グーグルがドイツに新設したAIセンター(3月5日撮影、写真:ZUMA Press/アフロ)

グーグルが音楽作成サービス開始

 グーグル(Google)の生成AI「Gemini」が、この春から「音楽作成」のサービスを開始しました。

 国際版では2026年2月18日、日本でも19日から提供が始まっています。

 グーグルとしては従来のテキスト、画像に加えて「音楽」で、本格的にマルチモーダルを謳う方向性の戦略でしょう。私もさっそく使ってみました。具体的にお見せしましょう。

 最初に「イラン戦争を悲しむ中東の人々の歌」を出してくれ、とリクエストしたら、Geminiは「政治的なものは出力できない」と返事をしてきました。

 そこで「ペルシャの人々が平和を願う歌を作れ」とプロンプト入力してみると、こんなものが出てきました。

 さらに、予想されたことですが「イランでの勝利を喜ぶトランプと米軍を称える歌」と入れてみると「時事の内容や政治は扱えない」とのこと。

 そこで、「アメリカの栄光と勝利を称える行進曲」と入れてみると、このあたり、ころっと騙されてくれるのが機械のいいところ(?)で、こういうものを出力してきました。

 いずれも「英語の歌詞」が前面に出てきてややうるさいですね。イランの人々は平和を祈るとき、英語ではなくペルシャ語で祈るでしょう。要するに米国標準で英語の歌を作るシステムになっています。

 ここで「歌を消して」「歌詞をなくして」などと頼めば、歌ではなくインストゥルメンタルのサウンドに直すこともできます。最初から「歌なし」と指定することもできる。

 ただ「歌なし」といっても「歌前提」でアルゴリズムができていますから、まず詞のついた歌を構成してから「歌詞なし」にしており、器楽として考えると実にまどろっこしい。

 言葉なしに聴くと、冗長なメロディに流れやすい特徴があると言えるでしょう。

 こういう特徴を押さえたうえで、最初に結論を記すなら要領を覚えれば、後で記すようなBGM、「フィラー」(音楽業界の用語で、アルバムなどで曲数を増すために創られた楽曲)代わりの音は、そこそこ作れると思います。

 また、こうしたサービスで失われる「音楽の仕事」は、我々業界の人間が「劇伴」と呼ぶドラマその他番組コンテンツ内の音楽、また廉価なCMなども、社外発注は激減しておかしくありません。

 しかし他方、細々ながら失われない仕事も確実に残ることが分かっています。そのあたりを舞台裏から、ご紹介してみましょう。

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