政府は、東京都、大阪府、兵庫県、京都府に出している緊急事態宣言を、今月31日まで、延長する方針を固めました。
菅総理:「あす専門家の会議に諮り、期間や対象地域を決定したい。ゴールデンウィーク中、人出、人の流れは減少したと考えている。(Q.延長の場合、休業要請を取りやめるのか)そうしたことを含めて、あす専門家会議に諮って決定したい」
政府関係者によりますと、飲食店以外への休業要請をやめ、時短要請に切り替えるといいます。また、無観客が求められていたイベントも、観客は50%以内で、最大5000人までに制限を緩和する方向です。

5連休が明けた東京都ですが、人の流れを減らすためとして、JR東日本に通勤時間帯の電車を減らすよう要請していました。ところが、かえって混雑が激しくなったので、急遽、6日から通常ダイヤに戻すことを決めています。その東京では、連休で検査数が少なかったこともあり、感染者が591人にとどまりました。ただ、変異ウイルスの割合も急速に増えていて、重症者は2月26日以来の、70人超えの72人でした。

都のモニタリング会議後、小池知事は、緊急事態宣言の延長を政府に要請する考えを明らかにしました。小池知事は、延長の期間は「今月31日まで」、内容についても「緩める状況にない」として、そのまま維持したい考えです。首都圏の知事からも、まん延防止等重点措置を含め、延長は止むを得ないとの意見が相次ぎました。
神奈川県・黒岩知事:「まん延防止措置を解除する状況では全くない。延長を求める要請を1都3県でやることは賛成」

東京を中心に舞台を上演する『イルミナス』。当初、宣言の期限とされていた11日の翌日から公演を行う予定でしたが、宣言が延長されることを受け、戸惑いを隠せません。
『イルミナス』プロデューサー・小宮山薫さん:「さらに宣言が延長される場合、劇場のガイドラインで観客を入れた公演はできない。基本的には公演を中止にする」
実は、宣言が出されたときから、延長を想定し、中止も覚悟していたといいます。ただ、会場のキャンセル料などを補填する経済産業省の支援金は、中止する公演が、原則“宣言期間中”であることが条件。延長が正式に決まるまでは、中止を決められず、稽古を続けています。
去年4月以降、中止や延期に追い込まれたのは96公演。そのたびに、会場のキャンセルやチケットの払い戻しなどに追われてきました。
『イルミナス』プロデューサー・小宮山薫さん:「一番最初に(支援金制度)を使ったのが、去年10月下旬だが、審査が全く追いついていなくて、半年近く経っているけど、(支給されない)という状況」

官邸の前では、映画・音楽・演劇の関係者が、無言の抗議を行いました。都内で9店舗のライブハウスを経営する加藤さんは、十分な補償がない状況に限界が近づきつつあるといいます。緊急事態宣言の間に予定されていたライブの大半は、延期や無観客での開催となりました。飲食店としての時短営業は認められていますが、酒の提供はできません。スタッフの雇用と、音楽文化を守るためにも、補償を求めています。

ロフトプロジェクト・加藤梅造社長:「ドリンクを提供して、その売り上げで大部分を賄うビジネスモデル。無観客にすると、飲食の売り上げがゼロ。協力金だけだと無理。家賃が賄えるぐらいで、人件費とか足りない状況」

ライブを支える裏方スタッフも、厳しい状況に置かれています。
サウンドエンジニア・西片明人さん:「照明や音響のスタッフは若い子たちが多いので、ここで経験を積んで勉強をして、そこから巣立って行ってという場所、ライブハウスは」
ロフトプロジェクト・加藤梅造社長:「僕たちは、普通に続けたいだけ。国と敵対したいわけではなく、一緒に文化をどうやって維持していくかを考えたい」

大阪府では、重症病床の使用率が100%を超えました。吉村知事は当初から、11日までの宣言では感染拡大が抑えられないと訴えてきました。
吉村知事:「いまの大阪の状況、医療のひっ迫状況を見たときに、現状の措置をお願いするべきだと思うし、措置を緩めるべきではない」

いま、大阪では、コロナ以外の病気のために確保していた一般の集中治療室などもつぶして、重症者を受け入れています。大阪医科薬科大学病院では、ゴールデンウィークに合わせ、重症病床を拡大しました。4月中旬から、患者の数が用意した病床を上回る日があったといいます。もう、これ以上の病床の確保はできません。
大阪医科薬科大病院・南敏明病院長:「いまの状況下を考えると重症患者が、急に減ることは考えられない。(延長は)絶対必要だと思う。可能な限り延長ができればしていただくのがいいと思う。救わないといけない他の命、同じ命なので、同じように対応できる環境に戻ってほしい」

大阪府のシミュレーションでは、仮に来週から感染者が減少に転じたとしても、重症者数は5月末まで400人以上で推移する見通しだといいます。

そして6日夜、愛知県を緊急事態宣言の対象に追加する政府の方針が明らかになりました。県から政府への要請はしていません。福岡県も宣言の対象に追加される見込みです。福岡では、4月中旬から感染拡大が止まらず、6日から県内全域の飲食店への時短要請に踏み切ったばかりでした。

現在、7つの県に適用している“まん延防止等重点措置”については、新たに北海道、三重県、岐阜県を追加指定し、宮城県を解除する方向で調整しています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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