■ 作品情報
テレビドラマ「教場」シリーズの集大成として、Netflixで独占配信された前編「教場 Reunion」に続く後編「教場 Requiem」として劇場公開された作品。監督: 中江功。脚本: 君塚良一。原作: 長岡弘樹「教場」シリーズ、「新・教場」「新・教場2」。主要キャスト: 木村拓哉(風間公親役)、綱啓永、齊藤京子、金子大地、倉悠貴、井桁弘恵、大友花恋、大原優乃、猪狩蒼弥、中山翔貴、小日向文世など。
■ ストーリー
未来の警察官を育成する閉鎖的な機関「教場」で、適性のない人間を厳しく見極め、ふるい落とす冷徹な教官・風間公親が、205期生の生徒たちを指導する。生徒たちは、それぞれが抱える夢や希望、そして秘密や葛藤を胸に入校する。彼らは、どんな些細な嘘も見抜く風間の洞察力に晒され、警察官になるための厳しい訓練に挑むことになる。生徒たちの間には、三角関係や家族の問題、内偵など、さまざまな人間関係の確執が表面化し、退校の危機に直面する者も現れる。一方、風間の右目を奪った因縁の相手である十崎を追う捜査チームの動きも描かれ、教場内の出来事と外部の事件が複雑に絡み合っていく。生徒たちは、風間の「最後の授業」を通して、己の資質と向き合い、警察官としての道を掴み取るために必死にあがく。
■ 感想
シリーズの集大成として非常に期待していましたが、その期待を裏切らない作品でした。実は、前編の『Reunion』を録画し損ねるという痛恨のミスを犯し、後編だけで理解できるか不安でしたが、もちろん理解できない部分もあったものの、本作単体でも十分に楽しむことができました。
シリーズ最大の見どころの風間教官のキレキレの観察眼と推理力には、今回もただただ圧倒されるばかりです。わずかな手がかりから的確に状況を分析し、真相を解明していくそのプロセスは、まさに鮮やかの一言。しかし、その根底には日頃からの徹底した情報収集と、何よりも学生一人一人を深く理解し尽くすほどの深い愛情があるのだと、改めて感じます。彼の表面的な厳しさと徹底した追及は、学生たちに自身の弱さと向き合わせるためのものであり、それを理解し受け入れた者だけが、真に立派な警察官へと成長していくのだと思います。
内容的には、学生たちを厳しく鍛え抜く前半と、十崎の確保に向けて物語が大きく動く後半、それぞれのパートに見応えがあります。実際には、思わぬ真相が待ち受けていたにもかかわらず、それすらも風間教官はお見通しだったかのような神がかった洞察力には、本当に恐れ入ります。
劇場版ならではの派手な演出は控えめですが、これまでのシリーズを重ねてきたからこその「厚み」が随所に感じられ、非常に満足感は高かったです。かつての教え子たち、いわば「風間チルドレン」たちの登場は、シリーズファンにとってうれしい計らいでしたし、今期の学生たちも新たな教え子として、今後の活躍が大いに期待されます。彼らが巣立つ際に風間教官と交わされる言葉と握手には、思わず胸が熱くなります。教官と学生という役柄を通して、木村拓哉さんから若手俳優への激励のメッセージにも感じられ、感動的です。
これで「教場」シリーズは見納めかと思っていましたが、まだ続きそうな気配があり、今後の展開にも期待が膨らみます。あわせて、現実にも、信念と覚悟をもった警察官がもっともっと増えることを期待します。
