11月14日・15日に東京ビッグサイトで開催された「アミューズメント エキスポ 2025」。コナミアーケードゲームスブース内で出展された「pop’n music High☆Cheers!!」のディレクター・wac氏へのインタビューをお届けする。
27年に渡って稼働しているアミューズメント施設向け音楽ゲーム「pop’n music(ポップンミュージック)」シリーズ。その最新作として発表された「pop’n music High☆Cheers!!」は、従来の筐体から大きく一新した筐体となっており、ロケテストの開催時から注目を集めていた。
「アミューズメント エキスポ 2025」の会場内では同作の試遊出展が行われ、Gamerでも実際にゲームをプレイする機会をいただいた(その様子については動画にて公開中)。
そしてプレイ後、本作のディレクターを務めるwac氏にインタビューの時間をいただいたので、実際のプレイを通して感じた点などを中心に話を聞いた。
wac氏と「pop’n music High☆Cheers!!」
――「pop’n music(以下、ポップン)」は長らく同一の筐体でバージョンアップを繰り返してきたタイトルという認識ですが、なぜ今回筐体を大きく変化しようとしたのか、その理由をお聞かせください。
wac氏:「ポップン」の筐体部分はもう10年以上もアップデートしていない状態でして、故障などがあった時にもなかなか部品の換えがきかなくなってきてしまっていたんですよね。今のアミューズメント業界で「ポップン」というゲームを続けていくのであれば、遠からず筐体のリニューアルが必要な状況でしたから、様々な条件が噛み合った今回のタイミングでチャレンジしてみようということになりました。
――実際に新筐体にするにあたってどのようなことを考えられましたか?
wac氏:まずは大前提として今のユーザーさんがどのようなことを望んでいるかを突き詰めることにしました。もっとたくさん楽しく遊んでもらうためにはどうしたらいいのかと。ゲーム部分がより遊びやすくなってスコアも出やすくなることを望む方もいらっしゃれば、音響面をグレードアップしてほしい、ヘッドフォンを使いたいという方、より大きく綺麗に表示されたキャラクターを見たい方…。そういった、いろんな方の様々なご要望を出来る限りたくさん叶えることを目指しています。
また、今のユーザーさんに満足していただけるものを作るのはもちろんのことですが、筐体を変えるというのは「ポップン」として結構大きな出来事ですし、この機会に新しい方にもたくさん遊んでいただきたいですよね。新しい要素は、そのためにはどうしたらいいかということを考えて生まれてきたという感じです。
――その中でも“でっかポップ君”の存在が大きいとは思いますが、活用法として2つのボタンを使ったゲームプレイや、プレイ中のHIDDEN・SUDDENのオンオフ機能に着地した理由などをお聞かせください。
wac氏:もちろん、やろうと思えば”でっかポップ君”をbeatmania IIDXでいうスクラッチのようなギミックとして使った「11ボタンモード」なんてこともできるんでしょうけど…、それはまあもう少し未来の「ポップン」かなと。まず”でっかポップ君”は筐体を見た時に小さなお子様も含めて最初に目につくところになると思いますので、誰でも簡単に「ポップン」を遊べるための”でっかポップ君”というところから始めました。
一方で、「ポップン」に慣れ親しんでいる方にとっても”でっかポップ君”に存在価値をもたせたい、というところも同時に考えまして、今の段階ではひとまず「演奏中のHIDDEN・SUDDENの付け外し」という、コアなユーザー様にとっては需要のありそうな機能に落ち着きました。ここから先、新しい遊び方やオプションでの使い方なども考えていきたいと思っています。
――今回の筐体の特徴としてタッチパネルでの操作があると思うのですが、そちらが便利になった反面、オプションの操作がボタンで出来なくなっている部分もあって、一瞬戸惑う感じもありました。そのあたりの割り当てについてはどう意識されたのでしょうか?
