◆レスリング世界選手権 第5日(24日、ハンガリー・ブダペスト)
女子4階級で準決勝が行われ、62キロ級の川井友香子(21)=至学館大=がウクライナ選手を4―3で破り、25日の決勝に進出した。女子59キロ級金メダルの姉・梨紗子(23)=ジャパンビバレッジ=との姉妹メダルを確定させ「ここまで来たら金メダルを取りたいという気持ちがすごく大きくなってきた」。試合後は梨紗子から「あと1個!」と激励された。連覇がかかる50キロ級の須崎優衣(19)=早大=、53キロ級の奥野春菜(19)=至学館大=も決勝進出。57キロ級の坂上嘉津季(25)=ALSOK=は1回戦敗退。
表彰式で3位の選手にメダルが手渡されようとした時だった。てっぺんに立った川井の目から涙があふれた。「2か月前はこれだったな。今回は真ん中だ」。君が代を聴きながら、屈辱の敗戦からの日々が脳裏に浮かんだ。「ホッとしている。連覇うんぬんじゃなくて、勝てたことがうれしい」と金メダルを見つめた。
前日(22日)は男子フリースタイル65キロ級の乙黒拓斗(山梨学院大2年)の優勝をホテルのテレビで見届けた。「層が厚い男子で、19歳で優勝。闘争心がすごい。最後は、けがをしてでも自分が勝つという気持ち。すごい刺激になった」。五輪女王は計4試合で1ポイントも与えない完封Vで続いてみせた。
日本女子のエース格に成長した今、責任と重圧がついてまわる。「リオ五輪の時は周りの目も感じず、プレッシャーも感じることがなかった。今は全然違う」。8月のジャカルタ・アジア大会で3年ぶりの負けを喫して銅メダルに終わり、これまでにないほど落ち込んだ。救ってくれたのは吉田沙保里(36)の一言だった。「落ち込んでいても世界選手権は来ちゃうよ。状況は変わらない。時間がもったいないって」。再び川井の体に闘争心が宿った。
伊調馨が全日本女子オープンで復帰優勝し、57キロ級での全日本選手権出場を明言した。「私が小学生の頃からずっとトップにいる選手。自分がそれをできるかっていったら難しい。続けるという決断だけでもすごい」。子供の頃から憧れ、背中を追ってきた大先輩への敬意を口にした。
ただ、勝負となると話は別だ。階級については大会後に62キロ級代表の妹・友香子(21)と相談して決めることになるが、57キロ級が有力視される。「私も五輪を目指している。戦うことになれば、しっかり戦いたい。すべてが東京五輪での金メダルにつながるようにやっていきたい」。これからの2年間を勝ち続けるだけだ。

引用元「https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181024-00000242-sph-spo」

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