香川にとって、両監督と佐藤雅彦監督による前作『宮松と山下』以来4年ぶりの映画となる。「ドラマの撮影に入る前から監督が映画にしたい、めちゃくちゃな順番で編集すると理路整然と話していた。これは凄いなと、撮りながら映画になるのが待ち遠しかった」と話した。
平瀬監督は、「凄く難しい役なので、僕らの企画のランキングでは下だった。試しに香川さんならできるのではないかと考えたら、一気に1位になった」と説明。香川も、「2人を信頼しているし、今の若い世代との共通項を確かめるのにふさわしい2人。2人との仕事はそれを再認識するいい機会なので、ありがたくちょうだいした」と応じた。
1人6役にも、「役ではなく、現象を演じてくれと言われて僕の中ですっと腑に落ちた。抽象的に見えて、一つ通じるところがあるので、6役を一つに集めるという数式が成り立った」と解説。共演した中村アンは「本当に悪い人ですよね」、竹原ピストルも「怖かった。貧血になって、スーッと吸い取られていくような感じだった」と、その悪役ぶりを称えた。
香川も、「40年近く役者をやってきて、自分のキャリアの中で『半沢直樹』のような分かりやすい悪役と、『トウキョウソナタ』や『クリーピー 偽りの殺人』のような陰の悪役も演じられた。今回は後者の方の集大成になった」と自信の笑顔。そして、「私の姿を劇場で見られるのは最後かもしれない。だから、1人でも多くの人に見てもらいたい」と意味深にアピールした。
取材/記事:The Hollywood Reporter Japan 特派員 鈴木元
