触れたい、けれど触れられない。この「距離感」に息を呑む/映画『ネネットとボニ』予告編

若者たちの孤独と親密さ、欲望と優しさを描く。残酷な世界の中で、欲望と優しさが、親密さを危うく染めていく。製作30周年記念リバイバル上決定『ネネットとボニ』予告編が解禁!

フランスを代表する映画作家クレール・ドゥニの初期の代表作の一本。1996年に発表され、今年製作30周年の迎える、ロカルノ国際映画祭にて最高賞である金豹賞を受賞した本作は、南仏マルセイユを舞台に、若者たちの孤独と親密さ、欲望と優しさが交錯する関係を静かに描き出していく。グレゴワール・コラン、アリス・ユーリに加え、日本でも高い知名度を誇るヴィンセント・ギャロ、そしてヴァレリア・ブルーニ=テデスキが出演し、作品に豊かな奥行きを与えている。

ドゥニの映画は、物語を語ることよりも、身体の感覚や空気の揺らぎを通して人物の内面に迫ることで知られている。本作でも、視線、沈黙、距離、触れられない関係といった要素が重なり合い、観る者の感覚に直接働きかけていく。若者たちの欲望と優しさは、決して単純に対立するものではなく、同時に存在しながら関係を揺らしていく。その曖昧さこそが、本作の持つ独特の緊張と魅力を形づくっている。

また、音楽を手がけるのは、クレール・ドゥニ作品との長年の協働でも知られるバンドTindersticks。繊細でメランコリックな音楽が、映像の余白に寄り添い、登場人物たちの孤独や欲望を静かに浮かび上がらせる。

グレゴワール・コラン、アリス・ユーリが演じる若者たちは、強烈でありながらもどこか不安定な存在感を放ち、観る者に忘れがたい印象を残す。さらに、日本でも高い知名度を持つヴィンセント・ギャロが印象的な役どころで物語に異物のような緊張をもたらし、ヴァレリア・ブルーニ=テデスキが演じるパン屋の女性は、ボニの欲望と空想を引き寄せる存在として、作品に独特の色彩を与えている。本作は、劇的な出来事を中心に据えるのではなく、日常の断片のなかに潜む感情の揺らぎを丁寧にすくい取っている。

解禁される予告編では、兄妹が踏み込めない距離を保ったまま過ごす時間の揺らぎが丁寧に映し出され、本作が持つ静かな緊張と親密さの危うさを印象づける。さらに、ザ・ビーチ・ボーイズの名曲「God Only Knows」が使用されることで、登場人物たちの感情に寄り添いながら、切実で美しい余韻をもたらす内容となっている。
『ネネットとボニ』は2026年7月24日公開

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