JR東日本は7月28日、厳しい経営環境への理解を求めるため、利用が少ない地方路線の収支を初めて公表しました。
岩手県内では山田線や北上線など6つの路線で赤字となっています。
JR東日本 高岡崇経営企画部門長
「地方路線の厳しい経営状況について現状を理解いただくとともに、持続可能な交通体系について関係者と建設的な議論をするために、経営情報を開示することとした」
JR東日本は28日、利用が少ない地方路線について、新型コロナウイルス拡大前にあたる2019年度の収支を公表しました。
それによりますと、岩手関連の区間ごとの赤字額は、八戸線の鮫~久慈間で14億6000万円、花輪線の好摩~荒屋新町間で8億5500万円、山田線の上米内~宮古間で18億9500万円、大船渡線の一ノ関~気仙沼間で15億7500万円、釜石線の遠野~釜石間で12億6900万円、北上線の北上~ほっとゆだ間で10億8700万円などとなっています。
また100円の運輸収入を得るのにいくら費用がかかるかを表す「営業係数」では、花輪線の荒屋新町~鹿角花輪間で1万円を超え、全区間でワースト2位となっています。
赤字路線の一つ山田線の沿線住民は…
「毎日通勤で使っています。乗客が少なくなっているのは日々感じています」
「なくなれば大変です。学生や高校生はそうなった場合不便ですもんね」
「やっぱりあったほうがいいですけどね」
利用の少ない地方鉄道をめぐっては今週、国の検討会が、沿線自治体などによる協議会を設置し、バスなどへの転換を含めて議論すべきとの提言をまとめていて、公表された収支はその議論にも活用される見通しです。
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