Prime Videoにて9月13日(土)より独占配信される、Snow Man ラウールさんのドキュメンタリー番組『RAUL: ON THE RUNWAY』。その取材会が8月19日に行われました。本人の口から語られた作品の魅力、1年半に及ぶ挑戦について詳細レポートします。

世界への挑戦を後押しした、メンバー、ファンの言葉

SnowMan ラウール Prime Video RAUL: ON THE RUNWAY 会見

ラウール:お集まりいただきありがとうございます。ちょっとこっ恥ずかしいのですけど、これ(配信)をやった意味も何個かありますので、世の中の皆さんに少しでもお伝えしていただけたら嬉しいです。よろしくお願いします。

──まずモデルに挑戦しようと思ったきっかけを教えてください。

ラウール:たしか、会社の人にやってみたら、と言われたのがきっかけでしたね。興味を持ったということでもなくて。(やってみたら)すごい楽しかったんですね。あと、負けず嫌いだったので、もうちょい頑張ろう、みたいな感じで続けて。

──ファッションの本場であるパリやミラノでのランウェイを目標にされていたということで、どうして目指されたのでしょうか。

ラウール:日本で撮影してると、自分がアイドルというのもあって割とちやほやしてもらえる、かっこいいねって、いっぱい言ってくれちゃったりして、すごい恥ずかしかったんですよ。

ただ、それが本当に思って言ってくれているのか、お世辞なのか分からなくて。だから「自分に本当にできるのか?」っていうのを試したい気持ちもありました。

もうひとつは、ファンやメンバーから「なんかパリとか歩いてそうだよね」って、冗談半分・本気半分で言われたりして。そういう言葉に背中を押されるような感じで、「壁を乗り越えたい」と思って、色々な挑戦を始めたんです。

今回密着していただいたドキュメンタリーは、本当にずっとカメラを回してもらっていて、余すことなく皆さんにお届けするような内容になっています。もともと「カメラは回しておいた方がいいよ」とスタッフさんに言われて、僕自身もなんとなくその意味が分かりながら、「じゃあ回しておきましょうか」という流れで。

時間も、お金がかかることだったんで、ちょっとこう…回収もしなきゃいけないと。それで配信が決まったんですが、最初は配信先も決めてなくて、僕自身も正直モチベーションがあまりなくて。ずっとカメラがあって休めないし、出す場所も決まってないし、「なんでやってるんだろう」と思う時期もありました。アピールするのもなんだか恥ずかしくて。

でも、全部終わって1年半を振り返ったときに、「これは配信した方がいいかも」という気持ちが少しずつ出てきたんです。

それは、自分の活動を通して出会った日本人モデルの人たちがみんなすごく頑張っていて。その地位の低さとか、知られなさ、みたいな部分に苦しさを持っていて、自分はアイドルもやっているからこそ、こういう世界があるんだってことを少しでも伝えられるかもしれないと。

それは1個、すごいモチベーションになったのと、このプロジェクトは結構長期間で、例えば1カ月くらいずっとパリに滞在していたこともあったんです。その間、日本の仕事をいくつかお休みしなきゃいけなくて。それは本当に胸が痛い出来事というか、それはしないようにしなきゃいけないもんだと思ってたので。

だからこそ、その時何をしていたのかをちゃんと説明するべきなんじゃないかな、という思いもありました。

普通の人の10代・20代よりもずっと甘やかされてきたというコンプレックスがあったんです

SnowMan ラウール Prime Video RAUL: ON THE RUNWAY 会見 2

──現地に行ったことで気づいたことはどんなことでしょうか。

ラウール:思ったよりリスペクトされるわけじゃないんだな、っていうのもあって。普段YouTubeでランウェイ見てると(自分は)「すごいな」「モデルさんかっこいいな」って思うんですけど。
でもそれが逆に自分にとってはすごく新鮮で、いい経験でした。できなかった経験をできた嬉しさもあったし、同時に苦しいなと思う時期もあった。周りにも同じように抱えている人がたくさんいたし。

──今回のドキュメンタリーでは1年半密着しているっていうことですが、なぜ1年じゃなくて1年半になったんでしょうか。

ラウール:もともとは1年くらいの予定だったんですけど、思うように結果が出なくて。やっぱり期間を決めてしまうとなかなか結果が出づらいんですよね。だから「一旦続けてほしい」という話になって。

