東日本大震災からまもなく11年が経ちます。地震による甚大な津波被害が起きたことを教訓に静岡県は、命を守るための様々な対策を進めてきました。住民の避難意識をさらに高めるために静岡県は2022年度、新たな取り組みを始めます。
静岡県焼津市のこちらの地域は津波が起きた際に最大で2メートルの浸水が起こると予想されています。自治会長を務める岩崎さんは東日本大震災以降、住民の防災意識は今も変わらず高いといいます。
<焼津第四自治会 岩崎四郎会長>「私が生まれてから大きな地震は見たことも聞いたこともなかったが、あの悲惨な震災を見て、これから私たちも他人ごとではないと」
海岸から約500メートルの場所に岩崎さんが住む第四自治会はあります。
<焼津第四自治会 岩崎四郎会長>「このあたりは避難タワーがないので避難先に学校を利用して外階段で逃げる」
地震が起きた際には避難ビルに指定されている小学校に避難します。周辺の地区に住む約500人がこちらの屋上に避難します。
<焼津第四自治会 岩崎四郎会長>「他人事ではない、津波と言ったらすぐに逃げるということで、海岸に近い、遠いは抜きにして地域全体で津波が来るという前提で訓練をやっている」
この10年で海沿いには津波の被害を抑えるための防潮堤が整備され、住民がより高い場所へ逃げられるよう避難タワーなどが117基、新たに作られました。しかし、1人でも多くの命を救うためにはいかに早く避難ができるかがカギになります。
そこで静岡県は2022年度住民の早期避難への意識を高めるために、新たな取り組みを行います。
<静岡県危機管理部危機政策課 鈴木崇正主任>「こちらが来年度から県で普及したいと考えている『わたしの避難計画』です」
わたしの避難計画。作成ガイドには地震が発生した際の津波の浸水想定区域と到達時間が書かれています。自分の住んでいる地域で想定される災害リスクを確認したうえで、いつ、どこに避難するのか「自分だけの避難計画」を作り上げていきます。
<静岡県危機管理部危機政策課 鈴木崇正主任>「(避難計画を)事前に作っていただくことであらかじめ、いつどこに避難するのか確認して早期避難の意識を向上させたいと考えている」
静岡県は2021年度から県内8つの自治体で住民が参加するワークショップを開き、取り組みやすい形を模索。A3サイズ1枚の4ページに内容を凝縮して分かりやすい簡単な形にまとめました。2022年度から自治体と協力し、地域の回覧板や防災訓練の機会を用いて配布する予定です。
<静岡県危機管理部危機政策課 鈴木崇正主任>「2022年度は特に津波の恐れがある地域を重点地域として普及・展開を図っていきたい」
静岡県はこの取り組みを通して住民1人1人が避難先を再確認することで早期避難の意識を高めたいと考えています。いつか起こるであろう災害から命を守るためには日ごろから災害リスクを確認し、もしもの時、すぐ動き出せる人を増やすことが重要になります。
3月8日放送 SBSテレビ「ORANGE」
#おれんじ
#オレンジ6
WACOCA: People, Life, Style.