなと思いました。次会うときは何年か時間が経ってるから、毎回「どうなってるんだろう」って思うんですけど、会ったらすぐ当時の感覚に戻るんです。根本的に話しやすい人なんだろうなとは思いますね。

武井:そう思ってもらえていたんだと驚きました。絡みづらい人だと思われていないか心配だったのでよかったです(笑)。でも、10代の頃の私を知ってる人って、ちょっと恥ずかしくもあり、甘えてしまうところもあるというか。剣心メンバーは、不思議な思い入れがあって、定期的に会いたくなるような、大切な存在ですね。

ーー6月4日には前日譚となる『The Beginning』の公開が控えていますが、ストーリーとしては『The Final』で完結となります。最後に佐藤さんの『るろうに剣心』への思いを聞かせてください。

佐藤:日本ならではの文化、日本が世界に誇れるひとつの伝統がサムライの文化で、漫画やアニメという文化も日本が世界に誇れるもののひとつだと思います。その実写化作品であるこの『るろうに剣心』シリーズでは、世界で活躍しているアクションチームと一緒に、世界に誇れるアクションを日本で作り上げてきました。世界のどこを見回しても、ここまでソードアクションを突き詰めた映画はないと自負しています。僕自身、『るろうに剣心』は世界的に見ても日本が誇れる作品になったと思いますし、そんな作品に出会えたことが、非常に幸運だったなと思います。

また 次 の 動画 で お 会い し 。最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。

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