動物たちを擬人化して描き、「日本最古の漫画」とも評される国宝・鳥獣人物戯画(鳥獣戯画)の一部で、和紙の表と裏に描かれた原画を後世にはがして両面を台紙に貼りつけたうえで、絵巻物に仕立てていたことが、保存修理を進めている京都国立博物館の調査でわかった。同館と所有者の高山寺(京都市)が15日発表した。こうした絵巻物の制作技法が解明されたのは初めてという。

 修理は朝日新聞文化財団の文化財保護助成事業の一環で、2009年から進められている。同館によると、補修に伴う事前調査で、全巻にわたって不自然な墨の跡が100カ所以上、点在しているのが確認された。絵柄を反転させるなどした結果、絵の裏側に描かれていた別の絵の墨がにじんでできたと判明した。

 溶かした繊維を漉いてつくられる和紙は、断面が層状になっており、平安時代末~鎌倉時代に描かれた原画を江戸期に補修したり、絵巻物にしたりする過程で、和紙の両面を分離させる技法がとられたとみられる。

(動画は模写した和紙を使い、表裏に描かれた絵を2枚にはがす様子を再現したもの。国立京都博物館提供)
※「Channel ASAHI」にアップロードされている動画の改ざんや、朝日新聞社の許可なく商用・営利目的で利用することを禁じます。

WACOCA: People, Life, Style.