ただ、それでも限界はあるじゃないですか。2年、3年と続けても、ただ大変になるだけだし。だから「もうあと1回だけ、ラスト1回」って決めて。で、先月、先々月くらい、6月に最後の挑戦をして、それまでのことが(ドキュメンタリーに)収まっている、という感じです。

──現地で1番辛かったエピソードってどういうものがありますか。

ラウール:なんだろう。あ、僕、方向音痴なんで道に迷いすぎて。それが辛かったですね(笑)。ヨーロッパの街並みは難しい。僕、海外で電波を獲得するのが下手で、ポケットwifiを持っていくんですよ。そしたら、歩いてる途中に充電切れちゃって。方向音痴の人がそのスマホの地図をなくすと結構やばいんですよ…。それが大変でした。

──現地では1人で行動して、オーディションを受けに行かなくてはいけなかったり、日本での行動とだいぶ違ったんじゃないですか。

ラウール:そうですね、日本だったら車をマネージャーさんが用意してくださっていて、それに乗って行けるけど、そうもいかないので。でも、それも自分にとっては必要な経験だったなと思っていて。

僕は16歳でデビューしてしまったので、多分、普通の人の10代・20代よりもずっと甘やかされてきたというか──。苦しまなかったのかな、とか思っちゃって。そういうコンプレックスがあったんです。

別にこの1年半ちょっと苦しかったからって、「俺も辛かったんだぜ」って言いたいわけじゃないんだけど、そういう経験をしてみたかったところもありました。

──先ほどもお話にあったように、文化の違いもありましたよね。それはやっぱり言葉の違いが大きいのでしょうか。

ラウール: 感じましたし、やっぱりアジア人が欧米の人と対等に仕事をしていく難しさっていうのは、本当に身をもって実感しました。そこにはちゃんと怒りも覚えるというか……。でも、それが頑張る理由にもなったし、世界を少し知ることができた感覚があって。結果的にいい経験だったなと思いますね。

(その中で密着されているのは)きつかった時もありました。でも、一緒にずっと撮影してくれたスタッフさんがすごく優しくて、そのおかげで(救われた)。

基本的にオーディションって、母数もかなり多いので9割以上は落選なんですよ。やっぱり悔しいじゃないですか。でも、カメラにあんまり悔しい顔はできない。出した方がいいんだろうなとは思うんですけど。なんか、やっぱりアイドルをやってるからなのか、カメラへの意識は常にあって。

「カメラ回ってるな」っていう感覚があるから、その苦しさもあったんですけど……それでも撮れているところはちゃんと撮れている、っていう感じでした。

──逆に嬉しかったこととか楽しかったこと、どんな光景を思い浮かべますか。

ラウール:嬉しかったことはなんすかね。でも、ずっと体を、体を見せる仕事だったので、体をずっと作ってたりして。で、終わったらなんか美味しいご飯を食べようとか。

(ひと段落した時に食べて幸せだったのは)本当やっぱ日本人だなって思うんですけど、お寿司でしたかね。でね、パリですごい仲良くなった日本人のお寿司屋さんがいて、そこに毎回行きました。

──今回、価値観や人生観にはどんな変化がありましたか。

ラウール: さっきと同じこと言っちゃうかもしれないですけど、小学生ぐらいの頃からアイドルの事務所に入って、10代でデビューして…導かれるままにここまで来ちゃったんですよね。

就職活動的な経験というより、例えば「事務所に入る」「オーディションを受ける」みたいなことをやってきた。だから、地元の友達とたまに会うと、正直お互いに共感できないことが多かったんです。

でもこの前、久しぶりに友達に会ったら「就活してるんだ」って話してくれて。どんな会社を受けたとか、やり方が大変だったとか、そういう話をしてくれたときに、すごく共感できた瞬間があって。めっちゃ嬉しかったんですよ。

そうそう、「そうだよね」って素直に思えたのが、自分にとってはすごく大きくて。もし挑戦してなかったら、そういう話を聞き流してしまったかもしれないし、聞くのがちょっと苦しいと感じたかもしれない。でもその時は全力で頷けたし、自分のやり方も、その子のやり方も「面白いな」って思い合えた。すごくいい時間でした。

──ランウェイを歩いた時はどういった心境だったんでしょうか。

ラウール: ずっと虚勢を張りながらも、本当の自信もどこかにあって。海外に行く時って、謙虚な姿勢があまり良しとされないというか、あまり意味がないんですよね。

まわりは割と「ガンガン行けます、自分」っていうメンバーばかりで。自分も「行けます、自分」って、嘘でも本当でも両方ありながらやってました

──今後の活動に持ち帰るものは?

