<スピードスケート:全日本スプリント選手権>◇初日◇28日◇北海道・釧路市柳町スピードスケート場

 女子は3連覇を目指す小平奈緒(相沢病院)が500、1000メートルの2種目を制し、総合トップに立った。小平は「500については体が動かなかったが、1000に関しては落ち着いて後半もラップを落とさずまとめられた」と笑顔。辻麻希(開西病院)が総合2位、住吉都(堀技研工業)が総合3位。3季ぶりのW杯代表を狙う41歳の岡崎朋美(富士急)は総合5位につけた。

 男子は2大会ぶりの優勝を狙う羽賀亮平(日本電産サンキョー)が総合首位に立った。2連覇を狙う加藤条治(日本電産サンキョー)は総合5位、長島圭一郎(日本電産サンキョー)は総合4位。最終日29日も500メートルと1000メートルを行う。スピードスケートの第38回全日本スプリント選手権は28日、北海道釧路市の柳町スピードスケート場で開幕し、男女とも500メートルと1000メートルの1回目を行った。男子は、両種目とも、24歳の羽賀亮平(日本電産サンキョー)が制し、2年ぶり優勝に向けて好発進。長島圭一郎(同)は総合4位、加藤条治(同)が同5位。女子は、3連覇の懸かる小平奈緒(相沢病院)が両種目で1位となった。子育てをしながらソチ五輪を目指す41歳の岡崎朋美(富士急)は総合5位。今大会は1月からのワールドカップ(W杯)後半戦などの代表選考を兼ねており、岡崎は3季ぶりの代表復帰を狙える位置につけた。

 最終日の29日も両種目を1回ずつ滑り、4レースの合計タイムで争う。

 ◇先輩抑え成長示す

 男子1000メートル。氷点下6度の屋外リンクで、羽賀はヘトヘトになった同組の加藤を従えてフィニッシュラインを越えた。500メートルに続く制覇に「2人の五輪メダリストに勝った。まだまだとは思うが、勝ったのは事実。自信にしたい」。10年バンクーバー五輪500メートルで銀の長島と銅の加藤。日本電産サンキョーの2枚看板の先輩を抑えての首位発進に、発言も強気になる。

 北海道帯広市出身。幼少時にスケートを始め、中学まで夏は陸上にも励んだ。小学生時代は、陸上クラブで、同い年の現女子100メートル日本記録保持者、福島千里(北海道ハイテクAC)と共に短距離を専門とした。

 培ったダッシュ力を武器に日大3年でバンクーバー五輪に出場したが、1000メートルで29位。その後も伸び悩んだ。だが社会人も2年目になり、指導する高村洋平ヘッドコーチも「環境に慣れ、夏場もしっかりトレーニングを積めた。(長島と加藤の)背中も見えてきている」と評価する。

 羽賀について加藤は「まだ世界で戦えるレベルにない」。長島も「これが室内リンクなら(どういう順位になるか)想像してみれば分かる」。二人の負け惜しみともとれるセリフが、何より羽賀の成長の証だ。【藤野智成】

 ◇岡崎地力が復活

 ○…出産から復帰2季目の岡崎が巻き返してきた。500メートルで5位、1000メートルで6位に入り、総合5位。10月の全日本距離別では、それぞれ8位と15位だったから、98年長野五輪500メートル銅メダリストの地力は着実に復活してきた。日本連盟はW杯前半戦に女子500メートル代表を5人派遣しており、後半戦も同様なら、岡崎は代表圏内につけたことになる。「体の調子も多少レベルアップしている」。41歳は表情明るく、勝負の最終日に臨む。

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