「デヴィッドとサラは、劇中の旅を通して恋愛ごっこに興じていますよね。その中でそれぞれが抱えている恋愛観や想いが紐解かれてゆき、2人の関係性が進展していくにつれて“ごっこ”が“本物”へと移行するのです」

他者から見たハードルさえも己が表現を高める要素に吸収・変換する貪欲さと、自身の感性に対する信頼や愛情、それでいて周囲に壁を作らない和やかさ。コゴナダ監督自体も、繊細と豪胆を併せ持ったLiquid Sunshineのような人物だ。持ち時間を超過してもインタビューに答えてくれただけでなく、「背景に映っているのはあなたのオフィスですか? 興味深そうな本が並んでいますね。来日した際にはぜひ覗かせて下さい」と思わぬ申し出を屈託なく行う姿に、その片鱗を見た。

KOGONADA/コゴナダ

静けさで語る映画監督コゴナダ──『ビューティフル・ジャーニー ふたりの時空旅行』で表現した時間と感情の旅

John Phillips

韓国・ソウル生まれ。幼少期にアメリカへ移住する。小津安二郎監督の映画に関する博士論文を執筆していたことがきっかけで、映画への道に進む。最初に注目されたのは、映画やテレビシリーズを自身の解釈でとらえたビデオエッセイ。クライテリオン・コレクションや英国映画協会(BFI)からも依頼を受け、著名な映画作家の作品を探求した映像を制作。スタンリー・キューブリック、ウェス・アンダーソン、クエンティン・タランティーノ、小津安二郎、是枝裕和など様々な映画作家が取り上げられた。 長編映画監督としてのデビュー作は、モダニズム建築の宝庫として知られるインディアナ州コロンバスを舞台にした『コロンバス』(17)。A24が製作した第2作『アフター・ヤン』(21)は、家族の一員だったAIロボットのヤンが故障したことから起こる出来事を描いた切なく美しいヒューマンドラマ。その他、Apple TVのシリーズ『パチンコ』(22)で、パイロット版と 3つのエピソードを監督。また『スター・ウォーズ』シリーズのスピンオフである『スター・ウォーズ:アコライト』(24)の2話を監督した。

『ビューティフル・ジャーニー ふたりの時空旅行』

12月19日より全国の映画館で公開

12月19日(金)より全国の映画館で公開

文・SYO
編集・遠藤加奈(GQ)

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