4枚ものプレートがひしめき合う日本。海からのプレートに押され続け生き物のようにうごめいています。地面の動きを衛星を使ってミリ単位で観測しつづけた25年分のデータを動画にすると、発生が切迫しているとされる巨大地震の姿が見えてきます。社会部災害担当の中村洋介デスクが解説します。

■千葉で震度3 震源はプレート境界
先週、国内では震度1以上の地震が34回発生。

▼3日午前5時24分、千葉県北東部ではマグニチュード4.1、震度3を記録する地震が発生。ここ数年マグニチュード5クラスの地震が度々発生しているエリアで震源の深さは32キロ。海から押し寄せているフィリピン海プレートと、陸側のプレートの境界付近でおきた地震でした。

■プレート境界地震とは

▼世界中で2020年までの10年間に発生した地震を赤くプロットすると、世界がいくつかの区画に分かれたように見えます。区画の一つ一つはプレートと呼ばれ、地球の中からわき上がって表面をうごめく岩盤です。プレートは動いていて、それらがぶつかり合う境界で地震が多発しているのが分かります。そして日本の目の前では4枚ものプレートがひしめき合っていて地震が非常に多発しています。
日本の状況を詳しく見ると、南から2枚のプレートが迫ってきて陸側のプレートを押し、その下に沈み込んでいます。そのため日本のあちこちに多くの力が溜まり続けていて、これ以上は無理というところまで力が溜まると地盤がズレて地震が起きるわけです。
こちらは今年3月16日、福島県沖でマグニチュード7.3の地震が発生し、最大震度6強を記録した際の気象庁の発表資料です。東日本大震災以降、この地域での地震が多くなっています。図中にある長方形を深く切り出して地盤を横から見ると、震源の分布はこの様に見えます。
この図は「断面図」と呼ばれています。東北地方がのっている陸側のプレートの下に海から押し寄せる太平洋プレートが沈み込んでいて、まさにその姿が浮かびあがっています。押し込まれた陸側のプレートが限界に達し2011年3月11日に跳ね返りました。これが東日本大震災でした。

地震の発生時期を言い当てることはできませんが、プレート同士の押し合いによってうごめく日本国土の動きを細かく観測し続けて、高まりつつある発生リスクを少しでも読み取ろうという努力が続けられています。
その1つがGNSSという観測システムです。衛星を使って地面の動きをミリ単位で読み取る技術で、電子基準点と呼ばれる観測装置が全国に1318個も設置されています。

電子基準点がとらえたこの25年間の日本各地の地面の動きを動画にすると、日本のうごめきがよくわかります。
西方向への変動を青矢印で、逆に東方向への変動を赤矢印で示しています。

日本列島は常に海側から押しこまれているため、全体として北西方向に移動を続け、青い矢印が伸びつづけますが、2003年9月26日、北海道で十勝沖地震が発生。マグニチュードは8.0。最大震度は6弱。押され続けた陸のプレートが跳ね返り、北海道の南部が南東方向に大きく動いたことが赤い矢印で示されています。襟裳岬に近い電子基準点は、南東方向におよそ95センチ動いていました。
2011年3月11日、東北地方から東方向に赤く長い矢印が突き出しました。東日本大震災です。

限界に達した東北地方をのせた陸側のプレートが、溜まった無理な力を解放しこのように跳ね返り激しい地震を起こしました。宮城県の牡鹿半島は東に5.3メートルも移動しました。

この動画のデータは25年間分と限られてはいますが、それでも海側のプレートに押され続けながら、無理な力をまだ解放できていないところはどこか、分かりやすいのです。

今、国がプレート境界型の巨大地震発生が切迫しているとしている地域が2つあり、それはこの図中に青矢印が多く示されているところです。

・日本海溝・千島海溝周辺:今後30年以内に60%など
・南海トラフ:今後40年以内に90%

GNSSのデータは国土地理院のHPに公開されています。

プレートの動きによって生じる日本各地のうごめき、皆さんも見てみてください。
(2022年9月5日放送)

#地震 #地殻変動 #巨大地震 #日テレ #ニュース

◇日本テレビ報道局のSNS
Facebook https://www.facebook.com/ntvnews24
Instagram https://www.instagram.com/ntv_news24/?hl=ja
TikTok https://www.tiktok.com/@ntv.news
Twitter https://twitter.com/news24ntv

◇【最新ニュースLIVE配信中】日テレNEWS HP
https://news.ntv.co.jp

43 Comments

  1. 青と赤の境界は地表の動きが違うという事でその部分は断層の歪みが大きくなっているのでしょうかね。

  2. 東日本の時は揺れ方が普通の地震とは違って地球壊しにきてるかと思うような地震だったな。

  3. 架学的根拠を駆使しての地震の解説と予測、凄い番組だ‼️
    そして恐ろしい😱この番組は、たくさんの人が見るべき地震メカニズムと予測。かの東北地震で岬が5メートルも移動😱😱って恐るべきエネルギーだ‼️
    そして南海トラフ地震の予測😱😱太平洋側、その沿岸に住むのが怖いな😱

  4. 理論的には分かっていても、実測値と対応させた形で地震とぷれーとの動きとの因果関係が示されており、大変参考になりました。しかし、この情報は絶えず公開されるべきですが。。。 探しては見ますが。。。

  5. この図を見る限り、東日本と西日本&北海道の関係は……
    さしずめ『引き裂き』に似ているとも言える。
    (関東&東北が東方向に、それ以外は北西に、それぞれ動いているその姿はまさに日本列島を引き裂かんとする姿そのもの。その境目である糸魚川静岡構造線や津軽海峡あたりの断層地震(正断層か逆断層か)が引き金になって、更なる地震を誘発しそうではある。)

  6. 初見ですが、ここまで解析できてるの凄しデータで地震の裏付け取れてるとこがあらためて脅威を覚える…一方で強烈に伸びた赤矢印と南海トラフの大陸に向かう青矢印の濃度が力学的に作用、反作用の法則で上手く相殺されないものかと願ってしまう🥺

  7. 電子基準点設置後(阪神淡路の前)からの推移も見てみたいと思いました。

  8. 現在では北米プレートから独立したオホーツクプレートとユーラシアプレートから独立したアムールプレートに日本は居るみたいですね
    関東フラグメントも合わせたらプレートが4層も重なった地域まである始末

  9. 次でかいのがくるのは関東から九州にかけてどこで起きるかわからんってことか

  10. 地殻が一緒に塊で動けばその中での地震はないだろう。警固断層の東は大きく動いて西は動きが少ない。動きに差があるので怖い。
    中国と四国は団体で動いているのでその先で東南海地震が起こると警戒しているのか。

  11. 画質って言うか雰囲気って言うか、めっちゃ平成っぽい

  12. データの公表は大事ですよね
    部外者でもこういうのが見れるというのはありがたいです

  13. 測量士の中には、長い年月の中で地面が動き土地の変形が起こる事を知らない素人がいた

  14. 南海トラフが太平洋プレートに持って行かれてる様子が明らかに見て取れるグラフですね。蓄積された地震エネルギーの反動がお・そ・ろ・し・ieeeeeeeee

  15. 地震、防災、経済を連携させて研究しないと、被災後の拠点の確保と自国での経済活動の維持と回復が遅れると思う

    国がバラバラじゃ災害が起こったら助からないね

  16. こんなデータがあるのを初めて知った。

    このまま東日本が東に動き続けたらフォッサマグナから日本分断しそうで怖い。

  17. めちゃくちゃわかりやすいです。
    テレビはこういう番組をもっとやって欲しい