「緊急事態宣言」延長で感染は抑えられるのか?
そして、宣言解除のゴールをどう見据えるかについて、
感染制御学がご専門の堀賢(ほり・さとし)教授にお聞きします。

きょうの全国の新規感染者は7244人です。
12日から「緊急事態宣言」となる福岡は過去最多の519人、愛知も過去最多575人、
「緊急事態宣言」が延長される大阪は1021人、東京は1121人です。

▼「宣言」延長で感染は抑えられるのか?

緊急事態宣言の延長で、
大型商業施設などは休業要請から午後8時までの時短要請に、
そしてイベントなどについては無観客要請から定員の50%以下で5000人までということで緩和されます。
逆に飲食店については酒類を提供する店の休業要請に加えて、
酒の持ち込みを認める店についても休業を要請するということで厳しくなります。
一方で東京と大阪については独自で大型商業施設などについては休業要請を継続、
また大阪ではイベントなどについても無観客の要請を続けるということです。

(高島)
延長するのに緩和するというのは少し矛盾を感じるんですが、そのあたりはいかがでしょうか?

(堀教授)
本来でしたら、対策を強くして延長するというところなんでしょうけども、
予想外の反発の強さに若干ひよってしまったんじゃないかなと思うところがあります。
短期間に強い政策を行うということで、トータルの実施期間も短くなる訳ですから、
いろんな経済ダメージを抑えるんだったら、ここはやはりひよらない方がいいと思うんです。

(高島)
新たな措置としてお酒の持ち込みを認めるお店にも休業を要請、
路上飲みに対しても法律に基づく自粛を要請するということなんですが、
この辺りは少し強化しているというところは感じますね?

(堀教授)
ただ、いたちごっこになりかねないので、
「なぜこれを今しなきゃいけないのか」という部分の国民の理解が必要になってきます。

▼宣言解除のゴールをどう見据えるべきか

宣言の期限は来週の11日までを、今月末31日までに延長されます。
きのう菅総理は、解除の目安について、
「ステージ4の脱却が目安、専門家などの意見を聞きながら判断したい」と話しました。

(高島)
どこまで頑張ったらいいのかその目標を具体的に話してほしいですね?

(堀教授)
海外のデータを見てみますと感染が落ち着いてきてるところはすべからく、
40%から50%ぐらいのワクチン接種率に達してる国なんです。
そういう意味からいえば、今行うべきは一刻も早く多くの人にワクチンを打つこと。
もちろん時間がかかりますから、その間は、緊急事態宣言でなるべく抑えていく。
それが唯一の方法じゃないかと思ってます。

(高島)
都内ではイギリス型の変異ウイルスがおよそ7割に拡大してきています。
またインド型の影響というのも心配ですね?

(堀教授)
インド型の場合はワクチンの効き目が悪くなるような変異が含まれてるといわれています。
ワクチン接種に時間かけてると、こういった変異株が増えてきて、
また最初から打ち直しということになったりしかねないわけです。
ですからなるべく早く、コロナのワクチンを打って抑え込んでいく。
これが一番重要だと思います。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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