「違和感、じゃないですかね」。日本を代表する映画監督の一人である是枝裕和さん(63歳)が、映画づくりへの思いや、監督をめざしたきっかけなどを朝日小学生新聞・朝日中高生新聞の取材で語りました。是枝さんの映画は、なにかがおかしい、という違和感がふくらんでできたものだといいます。(聞き手・佐藤美咲、構成・富貴大輔)

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「なんかちがうな」という違和感をふくらませて作品をつくってきた、と話す映画監督の是枝裕和さん=1月、東京都内 品田裕美撮影

小説家になろうと大学へ でも…つまらなかった

1995年に映画監督としてデビューした是枝さんは、これまで、『万引き家族』で2018年のカンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールを受賞するなど、世界でも高く評価されてきました。

今回、朝日小学生新聞・朝日中高生新聞記者の質問に対し、ときにはじっくり考えたうえで答えました。映画づくりやこれまでの歩みを語るなかで何度も出てきた言葉が、「違和感」です。

新しい話題にすぐ飛びつくほうではないという是枝さん。映画のテーマさがしも「(日ごろから)アンテナを張りめぐらせているわけじゃないですよ。感度はにぶいです」

なんとなく気になったものが頭に残って、それがふくらんでくるイメージだそうです。「『なんかちがうな』が大事なんじゃないですか」

気持ち悪さが新作に

今年公開予定の映画『箱の中の羊』も、「最新テクノロジーで死者をよみがえらせる」というニュースに対し、「気持ち悪い」と思ったのが始まりだといいます。「この気持ち悪いという感情はどこから来ているのか、でもビジネス(仕事)にしている人がいるんだなとか、よみがえらせたい人の気持ちもわかるな、そう掘り下げていろいろ考えると、ふくらんでいきますね」

スポーツ少年だった

是枝さんは、子どものころから迷いなく映画監督をめざしていたわけではありません。ずっと、自分の居場所は「ここじゃない」という思いをかかえてきたといいます。

是枝さんは、小学生のときは野球、中学・高校ではバレーボールと、スポーツに打ちこんできました。高校に入ったころから、小説家になろうと考えていたそうです。そのための進路として、早稲田大学第一文学部文芸学科(当時)をめざし、高校卒業後に1年の浪人生活をへて合格しました。

しかし……「入ったら、つまらなかったんです」とふり返ります。「物書きになるために役立つこと以外は、したくなかった。だから(卒業に必要となる単位を取るのが)楽な授業だけ選びました。でもみんなが真面目に授業を受けているのを見て、何のために大学に来ているんだろうと思うようになったんです。ここにいても楽しくないって、行かなくなっちゃったの」

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カンヌ国際映画祭で『万引き家族』の公式上映が終わり、笑顔を見せる是枝さん(中央)=2018年5月、フランス・カンヌ 朝日新聞社

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