国際宇宙ステーションに滞在中の宇宙飛行士、野口聡一さんに単独インタビュー。コロナ禍の地球に「人類はこの危機を乗り越えられる」とエールを送りました。船外活動で着る宇宙服を山本恵里伽アナが着てみると・・・

 「これから宇宙にいる野口さんと交信ができるということで、JAXAの管制室にやってきました」(山本恵里伽キャスター)

 24時間体制で国際宇宙ステーションの運用・管理をしているJAXAの管制室。野口さんは、国際宇宙ステーションの中にある日本の実験棟「きぼう」にいました。

 「無重力感をぜひ見せていただきたい」(山本恵里伽キャスター)
 「無重力感、じゃあこう・・・」(宇宙飛行士 野口聡一さん 55歳)
 「ぶつかっちゃいましたね」(山本恵里伽キャスター)
 「ぶつかっちゃいました」(宇宙飛行士 野口聡一さん)

 去年11月、野口さんは民間初の宇宙船「クルードラゴン」に乗って、宇宙にやって来ました。その機体には“新型コロナに打ち勝つ”という願いを込めて「レジリエンス=立ち直る力」と名付けました。野口さんの宇宙滞在は10年ぶり、3度目です。

 「コロナウイルスを宇宙に持ち込まないということで、私もかなり長い期間、隔離生活を地上で送っていた。現在は国際宇宙ステーションに7人いるが、完全にコロナウイルスがない環境。そういう意味では『究極の隔離生活』と言えるかもしれない」(宇宙飛行士 野口聡一さん)

 その生活ぶりを野口さんは今回、動画で配信しています。

 「これが僕の寝室ですね。じゃじゃーん!これが僕の宇宙のおうちです。一番スペースを取っているのは寝袋ですね」(宇宙飛行士 野口聡一さん)

 宇宙飛行士の朝は早い。平日は午前6時に起床です。朝の身支度から地上との交信、船内での作業など、かなり忙しそう。体力維持のエクササイズも重要な仕事です。

 「きょうの調理はまず、宇宙飛行士みんな大好き、トルティーヤですね」(宇宙飛行士 野口聡一さん)

 温めたミックスベジタブルと鶏肉を乗せたら完成です。

 「上手になるとまわりながら食べられます」(宇宙飛行士 野口聡一さん)
 「かなりの頻度で動画をアップしているが、どういう思いで?」(山本恵里伽キャスター)
 「自分が食べているもの、見ている風景をできるだけダイレクトに伝える。みなさんがユーチューブを見て、あたかもこの宇宙ステーションで一緒に暮らしているような、そういう気持ちになっていただけたら本当に本望です」(宇宙飛行士 野口聡一さん)

 宇宙での生活を伝えるだけではありません。今週、野口さんは国際宇宙ステーションの保守作業を行うため、宇宙服を着て船外に出ます。船外活動は、日本人最多の4回目となります。

 「緊張は?」(山本恵里伽キャスター)
 「緊張はありますね。一つ間違えると生死に直接関わってくる時間でもありますし、無事に6時間の船外活動をして、戻ってくるまで気を抜かずに頑張りたい」(宇宙飛行士 野口聡一さん)

 宇宙空間から飛行士を守る宇宙服。どういうものなのか、今回、特別に着させてもらいました。

 「重いです。下半身は結構楽なんですが、ヘルメットとか上半身部分がすごく重たいです」(山本恵里伽キャスター)

 これはレプリカですが、重さはおよそ20キロ。実際の宇宙服は120キロにもなります。しかし、宇宙空間は無重力なので、重さを感じずに作業ができるそうです。ほかにも野口さんは今、「きぼう」の中でハーブを育てるというミッションを行っています。将来は宇宙で自給自足、なんてこともできるかもしれません。

 「基礎的な物理実験からiPS細胞のような今の時代の最先端をいく研究まで、さまざまなテーマが『きぼう』の中で行われています。実験が地上で花開くことを期待しています」(宇宙飛行士 野口聡一さん)

 宇宙開発において大きな役割を担う日本人飛行士ですが、課題もあると野口さんは感じています。その課題とは・・・

 野口聡一さんに続き、今後宇宙に長期滞在する予定になっているのは星出彰彦さん(52)、若田光一さん(57)、古川聡さん(56)。全員50代です。今年の秋ごろには、13年ぶりに新人宇宙飛行士の募集が始まりますが、若い世代をどう育てていくのかが大きな課題です。

 「これまでは理系の人が挑戦する場でしたが、これからは文系あるいは芸術系とか、いろんな分野の人に宇宙に来てほしい。若い人たちにどんどん宇宙という広い活躍の場に挑戦してほしい」(宇宙飛行士 野口聡一さん 55歳)
 「今、野口さんの目から地球はどう見えますか?」(山本恵里伽キャスター)
 「地球は美しいですね。とても生き生きとした躍動感にあふれています。新型コロナウイルスで今人類大変な危機にさらされているが、地球は長い長い歴史を持ってこの危機も乗り越えられると教えてくれているような気がしています。この困難、一緒に乗り越えて、我々の宇宙船と同じように『レジリエンス=立ち直る力』を発揮して、皆さん明るい未来つくっていきましょう」(宇宙飛行士 野口聡一さん)
(02日00:20)

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