wac氏:タッチパネルの実装は筐体を刷新するに当たってはマストと捉えていました。画面に表示されているところをそのまま押せばいいというタッチパネルの優位点を活かして、初めての方にとっても直感的で遊びやすい、選びやすいUIを目指して作っていきました。
もちろん、ボタンはボタンで押してすぐ反応するという意味で良い部分もあり、特に今までのプレイヤーさんはボタンでの操作に慣れていらっしゃる部分もあるので、できる限り今までと同じ操作をボタンでもできるようにしています。ただ、オプション画面については、実際にどのくらいの判定なのかを実際にボタンを押して確かめたいといったニーズもあると思ったので、オプションの操作にはボタンを使わず、タッチパネルだけにさせていただきました。
もちろん今後多くの要望をいただくようでしたらオプション設定のボタン操作についても検討していくことになるとは思うんですけど、今回設定できるオプション項目が増えたこともあってやや複雑にもなっているので、慣れていただけさえすればタッチパネルの方が操作しやすいと感じてもらえるんじゃないかな、とは思っています。
――今回の筐体では液晶の画面比率もより横長になったことでレーンの高さや幅も変わっていますが、そのバランスで意識した点をお聞かせください。
wac氏:新筐体のコンセプトとして、画面を大きくしようというのは最初からありました。表示できることも多くなりますし、やはり今の時代大きな画面の方がゲームセンターでも映えますので…。ただ、コンパネからモニタまでの距離自体はこれまでの筐体から変えていません。画面が大きくなったぶん、上と横が広がったという状態になっています。
もちろん、今までのプレイヤーさんがやりづらくなってしまうことは避けたかったので、レーン表示を従来通りの幅にできるスリムというオプション、高さを従来通りにできるルーフというオプションを用意することで、今までと同じような感覚でも遊べるようにしています。
僕自身も、最初に大きな画面で遊んでみた時には、押しているところと画面の中がいまいち一致しない感じがあったんですけど、何回か遊んでいるうちに慣れてしまって、すぐに大きなレーンの方がやりやすくなりました。なので個人的には大きなレーンでやった方が楽しく思ってはいるのですが、そこは皆さんそれぞれのやりやすい形で遊んでいただければと思っています。
――先ほどお話にあったイヤホンジャックも含めて、今のゲームセンターのスタンダードになっているところはもう一通り押さえている感じでしょうか?
wac氏:今はゲームセンターの音楽ゲームでもイヤホンを繋げて遊ぶのが当たり前の時代になってきてますよね。タッチパネルや操作性の部分も含めてスタンダードが変わってきていると思っています。
それでいうと、先程のタッチパネルの話にもなりますが、「ポップン」の9ボタンだけで曲選択やオプションまわりを操作するというのも、けっして直感的ではないじゃないですか。青ボタンで上下といってもどっちが上か下かも分からないというところもありますし。
――私も当時はアーケードのほうからすぐにできると全く思っていなくて、当時出ていた家庭用ゲームを触って慣れてから始めたのを思い出しました。
wac氏:そうですね、昔に比べると今は本当にゲームセンターにお子様や女性も含めたいろんな方が気軽にいらっしゃる時代になってきてますから。ゲームセンターで初めて遊ぶ方にとって何がやりやすいかというのは、いろんなところでみなさん考えていると思うんで、取り入れられるとこはどんどん取り入れていきたいと考えていますし、要望もどんどん取り入れていきたいです。
――「ポップン」では9ボタンだけでなく5ボタンやバトルモードなどのプレイの選択肢はありますが、そういった従来のゲームプレイも楽しめるのでしょうか?
wac氏:稼働がはじまった時点ではまだないものもあるかもしれませんが、最終的にはよほど必要とないと感じているもの以外は残していきたいと思っていますし、もし削ったものでも要望があれば検討して追加していきたいです。
――今回の試遊ではシンプルなゲームプレイのみでしたが、実際に稼働する際にはほかのモードも用意されているのでしょうか?
wac氏:そちらに関しては…現時点では続報を楽しみにお待ちください、という感じです!
――今の音楽ゲームの主流はボタンを押すタイプではないと思うのですが、その中で「ポップン」ならではの強みと感じている点はありますか?
wac氏:「ポップン」に関しても9個のボタンを、体全体を使って叩いていく、振り回されているように体全体を動かしていくというのも楽しさだと思っているので、パネルタッチだけで遊べるようにしてしまうといった方向の進化は考えていなかったです。新筐体に関してもボタンありきで、“でっかポップ君“や従来の9個のボタンに関しても、叩き心地には結構気をつけています。
確かに今やスマートフォンで遊べる音楽ゲームもたくさんありますし、実際手軽に楽しめる良さがあるんですけども、豪快に体を動かしたり、そこでしか楽しめないような画面空間があったりといった、やはりゲームセンターに来たんだし、と思ってもらえるような体験は大切にしていきたいです。
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