第82回ヴェネチア国際映画祭にて銀獅子賞(監督賞)を受賞した、ドウェイン・ジョンソン主演、映画スタジオA24製作『スマッシング・マシーン』が5月15日(金)より公開される。このたび、ジョンソンの肉体改造における裏話や、リアリティを追求した演出についての制作秘話などが明かされ、あわせてメイキング画像も解禁された。

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日本中を熱狂の渦に巻いた総合格闘技の祭典「PRIDE」の創成期、“霊長類ヒト科最強”と恐れられた伝説の格闘家マーク・ケアーの知られざる軌跡を描く本作。主人公のケアーを演じるのは、プロレスラー“ザ・ロック”として不動の人気を獲得した後、ハリウッドのトップスターに上り詰めたジョンソン。2002年にHBOにて製作された同名ドキュメンタリーを鑑賞し深く感銘を受けたことから自ら映画化権獲得に動き、主演兼プロデューサーを務めている。本作でのジョンソンは、これまでのタフなイメージを覆す繊細な演技が高く評価され、ゴールデン・グローブ賞主演男優賞(ドラマ部門)に初めてノミネートを果たした。ケアーの恋人ドーンを演じるのは、『オッペンハイマー』(23)で第96回アカデミー賞助演女優賞にノミネートされたエミリー・ブラント。さらに現役格闘家のほか、大沢たかお、布袋寅泰ら日本人キャストも出演する。

監督はこれまで“サフディ兄弟”として『グッド・タイム』(17)や『アンカット・ダイヤモンド』(19)などを手掛けてきたベニー・サフディ。本作が単独での初監督作品ながらヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞という快挙を達成。リアリズムを追及した映像で、人間が持つ「もろさと再生力」を鮮明に映しだす。

そんなサフディ監督が本作で追求したのは、徹底したリアリズムだ。撮影監督のマセオ・ビショップとともに、「リングは聖域であり、カメラチームが立ち入ることは許されない」というルールを提言。観客と同じ視点から試合を捉えるドキュメンタリー的な手法を採用し、「PRIDE」大会の熱気、そしてロッカールームに漂う仲間の絆と孤独を鮮明に映しだしている。兄であるジョシュ・サフディが監督した映画『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』(公開中)も本作と同じく、実在のスポーツ選手の半生を描き、日本をメインの舞台にしている点など通じる点が多いのだが、リアリティへのこだわりは、格闘技における描写のみならず、ケアー本人の内面を深く掘り下げることにも発揮されている。「スポーツ映画のなかで一番正直で誠実な作品を作りたかった」と監督自身が明かす通り、「これまでのスポーツ映画とは一線を画す」という感想の声があがるほどである。

さらに、サフディは主演のジョンソンにも徹底した体づくりをリクエスト。「いまと当時ではファイターたちの体型が大きく異なる。重視したのは、ドウェインの肉体を2000年頃のファイターのようにすること。もっと“パンプアップ”してほしい。大きくではなく、膨らませる感じで」と具体的な要望を伝え、ジョンソンもそれに応えるため、過酷なトレーニングと食事管理を自らに課して撮影に臨んだそう。

解禁されたメイキング画像でも、サフディと並び立つジョンソンの肉体は、美しいほどに徹底的に作り込まれている。“ザ・ロック”として、ケアーと同時代にプロレスラーとして活躍していたジョンソン。実は「PRIDE」の参戦も目論んでいたと噂されていた彼が、ケアーという1人の男の人生を丸ごと引き受ける。そんなジョンソン自身の覚悟とサフディがリアリズムを追求し続けた演出によって、ロック様「PRIDE」降臨の幻をスクリーン上で実現させた。

多くの痛みを背負いながら、それでもリングに立つケアーが最後にたどり着く“本当の強さ”とは?ぜひ劇場で目撃してほしい。

文/山崎伸子

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