今年も“夏の風物詩”『高校生クイズ』の季節がやってきた。同大会には、後に「QuizKnock」を立ち上げ、現在各メディアで活躍する“クイズ王”伊沢拓司も参戦していた。そんな伊沢擁する開成高校がはじめて全国の頂点に立った2010年大会の舞台裏レポートを、短縮版で振り返る。

「自分が高校生になった時に、絶対にここで勝ってやろう。そうすれば全部変わる――そう思ったんです」

 今や”クイズの帝王”として知られる伊沢拓司。彼が『高校生クイズ』に対して熱い闘志を抱いたのは、中学2年生の時だった。

「なんだよ。開成、負けてんじゃん――」

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 2008年8月、当時14歳の伊沢は開成中学・高校の校内で行われていた『高校生クイズ』決勝戦のパブリックビューイングで、同級生たちのリアルな声を耳にする。

「冗談だろ、全国大会の決勝だぜ?」

 同校のクイズ研究部が史上初めて全国大会の決勝に駒を進めた快挙にもかかわらず、周囲の反応は冷ややかだった。

「悔しかったですよ、単純に。外野から自分たちの努力をないがしろにされるのは、やっぱり悔しかった」

 クイズが好きでありながら「ちょっとカッコ悪い」と思い、美容室では「フットサル部です」と答えていたという伊沢。その彼が、この出来事をきっかけに決意を固める。

 クイズという競技を皆に認めさせるために、『高校生クイズ』という舞台で頂点を目指そうと決めたのだ。それも、圧倒的な強さで――。

優勝チームを編成した伊沢拓司の「戦略」

 2年後の2010年。伊沢は高校1年生になり、いよいよ自分が高校生クイズに出場できる年を迎えた。彼が選んだチームメイトは、2009年の『高校生クイズ』放送後に「開成のイケメン」として一躍有名になった田村正資と、歴史知識に関して卓越した実力を持つ大場悠太郎だった。

 伊沢の戦略は、「主演」を田村に任せ、自身はクイズの総合的な実力で支え、大場には文系スペシャリストとしての役割を担わせるというものだった。

 2010年6月、開成高校クイズ研究部の3人は、満を持してその年の「高校生クイズ」を獲りに、歩を進めはじめることになる。

 かつての悔しさから始まった彼らの挑戦は、どのような結末を迎えたのか——その続きは、本編で描かれている。

<つづく>

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 この文章の本編は、以下のリンクからお読みいただけます。

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