東日本大震災から10年、JNNでは「つなぐ、つながるプロジェクト」を連日お伝えしています。日本と同じく地震が多発するアメリカ・カリフォルニア州。東日本大震災を機に地震警報システムの整備が進んでいますが、IT大手もからんだ新たな動きも出ています。
地震多発地帯のアメリカ・カリフォルニア州。おととしはマグニチュード7.1の地震が起き人口1000万人を抱えるロサンゼルスでも大地震の脅威が迫っています。砂漠地帯には大地震を引き起こすと懸念される断層の、力の強さを示す場所があります。
「サンアンドレアス断層は横ずれ断層で、2つのプレートが横方向に動いている。クラッカーを横に動かしたとき、はみ出るクリームを見てください。クリームの部分がちょうどこの辺りです」(ジープツアー会社 モーガン・レヴィーンさん)
「この辺りは、プレートの動きによって押し出されたエリアになります。ご覧のように、高くまで隆起していて、非常に大きなエネルギーが加わっていたことが分かります」(記者)
断面には、斜めの地層がむき出しに・・・この断層は州の南北に1300キロ続き、部分的にズレることで大地震を引き起こしてきましたが、ロサンゼルスに近い断層の南部は実に300年以上、エネルギーを蓄え続けているのです。
「非常に可能性が高いのは、マグニチュード8.2の地震で、南カリフォルニアの全てが社会基盤を失い、ロサンゼルス全域で東日本大震災の仙台と同じくらい強く揺れます」(地質学者 ルーシー・ジョーンズ氏)
カリフォルニア州では東日本大震災を機に地震警報システムの整備が加速し、全米初の運用がおととしから始まりました。ただ、いち早く通知を受けるにはアプリが必要で、またテレビに速報で表示される機能もありません。
「詳しく知りません。聞いたことはあるけど・・・」(ロサンゼルス市民)
「皆がもっと簡単に使えるといいと思います」(ロサンゼルス市民)
そんな中、去年8月、IT大手グーグルが州の観測網を活用した新たな地震警報をスタート。アプリがなくてもアンドロイドスマートフォンに自動で通知が出来るようになりました。
さらに開発を進めているのはスマートフォンに搭載されている「加速度センサー」を「地震計」として使用する機能です。グーグルはセンサーがとらえた小さな振動の情報をサーバーに集めて地震を把握し、大きな揺れの前に通知ができるようにしようとしているということです。
「スマホが机の上で固定されていなくても、バッグの中や床の上でも動いていなければ、初期微動は検知できます」(技術開発に携わった UCバークレー ジェニファー・ストラウス氏)
無数のスマートフォンを地震計として使うことができれば、莫大な費用をかけて観測網を増強する必要もなくなります。カリフォルニアでの運用はことし後半に始まり、観測網のない地域への応用も検討されています。(12日10:42)
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