本好きな著名人のオススメ本や書店に対する思いを語ってもらう特別企画「書店応援団」。今回は、アイドルグループ・乃木坂46メンバーの筒井あやめさんです。「本屋さんの静寂な雰囲気が大好き」という筒井さんも、子どもの頃には、あまり本は読まなかったといいます。書店通いを始めたきっかけとは?
筒井あやめさん
落ち着かない大都会で、一人になれる静かな空間
乃木坂46のメンバーとして活動するため、上京したのは14歳の時です。東京に来て驚いたのは、私が育った愛知県とは違い、ザワザワと落ち着かない雰囲気だったこと。慣れない大都会で疲れたとき、自分に向き合える静かな場所がほしかった。そんな思いで街を歩くうちに、行き着いたのが本屋さんでした。
本屋さんに入ると、自然と1人の時間ができます。大型書店も好きですけど、私としては、個性が強く、こじんまりとした本屋さんを推したいですね。そういった本屋さんは、旅や食など、特定のジャンルで個性のある本をしっかりそろえてあります。それぞれの本の装丁も特徴があって、店内を見て回るだけで興味がわいてきます。私が求めた静かで、楽しく、一人になれる空間をくれたのが、本屋さんだったんです。
書店の魅力を語る筒井さん
店内を一通り回って「これいいな」 宝探しのよう
本を手に持って読んでいると、自然と心が落ち着きます。ページをめくるたびに、「次はどうなるんだろう」と、新たな展開にわくわくします。SNSのように画像や映像はありませんが、その分、活字の世界ではいろんな想像ができるので、とても楽しいです。
私は決まったジャンルの本は読みませんが、お店の中を一通り回って「これいいな」と、直感的に思ったものを選ぶことが多いです。書店は「宝探し」の場です。「この本を見つけたのは私だけかも」と思うと、なんだかうれしくなります。
表紙を見て買った本もあります。それが、文芸誌の「USO」(rn press、年刊)です。悲しかったり、おかしかったりといったように、人が抱えるウソをテーマにしたエッセーや詩などを集めた本です。
「USO」(rn press)
この本の表紙が、とてもカラフルでかわいらしいんです。これまでも、赤や青、ピンクなど、いろんな色で発行されていて、眺めているだけで楽しくなる。本の中身も大事ですが、表紙のデザインを見て、「かわいい」と思った本は、つい買ってしまいます。見た感じで選ぶというのも、デジタルとは違う、紙の本ならではの魅力です。こんな本に出会えるのも本屋さんの良さですね。
自宅の本棚には、読んだ本をすべて並べているのですが、表紙のデザインが特に気に入った本は、正面から見えるように飾ります。「幸福な質問」という絵本を表紙がみえるように置いているのですが、絵本なので絵のタッチがかわいらしくてほっこりします。
感激! 本がつないだ青山美智子さんとの縁
好きな作家は青山美智子さんです。青山さんの本はみんな持っています。一番好きな作品は、「木曜日にはココアを」(宝島社)。ある喫茶店が舞台なのですが、いくつかのストーリーがつながっていく話なんです。大きな出来事は少ないのに、人のさりげない優しさや思いやりが描かれているところや、ストーリー同士のつながりに人と人との縁を感じることができるところが、とても温かみがあって、いいなと思います。
「木曜日にはココアを」(青山美智子著、宝島社)
青山さんとは今年、出版社の企画で対談させていただいたのですが、ファンなので本当にうれしくて。実は、この対談をきっかけに、ライブにも来ていただいたんです。感激しました。本を通じて、すてきな縁ができました。
本は、自宅で過ごしているときや夜寝る前によく読みます。寝る前でも、しっかりと読みますよ。私にとって、本を読むことは、一人の時間に没入できて、デトックスにもなる貴重なひとときなんです。
役作りでも本を読みます。テレビドラマ「真相は耳の中」(テレビ東京系、2022年放送)に出演した際は、シャーロック・ホームズや有栖川有栖さんの本を読みました。ミステリーに挑む主人公の気持ちになってみたかったんです。ふだんあまり推理小説をよまないので、役作りがつないでくれた本との縁といえるかもしれませんね。
若い世代に、まずは足を運んでもらう本屋さんに
私と同じような世代の若い人たちが集える本屋さんは、どんな姿なんですかね。例えば、カフェを併設したり、はやりのグッズを置いてみたり、まずは興味をひいて足を運んでもらえるお店がいいのかも。お店にさえ入ってもらえれば、本の良さに気づいてもらえると思います。
上京したばかりの私を支えてくれたのが、憩いの場としての本屋さんでした。それまであまり本を読むことがなかった私に、本の魅力をたっぷり教えてくれました。たくさんの本が出迎えてくれ、誰でも受け入れてくれる心和む空間――。そんな本屋さんにこれからも通い続けたいです。
「表紙がかわいい」と思った本は買ってしまうという筒井さん
筒井あやめ(つつい・あやめ)
2004生まれ、愛知県出身。乃木坂46の4期生。19年、シングル「夜明けまで強がらなくてもいい」で初の選抜入りを果たし、フロントメンバーに抜擢された。22年には雑誌「bis」のレギュラーモデルとなる。同年に4期生楽曲「ジャンピングジョーカーフラッシュ」で初センターを務め、24年にはシングル「チャンスは平等」に収録されたアンダー曲「車道側」でセンターを務めた。25年に1st写真集「感情の隙間」を発売、同年7月にドラマ「量産型ルカ-プラモ部員の青き逆襲-」(テレビ東京系)に主演した。
