
北朝鮮で“異例のドラマ”が人気に
今、北朝鮮では、生々しい男女のロマンスや、官僚主義の変革などを描いた“異例のドラマ”が国民に大人気だといいます。当局が厳しく監視しているとみられる国営メディアで、踏み込んだドラマが放送された背景には何があるのか?『コリア・レポート』編集長・辺真一氏の解説です。
朝鮮では『白鶴(ペクハク平原の新しい春』というドラマが『朝鮮中央テレビ』で放送されました。2025年8月3日の『東亜日報(電子版)』によると、あらすじは貧しい農場で、腐敗と官僚主義に立ち向かい戦う、党・下級幹部が、村を社会主義の理想郷に変革していく内容で、『朝鮮日報』によると、2025年4月16日~6月24日の間に22話放送されたということです。そして、北朝鮮対外宣伝用月刊誌が「高視聴率を得た」と報道したということです。
Q.「高視聴率を得た」ということですが、北朝鮮で視聴率は分かるんですか?
(『コリア・レポート』編集長の辺真一氏)
「北朝鮮には、世論調査機関や会社というのはないんです。世論調査をやったなんて話は聞いたことはないですが、おそらく、この番組を北朝鮮のメディアや新聞や雑誌が大きく取り上げたことで、これはもう“好評を得ている・視聴率が高い”という判断なのではないかと思います」
ドラマでは社会的格差のある男女の交際が描かれていて、『朝鮮日報』は、「体制の宣伝目的が強く、個人の内密な感情表現に乏しい北朝鮮作品の中で、愛と別れを前に苦しむ青年たちの感情を真っ向から取り扱っている」と報じました。
(辺氏)
「一昔前は、男女の恋愛というのは、それはもう『とんでもない』という受け止め方がされていましたが、金正恩政権になって、変わってきました。これが本来あるべき姿なんですが…。逆に言うと北朝鮮も少し余裕が出てきたのかなと感じます」
関連ニュース