ラウール:全部自分の頭の中で考えて、作っていかなきゃいけなかったんです。誰かに教えてもらえることはなかったので。

でも結局は、いつもそうなんだなって思って。この仕事をするにしても、スタッフさんが「こういう流れで」「こういうパフォーマンスをしてください」って言ってくださるけど、結局それも自分で噛み砕いて、自分なりに答えを出さなきゃいけない。

だから、それを当たり前にしよう、と思うようになりました。

この1年半で印象的だったのは、初めて「悔しくて涙が出る」っていう経験をしたこと

SnowMan ラウール Prime Video RAUL: ON THE RUNWAY 会見 3

──今は地上波ドラマにも出演されていますし、1年前には映画もありましたが、お芝居に対するスキルや「なりきる力」が確実に増している印象があります。そうした経験や考え方の変化が、お芝居にも生かされていると感じますか?

ラウール: 初めて考えましたね。でも、はい、そういう側面もあると思います。

確かに、この1年半で印象的だったのは、初めて「悔しくて涙が出る」っていう経験をしたこと。子どもの頃はしょっちゅう泣いてたと思うんですけど、割と自我が芽生えてからは一度もなくて。

正直、あったんですね。そういう経験は、もしかしたらどこかで生きているのかもしれないですね。

──最初にランウェイを歩かれたのはヨウジヤマモトのショーだったと思います。その時のきっかけや経験について教えていただけますか。

ラウール: そうですね、最初は会社の方に背中を押された感じでした。当時はまだ事務所にも入っていなかったので、直接コンタクトを取って「オーディションを受けさせてください」ってお願いして。

ちょうど日本がコロナ禍で、日本でファッションショーをやることになったタイミングで、オーディションを受けさせてもらえる流れになって。それがすごく思い出深くて。

ヨウジさんに「ちょっと動きをつけてみたら?」と言っていただいて。本番の前の日か前々日だったか忘れましたけど、一晩中リハーサル室にこもって、過去のショーの音楽を流しながら、着る予定の服を見て、いろんな動きを試しては「これだ」っていうのを探して。

当日は「こういう動きをしようと思います」と伝えたら、「じゃあ、これくらいにしてみたら?」と返してくださって。本当に日本を代表するデザイナーの方と、そういう会話ができたのはすごく貴重な経験でした。

──9月13日土曜日朝10時より配信がスタートします。最後に、ご覧になる皆さんへのメッセージをお願いいたします。

ラウール: あまり馴染みのない世界のドキュメンタリーになると思うので、単純に興味を持ってもらえるかどうかは、自分でもちょっと分からないところがあります。

でも、自分としては少しでもこの世界のことを知ってもらえたら嬉しいな、という気持ちがあります。

モチベーションは何でもいいと思うんです。休みの日にちょっと観てみようかな、くらいの気持ちで。そんなに長い作品じゃなくて、2時間は絶対なくて、1時間ちょっとか、1時間半くらいの短いコンテンツだと思うので。

本当にちょっとしたきっかけでも構いません。気になったらぜひ観てもらえたら嬉しいです。よろしくお願いします。

『RAUL: ON THE RUNWAY』は9⽉13⽇(土)朝10時よりPrime Video で独占配信

SnowMan ラウール Prime Video RAUL: ON THE RUNWAY 会見 4

Snow Manのメンバーであり、モデルとしても活動するラウールの初単独ドキュメンタリー『RAUL: ON THE RUNWAY』。9⽉13⽇(土)朝10時よりPrime Videoで独占配信が開始されます。2024年1⽉から今年6⽉まで、ラウールに⻑期密着。ミラノコレクション、パリコレクションのランウェイを⽬指す1年半を追った濃密なドキュメンタリーです。

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公開日:2025.09.06

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