頑張っているのに「伝え方」が苦手で、なかなか売れない――そんな悩める人におすすめなのが、コピーライティングの第一人者・神田昌典氏25年の集大成で、「この本は100万円以上の価値がある!」とベストセラー『「悩まない人」の考え方』の著者・木下勝寿氏が絶賛する『コピーライティング技術大全』だ。

今回は、たった一語で天国と地獄の差が出る『【スーパーパワーアップ版】稼ぐ言葉の法則』の著者でもある衣田順一氏に寄稿いただいた。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)


?Photo: Adobe Stock


 音楽でも映画でも、ヒット作には実はベースとなる「型」が存在する。

 もちろん、偉大なアーティストや映画監督は最終的に「型」を超えた独自の表現を生み出す。

 しかし、それは、基本の型を踏まえた上での「意図的な崩し」だ。


 実力が未熟な段階で、基本の型を無視してやると、ぶざまに「崩れてしまう」。意図的に「崩す」ことと、無意識に「崩れている」のは、紙一重に見えて、まさに天国と地獄の差になる。



ヒット曲の背後にある「型」とは?

 多くのヒット曲には、「前奏 → Aメロ → Bメロ → サビ」という黄金の構成がある。


 米津玄師の「M八七」やサザンオールスターズの「TSUNAMI」のように、前奏をバッサリ省く曲もあるが、こうした例外は型を熟知した上での「意図的な崩し」だ。


 素人が我流でAメロを延々繰り返したり、サビをなくしたりしたら、ヒット曲はおろか、歌として受け入れられなくなるだろう。


 この「型」は、聴き手の心をつかむ設計図。サビで感情を爆発させるために、AメロとBメロでじわじわ期待を高める。型を守りつつ、個性をスパイスとして加えるから、ヒット曲は生まれ続けるのだ。



ハリウッド映画が語り継がれる理由

 映画も同じである。

 ハリウッドの多くのヒット作は「ヒーローズ・ジャーニー」という物語の型に沿っている。


ステージ1――日常世界

ステージ2――冒険への誘い

ステージ3――冒険の拒否

ステージ4――師との出会い

ステージ5――最初の戸口の通過

ステージ6――試練、仲間、敵

ステージ7――最も危険な場所への接近

ステージ8――最大の苦難

ステージ9――報酬

ステージ10――帰路

ステージ11――復活

ステージ12――宝を持っての帰還


『作家の旅 ライターズ・ジャーニー ── 神話の法則で読み解く物語の構造』(クリストファー・ボグラー著、府川由美恵訳、フィルムアート社)より


『スター・ウォーズ』や『ハリー・ポッター』など、この骨格を持っている映画作品は多数ある。

 この流れに沿うことで、観客は物語に没入感が得られるのだ。

 このパターンは神話を起源にしているから、普遍的な人間の心理に強く訴えるものなのだ。


 この型を無視してもヒット映画が生まれる可能性はあるだろうが、当たるか当たらないかわからない冒険をしなくても、普遍の型があるのだから、それを踏まえてオリジナリティを追求するほうが、ヒットする確率は高くなる。



「売れる」「刺さる」にも「型」がある

「売れる」や「刺さる」という現象を起こすためにも、基本となる原理原則=「型」が存在する。

「人を動かす文章を書く」という部分での原理原則を体系化したものが「コピーライティング」だ。


 コピーライティングというと、キャッチコピーを書くことだと理解されることが多いが、本質はまったく違うところにある。


 コピーライティングは「売れる仕組み」を構築するための原理原則を集めたものなのだ。


 その一例である「6つのどんな」をご紹介しよう。

 顧客が購買の意思決定をするために、訴えるべき6つのポイントと言ってもいい。

「6つのどんな」とは具体的に下記だ。


・シンプルに言うとどんな商品か

・どんな人の役に立つのか

・どんないいことがあるのか

・他とどんなところが違うのか

・どんな証拠や仕組みがあるのか

・どんな人が売っているのか


 この6つの要素を定義し、言語化できれば、一定規模の「売れる」という現象は再現できるのだ。



型を知れば「不安」は解消する

 起業や新規事業に挑戦するとき、多くの人が抱える不安は「売れるかどうかわからない」という一点に集約される。

 売れることがある程度予測されていれば、不安の大部分は解消される。


 そして、音楽や映画と同じく、「売れる」ということにも型がある。

 こういう型があることを知っているのと、知らないのとでは、天国と地獄。


 だが、残念なことに、この人生を左右するこの知識は、学校でも職場でも教えられることがない。

 だから、多くの人が、売れる原理原則を知らずに我流の音楽を奏で自滅するのだ。


「才能がないから売れない」

「センスがないから成功できない」


 そう思う必要はない。

 原理原則を知り、型を踏まえて行動すれば、売れることは再現できる。


 こうした「売れる型」を体系化し、誰でも手軽に実践できるようにまとめたのが、拙著『【スーパーパワーアップ版】稼ぐ言葉の法則』だ。


 また、コピーライティングの原理原則をさらに専門的に深く追求したのが『コピーライティング技術大全』である。


 音楽や映画と同じように、「売れる」にも「型」がある。

 その型を知り、型を踏まえた上で、あなた自身のオリジナリティを表現していくことで、あなたの言葉は必ず相手を動かす力を持つだろう。



一生売れない人に共通する特徴とは?

 私はこれまで1000人以上の添削を通じてコピーライティング改善に努めてきた。


 だが、一向に売れない人が確実に出てくる。

 その人たちに共通するパターンは、今回説明した「6つのどんな」や「売れる型」を自己流でアレンジしてしまうことだ。コピーライティングの経験が浅くても、基本に忠実な人は「売れる」を再現できる。


 一方、ベテランでも基本の型をベースにしない人は、いつまでたっても売れない。


「頑張っているのに成果が出ない」という人は改めて自身を振り返り、「6つのどんな」を徹底的に現場で活かしているか問うてほしい。


 これを常に意識するだけで結果は大きく変わってくるはずだ。

 ぜひ『【スーパーパワーアップ版】稼ぐ言葉の法則』と『コピーライティング技術大全』をボロボロにするまで読み込み、社員みんなで結果を出してほしい。


(本原稿は、『コピーライティング技術大全──百年売れ続ける言葉の原則』と『【スーパーパワーアップ版】稼ぐ言葉の法則 ── 貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」』の著者による特別投稿です)

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