ドワーフキャット(小猫症)のため、子猫のころから病弱で手術や入退院を繰り返してきた猫の「もんた」。飼い主の献身的なケアと、小さい体で何度も命の危機を乗り越える姿が話題を呼び、YouTubeチャンネル「もんたの日常」は登録者数22.5万人を超えるほどの人気となった。

そんな「もんた」が惜しまれつつ他界したのは2024年6月。ファンの方々に背中を押され、翌年には「もんた」の4歳10ヶ月の生涯を写真と飼い主の手記で振り返る書籍『もんたのいた日常』(辰巳出版)が出版された。さらに時間は流れ、もんたが旅立ってから1年8か月となった今、飼い主に思いを語ってもらった。

【インタビュー・構成:斎藤実】


もんた初の万バズ画像。「木彫りの熊」がもんたの二つ名に。

もんたのいた日常を振り返るのが辛かった

――もんたが旅立ってから、もう1年8カ月になるのですね。

もんたが亡くなってから、動画や写真を見るのが辛い時期がありました。でも昨年『もんたのいた日常』を出版したり、ファンの皆さんに「もっともんたの動画が見たい」と言われたりして、少しずつ心境が変わってきました。

今ももんたの動画をYouTubeにアップすると喜んでくださる方がたくさんいます。今も誰かの癒しになっていて、思ってくださる方がいるのは、お世話した身には、本当に嬉しく、ありがたいです。

私自身、もんたの動画を1年前よりはポジティブに「かわいいな」と素直に思いながら見られるようになりました。もんたがいたころは、ほとんど毎日動画を撮っていました。遊びに飽きてゴロンと転がったり、寝床でぼうっとしていると思ったら二度寝していたり、「むうっ!」と呼びかけたり……。いつものもんたの姿が嬉しくて、「こんなことあったな」と懐かしく思い出しています。


病気に負けない強い生き方と、独特のかわいさがファンをポジティブに。あるファンは、自身の手術を控え「明日手術だけど、もんた君の動画を見て頑張ります」とメッセージを寄せた。

後悔は絶対にしてしまうもの

――どんな思い出が印象深く残っていらっしゃいますか?

もんたの姿でいちばんよく思い出すのは、走っているところです。もんたの生前は、酷い便秘や腎不全、発熱など、「体調が良い日のほうが少ない」ような日々が続いていたので、もんたが走っている姿を見ると「今もんたは元気なんだな」と、ホッとしていました。あとはベッドによじ登ってきて、私の腕や脚にちょこんと顎を乗せてくるとか、元気なころの光景を思い出します。

それと、やはり亡くなる前の2日間のことも。もっと早く病院に連れて行けばよかったとか、その時にしてあげたケアのことなどを悔やむこともあります。多分他の人から見れば極々小さいことなのでしょうけど、一番つらかった出来事なので……だから、意識して楽しいことを思い出そうとしているのかもしれません。

正直、後悔は他にもたくさんあります。例えば、腎不全になって最終的に腎臓を摘出するまで、いつも良かれと思って治療を選んできました。でも、結果的にもんたの負担になったのではないかとか思ってしまいます。当事者としては「結果論だから仕方がない」と割り切れません。多分どうやっても後悔は止められません。「後悔は絶対にしてしまうものだ」と生前から覚悟しておくのがいいのかなと思います。


腎臓から膀胱への尿管に結石ができて腎不全になったもんた。尿が出ないから腎臓に管を刺して直接体外に排出していた。食欲がなく強制給餌が必要だった。写真は半年の闘病を経てようやく症状が落ち着いた時期。

もう一度「もんた」と呼んであげたい

――それでも、病気に負けず幸せそうに過ごすもんたの姿に勇気付けられました。

私にとって、もんたと過ごした日々は本当に特別な時間でした。住んでいた糸島の環境もすごくよかったですし、病気に考えさせられることが多かった。もう無我夢中でしたね。何をするにしても。

軸にあったのは「どれだけもんたを幸せにできるか」ということ。そのためにも私は平常心で冷静にベストを尽くそうと努めてきました。もんたの体調は急に悪くなることも多かったので。振り返れば、もんたの調子がよければ嬉しかったし、そうでなければ心配でした。かわいいし、一緒にいて楽しいし、不安だし、いつもいろんな感情が入り混じっていました。
あの4年半は、もんたが人生の中心でした。

ダメなことを挙げたらきりがありません。小さな後悔はいくらでも出てきます。でも、自分のベストは全て出し切りました。

もし、もう一度もんたに会えるなら、もちろん「ありがとう」と言いたいですけど、抱っこしたり、一緒に寝転がったりしたいな。

言葉をかけるなら名前を呼んであげたいですね。何か話しかけるたび「もんた」と言っていました。もんたにもその方が伝わると思いますし、全てを込められると思います。


飼い主の膝で寛ぐもんた。(写真・芳澤ルミ子)

辰巳出版

2026年2月19日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

辰巳出版

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