ヴェロニカは、ドゥルス・グリューンバインや多和田葉子といった現代を生きる作家のテキストを起点に、そのテキストの舞台であるかのような極めて少部数の本をつくりあげます。本展は、ヴェロニカ・シェパスが近年手がけた「本のかたちをした芸術」を日本で初めて紹介する個展になります。アーティスト本人とテーブルの上に置かれた「一冊」を交わし合う対話形式の展示です。
10月1日から3日の〈13:00―14:00〉と〈15:00―16:00〉には、さまざまな領域で活躍しているゲスト(招待制)とアーティスト本人がテーブルを囲む「ヴェロニカとの対話」の時間を設けています。
「ヴェロニカとの対話」は招待制ですが、会期中どなたでも自由に観覧いただくことができます。
ヴェロニカ・シェパスが手掛けるブックアートを体験いただければ幸いです。
[特設プログラム]
「ヴェロニカとの対話」※招待制
YOKOTA TOKYOのギャラリー空間でおこなう対話型のプログラムです。招待ゲストとヴェロニカ・シェパス本人がテーブルの上で本に触れながら、「本のかたちをした芸術」について、自由に交わしあいます。
◯プログラムの時間
10月1日(水)
13:00〜14:15【A】くらい舟
15:00〜16:15【B】2の11乗
10月2日(木)
13:00〜14:15【C】白の動詞
15:00〜16:15【D】2の11乗
10月3日(金)
13:00~14:15【E】くらい舟
15:00~16:15【F】白の動詞
[About the artist]
Veronika Schäpers(ヴェロニカ・シェパス)
1969年コースフェルト(ドイツ)生まれ。現在、カールスルーエ在住。1991年ブルグ・ギービヒェンシュタイン芸術大学(ドイツ・ハレ)で絵画とブックアートを専攻。1996年同大学を卒業。
ヴェロニカ・シェパスは、現代のブックアートシーンの中でもっとも卓越したアーティストの一人です。彼女の作品からは境界線が消え去り、コデックス、巻物、蛇腹、オブジェ・ダールなど、さまざまな驚くべき造本スタイルを伴ってあらわれます。自ら手がける繊細な装丁が彼女の芸術作品の一部となっている一方で、ヴェロニカは、ドゥルス・グリューンバインや多和田葉子のような現代の作家から丹念にテキストを選び、そのテキストの舞台であるかのような極めて少部数の本を立ち上げます。すべての本は極めて個性的で、それぞれまったく異なります。彼女は日本に住んでいた多くの年月に影響を受けています。そのことは取り上げるテーマが日本の日常生活に注がれていることに結実しています。一見平凡なテーマは、文化の違いと共通点を浮き彫りにし、東と西の架け橋になっているのです。ヴェロニカの本は、どの一冊も身体的で、五感で触れることのよろこびを体験させてくれます。
作品は英国オックスフォードのボードリアン図書館、仏パリのフランス国立図書館、米国ボストンのボストン・アセナエウム、うらわ美術館をはじめ、世界中の図書館や博物館に所蔵されています。