<死のブロックで戦う聖光学院>
優勝候補の呼び声高い大阪桐蔭こそいないが、5校が甲子園で優勝経験ありという最激戦区。過去に優勝経験のある3校を破り見事ベスト8進出を決めた。

《初戦は東京代表・日大三高》
流れを引き寄せたのは二人の2年生。5回表ランナー3塁のピンチ。まずはライト三好がレーザービームで失点を阻止。チームに勢いをもたらすと…直後の5回裏、今度は2番・高中が高校生活はじめてのホームラン。逆転の一発となった。2年生2人の活躍もあり4-2で初戦を突破。

《神奈川代表・横浜との2回戦》
今度は3年生が活躍。先頭、キャプテンの赤堀が初球うちで出塁すると、2番・高中も初球でバントを決め、チャンスで初戦ノーヒットと涙をのんだ安田。こちらも初球を狙い撃ち、わずか3球で先制。投げてはエース佐山が再三ピンチを迎えながらも粘りのピッチング。9回を投げ抜き3-2。神奈川県勢から初めて勝利を奪った。

《ベスト8進出をかけた福井代表・敦賀気比との一戦》
主導権は聖光。初回チャンスを作り3番・安田。あっさりと先制すると…3回にもまた安田。頼れる男の一発で勝ち越しに成功。この日は打線が大爆発、14安打8得点と敦賀気比を圧倒した。日本一まであと3勝。

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<決してチーム始動当初から強かったわけではない>
【2021年】
9月 東北大会予選(県大会)優勝
10月 東北大会 準優勝 
【2022年】
3月 センバツ 2回戦敗退 
5月 東北大会予選(県大会)優勝 
6月 東北大会 優勝 
7月 甲子園予選(県大会)優勝 

大会結果だけを見ると、優勝・準優勝と並んでいる。選抜にも出場した。
ただ、指導者・斎藤監督は「上手くないし、野球もすごくセンスがあるわけではない。戦力で言うと、下から数えた方が早いくらい未熟だった」と話していた。
そこから、他に類のない『無類のチーム』を目指して進み、強くなっていった。

《聖光学院を取材する福島テレビ・丹野裕之記者の解説》
「多くの選手たちは、新チーム発足時に【力がない世代】と言われていたところから這い上がってきたチームなので、劣勢な試合展開にも慣れていて、『慌てることは何もない。冷静に野球をできるのがチームの強みの一つ』と話しています。
また斎藤監督は『力がないと自覚してからの、何事でも吸収して、力にしようとする姿勢は歴代でも圧倒的だった』と語っていて、チームが目に見えて成長していく姿は、指導していても楽しかったと言っています。
そんな大きく伸びてきたチームだからこそ、自分たちの野球に自信が持てていることも強さの背景だと思います」

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<担当記者が注目する3選手>
【勝負強さ光る・安田淳平選手】
「聖光打線の中で、一番勝負強いのが安田選手だと思います。春の東北大会や夏の県大会の拮抗した試合や、負けている試合で打席が回ってくるたびに、チームを救う打撃を何度も見せてくれています。この勝負強さは斎藤監督も頼りにしていて、試合後のインタビューでは、安田に救われたと話す場面がこれまで何度もありました。さらに安田選手はホームランなどの長打も打てるのですが、追い込まれてから、バントの構えから小さなスイングで単打狙いに切り替えることもできて、続く4番の三好選手や5番の山浅選手に繋ぐ、チャンスメイクもできる選手です」

【不動のエース・佐山未來投手】
「佐山選手の魅力は何と言っても、10種類以上の変化球を操る器用さです。この能力は全国でも上位クラスと斎藤監督も太鼓判を押しています。さらに佐山選手自身が、この一年で一番成長したと語っていたのはメンタル面です。去年まではピンチの場面や失点すると動揺してしまって、さらに失点を招く場面もあったのですが、ピンチを作っても、点を取られなければ良い・点を取られても次の得点を防げばいいという、投手にとって大事な開き直りができるようになって、春先から大量失点を取られるようなケースはほとんど見たことがありません。聖光は競った試合展開には強いので、佐山選手の投球が安定していれば、高確率で聖光学院の必勝パターンに持ち込めると思います」

【日本一へのこだわり・赤堀颯主将】 
「きのう赤堀選手の実家へお邪魔しました。そこで赤堀選手の野球の原点を探ることができました。赤堀選手は、小学時代は弱小チームで負けてばっかりだったようで、試合のたびに泣いていたということです。そのときから人一倍、勝利に飢えるようになったと両親は話していました。また、聖光学院に入学する前には、机に日本一という目標を書いて実家を離れていたようで、入学前から意識の高さもうかがえます。赤堀選手のキャプテンとしての資質は、監督やコーチ陣もよく話しているんですが、赤堀選手がいると、指導者の役割はほとんどないというほどチームをうまくまとめているようです」

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<8月18日・聖光の歴史を塗り替える戦いに挑む>
聖光はこれまで夏16回・春5回甲子園に出場しているが、ベスト8が最高だった。だった5回この壁に跳ね返されているが、壁を越えられるか18日午後3時30分から熊本の九州学院と対戦する。

日本球界を代表するバッターヤクルトの村上選手の弟・慶太選手もいるなかで、九州学院のキーマンとなるのは?
《聖光学院を取材する福島テレビ・丹野裕之記者の解説》
「7番バッターの伊藤選手。スタメン野手の中で、唯一打率が1割台を切っていて、甲子園の舞台では大きな活躍を見せることができていないんですが、伊藤選手が打てばベンチもすごい盛り上がるのでキーマンだと思います」

実は、伊藤選手は福島県県大会で一番打っていたということで、打線がどんどんと繋がればチャンスも生まれてくる。
聖光の歴史を塗り替える戦いは18日の第四試合。目が離せない。

29 Comments

  1. さすが聖光学院、去年の夏の日大東北やセンバツの只見は初戦敗退だったから大会が楽しめなかった
    ベスト4期待してます

  2. 投手佐山さんの高速スライダーが3試合同様決まれば高打者でも芯でフェアゾーンに弾き返す事は困難。
    淡々と一球入魂で試合運べれば
    ベスト4進出は可能な気がします🙏

  3. 俺は高校時代に5打席連続ヒット!うちホームラン2本!俺の方がすごいやろ

  4. 九州学院に勝ってそのあと近江と対戦して
    昨夏 近江に負けた日大東北と
    今春センバツのリベンジしてほしい

  5. 親父も言ってたけど、聖光学院より九州の分析した方がいいんでね?
    まるで優勝したみたいな報道は如何なものかと。
    つかあんたら昔っからそう言う下衆の勘ぐり報道ばっかりだよなw

  6. 今年の規格外の強さに惹かれ、また来年聖光に全国から集まる。
    聖光はもっと進化する。

  7. 日大三、横浜、敦賀気比、九州学院の強豪に勝ったのもそうだけど打力が例年以上に凄い

    学校としても県勢としても東北としても初優勝の可能性は大

  8. 休養日に疲労を完全回復して明日の準決勝勝ち抜きましょう‼️

  9. 今年の夏は長かった!感動の夏だった。
    過去を振り返ると福島県代表高校は甲子園9年連続初戦敗退の時代もあったなあ〜